あ、ちょっと自然を感じたいな。
美味しい野菜が食べたいな。
キャンプ行きたいな。


この3つの要素をすべて満たしてくれるキャンプ場が、千葉県山武市にある大人気キャンプ場の「有野実苑オートキャンプ場」。


「極論、キャンプ場じゃなくたっていいんですよ。」


そうおっしゃる代表の鈴木章浩さんに、キャンプ場としての歴史、今目指しているものを伺ってきました。

もともとは農家、梨の果樹園、造園業を経てキャンプ場へ

もともとは農家、梨の果樹園、造園業を経てキャンプ場へ|「農家からキャンプ場へ。自然と野菜を満喫できる有野実苑オートキャンプ場の前例のない挑戦秘話」の1枚目の画像

ーーまずは有野実苑のここまでの歩みは簡単に教えて下さい。


はい、ここ有野実苑は成田空港の近く、千葉県山武市にある野菜の収穫体験やイタリアンレストランのあるオートキャンプ場です。
キャンプ場がオープンしてからは22年が経ちましたね。


ーーもともとキャンプ場ではなかったのですか?


そうなんですよ。私共は先祖代々、この土地で農家として暮らしてきました。私が子供の頃に、祖父が農業以外にも仕事をしていこうと決め、梨の果樹園や造園・土木業を経て、キャンプ場になりました。


ーー梨に、土木に、今とは全然違いますよね。


そうですね。ただ、その名残ではないですけど、梨狩りや以前やっていたジンギスカンを提供する食堂、造園業は今のキャンプ場にもたくさん影響を与えてくれてますね。
バブル経済の崩壊前後までは梨狩りと造園業に大忙しで、当時20歳そこそこの自分はてんやわんやだったのを覚えてます。


ーーーそこからキャンプ場になっていった経緯は何ですか?


ちょうどバブルが崩壊する、しないというタイミングで私の父が急に「キャンプ場をやるぞ」と言い始めたんです。
当時住宅バブルでもあったので現場仕事が忙しい時に「何言っているのだろう・・・?」と思っていました。
しかし、バブル経済の破綻とともにどんどんと造園・土木業は縮小。いよいよどうなっていくんだと思っていた矢先に、なんと日本でのオートキャンプブームが到来したんです。


ーーーすごいタイミングですね。


今、思うとそうですね。今度はキャンプ場の整備に大忙し。私自身もユンボやらダンプやらを運転してキャンプサイトを造成していきました。
このキャンプ場に植わっている樹木は、実は造園で使うはずの木々だったんですよ。
それを当時からキャンプサイトは区画型にしようということで、木々で各サイトを区切れるように配置していったんです。

ーーその当時から区画サイトを決めてたんですね。


はい。最初は10数区画でしたけどね。今の露天風呂の受付場所が当時の管理棟で、施設はそのすぐ近くにあるトイレと炊事場が1個だけ。そこからのスタートでした。
平日は現場作業。重機でキャンプサイトを造成して、土日がくればお客様対応をして・・・という毎日の連続でしたね。

露天風呂は造園の経験を活かして手作り


ーー有野実苑といえば、露天風呂がとても魅力的ですけど、お風呂を作ったのはいつですか?


一番最初にお風呂を作ろうと思ったのはたしかキャンプ場を初めて2~3年経ってからでしたね。ここで活きてくるのが造園業で培った技術なんですよ。
造園士からすると露天風呂を作るということは池を作るということの延長でできるわけですよ。石さえあれば大変なものでもないんです。

ーー鈴木さん自ら作られたのですか?


そうですよ。当時は造園業で使っていた庭石がたっぷりあったんです。それで作りましたね。
重機の使い方や木の扱い方、どうやったら木が枯れないとか、池を作るのに必要な水道工事回りの知識など、造園で養ったものがここで非常に活用できましたね。


ーー今はもうキャンプ場がメイン事業ですよね。


はい。バタバタとキャンプ場を造成しているうちに造園・土木の依頼もなくなり、キャンプ場をメインとする会社に変わっていきました。

現在のA,B,Cサイトができてからも梨の果樹園を続けていましたが、キャンプのお客様が非常に増えて、いよいよ梨をどうするかという話になりました。

30〜40年手塩にかけて育ててきた梨を切るという決断は決して簡単ではありませんでしたけど、手入れや台風などの自然災害なども考慮した結果、今のような形にしていきましたね。


ーーまさしく苦渋の決断ですね。


そうですね・・・。ただ、梨狩りという収穫体験は非常に面白いと考えていて、梨の木を切る時も次に何か他のものを育てましょうということは提案していましたね。
そこで当時はまだ誰も手をつけていなかったブルーベリーの栽培を始めました。今でも6月下旬くらいになるとブルーベリーがたくさんの実をつけてくれます。

ーーでは、収穫体験は梨から始まり、ブルーベリーに変わり、そこから今のように野菜を扱うようになったのですか?


