山小屋登山道の整備手が回らず新たに行政からの支援も
経営状況が悪化し登山道の整備に手が回らない山小屋事情
2020年、コロナウィルスの影響により、7月中旬まで営業を休止していた山小屋が多く、営業再開後も「3密」を避けるために、通常よりも宿泊の定員を大幅に減らすなどの対応をしました。
そのあおりを受けて、ほとんどの山小屋の経営状況は深刻なものとなっています。
日本アルプスや八ヶ岳などの山域では、山が険しいために、登山道の整備のための重機が入ることができません。
そのため、山小屋のスタッフが手作業で、登山道の整備をすることになりますが、コロナウィルスの影響で、多くの山小屋の経営状態が厳しくなっているため、登山道の整備まで手が回っていない、という現状があります。
クラウドファンディングによる援助も多い
そんな中、2020年度は山小屋支援の名目で多数のクラウドファンディングがありました。
山と渓谷社が実施した「山小屋エイド基金」とYAMAPが実施した「山小屋支援プロジェクト」です。
奇遇にも時を同じくして始まった双方のプロジェクトはそれぞれ「96,871,982円」と「61,810,000円」を集め、合計で1億5千万円以上集まりました。
山と溪谷社のクラウドファンディング「山小屋エイド基金」が終了
YAMAP:山小屋支援プロジェクトのご報告
自治体でもその波はあり、茅野市がグラウンドファンディングで資金を集め370万円を集めています。
山小屋単位でみると、多く分配されている山小屋には数百万の寄付金が集まっているところもあります。
今回のケースのように、特別収入として支援金が集まったことで2020年度は何とか持ちこたえたという山小屋も少なくないはずです。
長野県では行政が整備費を予算に組み込む
長野県は山小屋の人件費を含めた登山道の整備費を2021年度予算案に初めて盛り込むことを決めました。
登山道の整備、コロナ禍の壁 担う山小屋も手が回らず(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
未だ自力での経営回復が見込めない山小屋もそう少なくないはず。まだしばらくこの騒動が収まりそうにない中で、行政・自治体そして山小屋が連携しどう乗り切っていくかが、2021年の焦点になりそうです。
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