K2を旅する。ポーターは荷運びの達人!?彼らが私たちに教えてくれることとは
もくじ
道が崩れていても関係ない、ド根性ポーター魂
キャラバンを開始する手前までは、車が入れるのですが悪路の道を進んでいかなければなりません。写真を見ていただけるとお分かりになると思うのですが、日本のようにガードレールといったものはなく、常に山側からも落石が多々あります。
また、谷側も場所によっては数百メールの落差がある箇所も出てくるため、緊張感が常にあります。しかし、現地の彼らは行き慣れた道なので、危険だと思う場所にも荷台に5人くらいの人を乗せて進んで行きます。
車は走れば問題ない!?積載量MAX!!
荷物はJEEPの頭よりも高く積み上げられます。そして、荷物の積み込みが終わると今度は5~6人のポーターたちがその上に乗り出すのですが、車が悲鳴をあげていても関係ありません。走ればいいのです。
ちなみに車のメーカーはなんとトヨタがダントツに多かったです。屈強な車はなんと日本で生産されたもので現地の彼らは一様に「この車が一番いい」と言っていました。こんな遠い国で日本のものづくりが必要とされていることに感銘を受けました。
車で入れないところは人と動物で荷運びを行う
いよいよ車が入れないところまでやってくると、人力での荷運が始まります。一人当たり大体30kg前後背負うわけですが、重量が多くなるほど賃金も高くなります。なので、ほとんどのポーターたちは40kg位を背負って毎日運んで行きます。
ザックといったものはなく、木で組まれているお手製の背負子が多く見受けられました。それを彼らは、ロープを巧みに使って荷物をまとめ上げていきます。狂いのない計算された結び方は職人の領域と言えます。僕も試させてもらいましたが、結局まとめ上げることはできませんでした。改めて彼らに脱帽です。
運ぶ時にも優先順位がついている
ポーターたちが、勝手に荷物を持って運ぶことはありません。サーダーと呼ばれるポーターをまとめる役職の人がおり、その人が荷運びの仕分けや順序を決めていきます。
行動を早朝に開始すると夕方の15時くらいに次のキャンプ地へ着くのですが、まず必要なテントと食料は、優先的に先へ行って設営を行ってくれます。そのため、日本人が到着するころには全てが終わっており、お茶まで出してくれます。これがプロの仕事なのだと思いました。常に僕らのことを気にしてくれて何かあった時は迅速に動いてくれる。
僕らが山へ行ってしっかりとパフォーマンスが発揮できるのも、こんな彼らがいてできることなのだと感謝しています。
貴重な体験でしたが、ポーターたちの本当の姿を垣間見れたような気がします。彼らが僕らのことをどのように思っていたか分かりませんが、僕は彼らから学ぶことが多かっと思います。
登山活動を通じて自然の魅力を伝えていきます!!
1989年7月7日生まれ、 栃木県出身。明治大学の山岳部で年間100日間ほど山に入る。卒業後は2013年にK2(8611m)に挑戦するも雪崩により断念。それ以降も国内外の登山を続けつつ、2017年に厳冬期デナリ登山を計画、2018年にK2へ再挑戦するための準備を行っている。
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