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登山家オム・ホンギルに聞く!山との向き合い方と自然を愛する気持ち

2000年にヒマラヤ8,000メートル峰14座登頂を成し遂げた。 その後もローツェシャール(8382m)とヤルンカン(8505m)といったローツェ、カンチェジュンガの衛星峰まで登り、ヒマラヤにこだわり続けた世界初の登山家。この目標を達成するまで22年の間におよそ38度の挑戦を敢行し、その過程では多くの仲間を失った。 山へ感謝の思いを伝えるため、日々挑戦し続けている。

映画『ヒマラヤ』パンフレットより

みなさんはオム・ホンギルさんをご存知でしょうか?山好きの方なら聞いたことがあるお名前かもしれませんね。

今回は彼がモデルになった映画『ヒマラヤ』の公開に合わせ、.HYAKKEI編集部もインタビューをさせて頂きました。

とても優しいお方で快くインタビューに応えてくださったオム・ホンギルさん。

まずはどうして山を好きになったのか、質問をぶつけてみました。

生まれ育った環境が彼を山の虜にさせた

――登山をするようになったキッカケを教えて下さい。

私が登山をするようになった理由、そして山を愛する理由は育ってきた環境、成長してきた過程にあると考えています。

3歳の時にウォンボン山という山へ引越し、そこに小屋を建てて暮らしていました。市街に出るための大通りには、山道を40分から1時間程歩かなければならず、そのような環境で育った過程で山を知り、そして魅了されていきました。

本格的に山登りに挑戦したいと思ったキッカケは、中学二年生の時にロッククライミングを習い始めたことですかね。

自然に抱く感覚は万国共通、どこにあっても美しい

――日本の山や自然にはない、海外ならではの魅力はありますか?

いえ、どこの国にあってどこの国にない、というのは自然には存在しないと思っています。自然はどこの場所であれ美しいのです。

もちろん規模や場所によって感じる事、そしてその大きさは変わるかもしれませんが、自然体や飾り気のないものは、それぞれ美しさを持っていると思います。

自然を愛すること、楽しむこと

――様々な山を登ったオムさんが、アウトドアを楽しむ人に伝えたいことはありますか?

自然と向き合う際の姿勢、そして心構えを今一度考えてみてほしいですね。

人を相手にしてもそうですが、山、自然に対しても愛する気持ちを常に持っていてほしいと思います。

自然を愛する気持ちを持つことで、自然を保護する行動へも繋がります。

寛容な心で、山や自然を慈しむことで、なぜか自分自身が癒やされるような気持ちになることもしばしばあります。

また、登山に関してはその行為自体を楽しむことを意識して登ってほしいです。後ろめたさだったり、気を抜いた軽率な行動は必ず怪我に繋がります。

自らが楽しむ気持ちをもって山にも登って欲しいですね。

もちろん愛する気持ちも忘れずに。

オム・ホンギルさんがモデルになった映画が公開中!

ご自身の背景から山や自然との向き合い方など、私達が大切にすべきことを改めて教えてくれたオム・ホンギルさん。

そんなオムさんがモデルになっている映画『ヒマラヤ』、現在絶賛公開中です。

ここで少しご紹介。

2005年、オム・ホンギルさんはヒマラヤ遠征をしました。

それはピークハントや目標達成のためではなく、ある友人との絆のため。

彼の大切な仲間はなんとエベレストで力尽きてしまったのです。仲間の遺体、そしてそれを待つ仲間の家族のため、オムさんはエベレスト登頂を目指したのでした。

そこにはなんの保障も栄光もありません。ただ、仲間とその家族との絆、約束を果たすために。

命の危険を伴う程の極寒と、ただでさえ難易度の高い登頂に、彼らは“仲間の遺体”を求め、決死の捜索を77日間続けました。

仲間との友情、絆、愛が詰まった感動の実話です。

人間の真の愛を、その目に。

最後にこの作品をどんな方々に見て頂きたいか、オム・ホンギルさんにコメントを頂きました。

山好きやピークハンターにはもちろんですが、この映画は老若男女問わず見て頂きたいです。

人間の真の愛が詰まっています。

今の世の中は少し世知辛いように感じていて、情が薄れる場面も多々ある気がします。時には人間関係自体が乾き切ってしまっていると感じることもあります。

私は命をかけて、仲間とその家族との約束を果たすために必死でした。

そんな守るべき義理や道理、生命の尊厳を、見て頂くみなさんに感じてもらえたら私はとても幸せです。

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アウトドアという切り口から、こういったヒューマンドラマや人間の愛、絆、友情を感じることができることは、アウトドア好きなみなさんにとって一石二鳥かもしれませんね。

そして冒頭でのインタビューにあった、自然を愛する気持ち、心構えは意識しなければ忘れてしまうこともあるので、.HYAKKEI編集部も改めてその大切さに気付かされました。

映画『ヒマラヤ』はヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか、全国で公開中です。

詳しくは下記をチェック。

映画『ヒマラヤ』


*公式サイト
http://himalayas-movie.jp/

*公開劇場一覧
http://himalayas-movie.jp/theater/pc-main.php

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