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登山道保全と温泉文化、火山地形を学ぶ2日間

安達太良山での体験型トレッキングプログラム実施レポート

株式会社finetrackは、安達太良・吾妻 自然センターと共催で、登山道保全・湯守文化・火山地形観察をテーマとした体験型トレッキングプログラムを、2025年6月に2回にわたり福島県・安達太良山で実施した。

本プログラムは「登山道を守ること、温泉を届けること、そして山を歩くこと」を軸とし、参加者が現場での作業や観察を通じて、山との関わりを多角的に学ぶ内容となった。

登山道保全と横断溝の再整備

初日はロープウェイで標高を上げ、登山道に設置された横断溝の再整備を実施。短時間豪雨による雨水の流入でえぐられた登山道に対し、水流をコントロールする「水たたき」などを設置し、参加者は山の呼吸に耳を澄ませながら作業に取り組んだ。指導を務めたのは、長年安達太良山で保全活動を続けている一瀬圭介氏。

作業後はセンターに戻り、finetrackスタッフによるレイヤリング講座、そして安達太良山の歴史や火山地形についての解説が行われた。

湯守文化に触れる源泉見学

2日目は早朝に出発し、岳温泉の源泉地帯へ。通常は立ち入り禁止のエリアを、湯守の案内で特別に見学。温泉を支えるパイプライン、その先にある人々の暮らし。湯守の仕事からは、登山道とは異なる自然との共生のかたちが見えてきた。

仮設トイレの再利用や木段のアップサイクルなど、地域の資源を活かした取り組みも紹介され、「山と人の関係性」に光が当てられた。

火山地形と向き合うボルケーノトレイル

後半はクロガネ小屋から稜線に出て、爆裂火口「沼ノ平」を目指すルートへ。火山の息吹を間近に感じながら歩く道のりは、山が「生きている」存在であることを実感させる時間となった。

「登山道保全は、山の未来を想像すること」。一瀬氏の言葉の通り、目の前の作業を超えた視野の広がりが、参加者の中に芽生えていた。

守り手としての登山者像

finetrackが掲げてきたのは「遊び手が創り手になる」姿。今回のプログラムでは、その延長線上にある「守り手」としての登山者の可能性が浮かび上がった。気候変動や登山道の荒廃が進む中、安達太良という1つの山を通じて、「全国の山の未来」に思いを巡らせるきっかけとなった2日間だった。

スタッフによる視点の異なるレポートも公開

各回の様子は、finetrack公式noteにてスタッフによるレポートとして公開中。参加者のリアルな声や山との対話が綴られており、本イベントが生んだ気づきの広がりが垣間見える。

本レポートを通じて、「山を歩くこと=山を守ること」という新しい登山者像が、より多くの人に広がることを期待したい。

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