はい。そこから野菜のバリエーションを増やしていって、さつまいもは当時当たり前でしたけど、とうもろこしや落花生なども収穫体験としてやってもいいだろうと思って、色々と始めていきました。
この頃から現在のキャンプ場のように、1年を通して収穫期を出して、収穫体験が楽しめるキャンプ場としてやっていこうと思いましたね。

自社の野菜、近隣の有機野菜を使ったレストランをオープン


ーー昨年、イタリアンレストランをオープンされましたよね。それも収穫体験と関係してくるのですか?


そうですね。レストランはキャンプ場をやっていて、収穫体験もやっていて、自社で持っている農園の野菜や近隣の有機野菜を活かして料理を提供してくれる人を探すことから始めました。
キャンプ場がレストランをやるっていう事自体がそもそもあまり世の中的にやっていなくて、当初は全く人が集まらなかったです。

ーーーランチで頂きましたけど、本当に野菜が美味しいですよね。キャンプの雰囲気もありますし。


イメージとしては納屋とか山小屋、ガレージという感じですね。フォーマルでかしこまった感じではなく、カジュアルな雰囲気にしようと心がけました。


ーーキャンプ道具が店内にあるのがとても印象的です。


テントは絶対張りたい!と思ってましたね。経営的な目で見るとわざわざ座席数を削ってまでテントやキャンプ道具の展示をするのはどうなんだって思いますけど、そこは私の我を通させてもらいました。
今でも女性スタッフにチクチク言われますけどね(笑)

メニューを考える時も、イタリアンなので女性的と思われがちですが、男性も楽しんでもらえるようスキレットで肉系の料理をお願いしたり、シェラカップを使って提供できるようにしてもらいました。

ーーキャンプに来たお客さんでどれくらいの方が利用されるのですか?


たくさんの方にご利用頂いてます。キャンプに来たお客様が一食ぐらい、その美味しい野菜を使った料理食べてみたいよねとか、収穫体験だけじゃなくてせっかくだからその美味しい野菜、レストランで食べてみようか、ということで利用して頂いてます。

逆にご飯だけ食べに来たお客様にも、あれ?ここって農園があったりキャンプ場があったり他のこともやっているのかな?、って知ってもらえる機会にもなってます。

キャンプ場があって、収穫体験があって、美味しいものが採れるこの環境があって。
それならその美味しいものを食べさせる場所があってもいいよねってことでレストランを始めたのです。キャンプ場がベースになかったらレストランは始めてませんでしたね。

自分で楽しんでこそ、お客様に伝えられる。そう気づいたキャンピングトレーラー

自分で楽しんでこそ、お客様に伝えられる。そう気づいたキャンピングトレーラー|「農家からキャンプ場へ。自然と野菜を満喫できる有野実苑オートキャンプ場の前例のない挑戦秘話」の1枚目の画像

ーー有野実苑の特徴の1つに、エアストリームのモータープールがある点もあげられますよね。どのようなキッカケでご自身がエアストリームに乗るようになったのですか?


エアストリームは福島県の老舗キャンプ場、猪苗代湖モビレージとのお付き合いから始まりました。
キャンプ場をオープンして色んなキャンプ場を見に行こうという話になり、そこで一番歴史のあるキャンプ場の猪苗代湖モビレージに行ったのです。そこにこのエアストリームがありました。ちょうど寒い時期だったこともあって、「どうぞエアストリームの中でお話をしましょう」と招き入れて頂いたのです。その時、衝撃でしたね。「なんだこれは」っと。

それからご縁があってエアストリームジャパンの代表の方やキャンプ場の小松オーナーとも何度もお話をする機会があって、お二人が口をそろえて


「キャンプ場やるんだったらさ、自分も楽しまなきゃダメだよね」
「そうじゃないとお客様にその楽しみ伝えられないだろ?」


って言うんです。これは今でも覚えている衝撃的な言葉でしたね。

そこからエアストリームを買いたいという気持ちがとても強くなり、実際に購入し、キャンプ場に置いてみたのです。

するとやはり気になるのか、常連さんに始まり色んなキャンパーさんが「中を覗かせてください」ですとか「どうやったら買えるんですか?」なんてお話になりました。その中で「買えるんだけど、場所がどうしても確保できないんだよね」という方に出逢った時、「あれ、これ有野実苑で場所を提供すればいいんじゃないのかな」って思ったんです。


