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海と一対の山を持つ、絶佳の島・金華山|『文系登山』をはじめよう!#07

宮城県の沖合に浮かぶ神の島、金華山。そのすべてが黄金山神社の神域のこの島について、山頂からの絶景と、巨木の森とをご案内してきました。そしてこの島の魅力を味わう、もうひとつの視点。それは、あちこちから眺める海の表情に島の楽しみ方を求めるということ。今回はこの島の絶佳を、海からご案内します。

追いかけてくるカモメの群れ!

金華山に渡るには、女川港からの定期船と、鮎川港からの海上タクシーがあります。こちらは鮎川港から金華山に向かう船を見送ってくれるカモメの様子です。自然と信仰の島に、震災から復旧しつつある島の様子を学びに行くぼくらを、歓迎するかのように賑やかしてくれます。

金華山の港から黄金山神社まで、ずっと海を眺めながら歩いていく参道が続きます。金華山瀬戸を挟んだ向かい側には牡鹿半島が横たわっていて、細かい入り江の出入りが複雑なリアスの美しさを際立たせています。真新しい桟橋が完成し、いまでは年々、参拝者やクライミングで島を訪れる人が戻りつつあります。

島から眺める海の絶佳

島のいたるところから眺められる、太平洋は本当に大きく水平線は果てしなく……。このダイナミックな大海原と太陽との共演は、この島ならではの自然の演出として、きっと島に渡った人の心に深く刻みこまれるでしょう。

山頂付近は、牡鹿半島を南北に眺める絶好のポジション。金華山瀬戸を渡る船が海にラインを引きながら進んでいきます。牡鹿半島の向こうには、網地島と田代島。空気が澄んでいれば、松島方面も見て取れます。人と会うことは稀なので、のんびりこの景色を楽しむ時間は、究極の贅沢といえそうです。

海岸線に沿ってトレイルを歩けば、島の外側の様子がわかります。外洋と空の境目がよくわからないくらい、空と海が水平線の向こうで溶け合っています。日本中にその足跡を残している弘法大師こと空海は、もはや人ではなく、こうした自然の一対の状態のことを意味するのかもしれません。なーんてことを思うほど、この総代な景色はロマンチック。

そんな、ロマンチックな大海原と太陽との共演の様子をとらえました。

午後の柔らかい陽射し、強い西日が照らす海面、そして落日。島にいるときは、まさに太陽とともにあります。これから静かな夜を過ごし、翌日は夜明けとともにまた一日がスタートする。この夕陽を前に、新しい朝への期待が高鳴っていく感じがたまりません。まるで山小屋にいるときのような気分になってきます。やはり、海と山は一対、なんですね。

ここまで3回に渡り、3つの視点でご案内してきた金華山の魅力。山頂までの絶景ハイク、神秘の巨木の森歩き、島のトレイルから触れる海と太陽の共演。山と海は一対となって自然の世界をつくり出しています。そうした地球本来の姿を学び、島遊びができる金華山に、いつか渡ってみることをおすすめします。

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