それからは千葉にあったキャンピングカー販売業者さんに聞いたり、警察に聞きに行って、モータープールとして登録できるように段取りをしました。当時はキャンプ場がキャンピングトレーラーの駐車場所として登録されるということが前例のないことだったので、少し時間がかかりましたけど、なんとかここを利用できるようにしました。


ーー前例がない中でやるのってとても大変ですよね。


そうですね。ただ当時アメリカのキャンプ場を見に行っていたりもしていたので、なんとなくのイメージはついてましたね。あとは試行錯誤しながら作りこんでいきました。

意識したのは、ここはキャンプ場なので、キャンピングトレーラーの単なる駐車場としてだけ使ってもらうのではなくて、広めにスペースをとってここに来てキャンプができるようしています。ただギュウギュウにトレーラーを停めるだけではなく、ここでそのままキャンプが楽しめるように。実際にそういったお客様もたくさんいらっしゃいます。

自然、畑の力、野菜、気軽にここに来てこのエリアを楽しんで欲しい

ーー有野実苑が目指す場所、それはどこでしょうか?


東京からも近いので、思い立ったら有野実苑って思って頂けるように、「明日キャンプいく?じゃぁ有野実苑いく?」というような気軽に来てもらえる場所作りを目指しています。

都会から来た人に日常的でない非日常を味わってもらう。
一番は野菜の美味しさですよね。畑で熟した野菜の美味しさ。その味を知ってもらえるのが一番いいかなと思ってます。

野菜が土に植わって育っていく様子とか、子どもたちに教える場としては最適ですし、収穫した野菜でBBQをしたり、サラダにしたりして、「今日、◯◯ちゃんと一緒に獲った野菜だよ?」なんて会話が生まれたらいいなーと思ってます。

こういう気付きって現場に行かないとわからないし、八百屋さんやスーパーに並んでいるだけじゃわからないんです。ぜひ少しだけ足を伸ばしてここまで来て頂いて。畑にいって、土の感触とか、そういうものも知ってもらいたいです。

ーー土の感触はここに来ないとわかりませんね。


色んな物の入り口があって、レストラン・収穫体験・キャンプ場というものがつながっていて、3本の矢になって。極論、キャンプ場じゃなくてもいいとも思っています。形態にこだわらず、自然体験・野菜の美味しさを知ってもらえるのであればどんな形でもいいです。

何かシンボルのような山があるわけではありませんが、ちょっとした自然がここにはあって、収穫体験を楽しんだり、美味しい野菜を食べていただいたり、もちろんキャンプを楽しんでもらったり。この土地、エリアを楽しんでもらえるように準備をしていますので、ぜひ遊びにお越しくださいませ。


ーーありがとうございました!

自然、畑の力、野菜、気軽にここに来てこのエリアを楽しんで欲しい|「農家からキャンプ場へ。自然と野菜を満喫できる有野実苑オートキャンプ場の前例のない挑戦秘話」の8枚目の画像

千葉県山武市。都内から90分で行けるオートキャンプ場が有野実苑。綺麗な緑の木々と美味しい野菜を楽しめるキャンプ場でぜひ自然に触れてください!


*有野実苑オートキャンプ場
キャンプ、野菜の収穫体験、イタリアン料理が楽しめるオートキャンプ場。
住所:千葉県山武市板中新田224
予約・問い合わせ先:0475-89-1719
HP:http://www.arinomi.co.jp
この記事を書いた人

佐久間 亮介

日本全国キャンプ場と名所を巡りながら旅する旅人。月間50万PVのキャンプブログ「http://camp-in-japan.com」を共同運営。 キャンプでたくさんの笑顔が生まれたらいいなーっと思いながらブログを書いてます!

関連トピック

トピックから記事を探す

 次の記事へ 
佐久間 亮介

キャンプをより身近に、たくさんの人に!

Popular Posts

最近人気の記事ランキング

もっと見る

Monthly Pick Up

.HYAKKEI編集部おすすめの記事

New Posts

最新の記事

もっと見る

特集

特集・連載コンテンツ

もっと見る

トピック一覧

トピックから記事をさがす

もっと見る
▲TOPへ

ログイン

コメントを投稿するにはログインが必要です。

会員登録ログイン

ログイン

コメントを通報するにはログインが必要です。

会員登録ログイン

コメントを投稿

このコメントを通報する