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  • キャンプ好きが贈る、キャンプの体験レポートです。日本にはたくさんのキャンプができる、自然あふれる素敵な場所がたくさんあります。.HYAKKEIでは、そんな場所に実際に足を運び、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっとキャンプに行きたくなりますよ!

【独学で8000m峰へ!】サラリーマン登山家って何者??

都内で新規事業の推進に深夜まで悪戦苦闘していたわずか1週間後、僕はパキスタンにある8,000m峰のベースキャンプに辿り着きました。76kmものトレッキングを経てようやくたどり着いたここは既に標高が5,000m近く、ひたすら氷と岩が広がる無機質な世界。そして、いよいよこの先からは本格的な登攀が始まり、氷と岩に覆われた45-85度の傾斜が果てしなく続いていきます。

ブロードピークの5700m地点より

サラリーマン登山家って何者??

サラリーマンをやりつつ独学で世界中の山を登っている深川健太(29歳)と申します。登山における最終目標は、世界最難関であるK2への登頂です。

大学卒業間際まで、これまで一切登山をしてこなかった僕は決して秀でた登山技術を持っているわけではありません。無謀な挑戦で手痛い失敗も、何度も経験してきました。

それでも自分なりにサラリーマンとして全力で働きつつ、ヒマラヤ登山を目指す僕の奮闘が、何かに挑戦しようとする方の背中を押すお力添えとなればと思い、これまでの体験を共有させていただければと思います。

こちらの記事では、簡単に僕のバックグラウンドについてお伝えします。

失恋をきっかけに始めた海外登山

今して思えば自分でも笑ってしまう理由なのですが、海外登山を始めたきっかけは失恋です。この世の終わりのような気分に苛まされ、失意のどん底で自分を変えたいという想いに猛烈に駆り立てられたのです。

僕の長らくのコンプレックスは、とびっきりの運動音痴であること。高校の体力テストは、200人中下から2番目。小学校の徒競走も最下位が定位置。

そんな自分を変えるべく始めたのが、登山でした。

数あるスポーツの中で登山を選んだのは、体力づくりなど後天的な努力でなんとかなるのではという打算。そして、学生時代からバックパッカーとして世界中を旅していた僕は、まだ見ぬ未知の景色への憧れが常にあったからです。

週7でのジム通いでめきめき体力がつき、夏は富士山ツアーの添乗員補助のアルバイトで10回弱富士山に登り、体力をつけました。そして初めて登った海外の山が、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5,895m)。

山頂アタックの日は、足を一歩踏み出すことすら果てしないしんどさで、高所登山の洗礼を味わいました。それでも苦しい思いをした先にあった、山頂での景色の美しさと達成感が忘れられず、僕は登山にのめり込んでいきます。自分が8,000mの山に登るだなんて当初は想像もつきませんでしたが、登山を通じて世界中のたくさんの人と話し、どんどん登りたい山が増えて僕の山登りはエスカレートしていきます。

結局別れた女の子とも復縁・結婚して、高校時代から10年来の付き合いになります。

サラリーマンと海外登山の両立の模索

大学卒業後、IT企業で新規事業や財務の領域に取り組みながら、世界各地の山に登り続けました。自分がサラリーマンと海外登山の両立ができたのは、間違いなく周囲の理解があってこそです。

それでも、平均年齢が28歳と若いこの会社ではハードワーカーが多く、まとまった休みをとるのは簡単ではありません。今でこそ働き方も変わりつつありますが、一時期僕の部署は不夜城(※比喩です、念の為)なんていうあだ名も一部で…。

特に前回の山行では、かなり強引に山行期間を短縮したにも関わらず一ヶ月間の休暇が必要だったため、業務調整には非常に苦労しました。

また、自分に課している最低限のルールとして、休職はせずに有給期間内での山行としています。サラリーマンとしての職責もある中で、際限ない身勝手な行動では周囲に説明がつかなくなってしまうからです。

2024年からは、資産運用会社でスタートアップ投資に取り組みます。引き続き海外登山には挑戦する予定ですが、当然休暇の取得は高い成果の達成が前提となり、職責も広がるので、業務調整の難易度は前職よりもさらに上がりそうです。

それでも両立を諦めないのは、仕事も登山も大好きだから。

それに、両立には当然苦労もありますが、登山と仕事は中長期的にはトレードオフとはならないと思っています。もちろん登山のために仕事を休んで海外に一か月行ったら、その間は仕事ができなくなります。それでも、何かに打ち込んだ経験は、直接的な形でなくとも、必ず仕事や人生に生きてくると僕は信じています。海外登山に打ち込んできた熱量・バイタリティで、仕事にも取り組んだり。あるいは、仕事で学んだプロジェクトへの方法論を通じて、高い登山を登頂する計画を立てたり。

ブロードピークの4,800m地点より

至らない点も多いものの僕自身がそうした理想に少しずつ近づけていると思いますし、海外で出会った登山と仕事を高次元で両立する先人にも強い刺激を受けています。

今後の記事について

冒頭でも述べたように、何かに挑戦したい方の後押しとなるような僕の奮闘をお伝えしていければと思います。直近で挑戦したブロードピーク(8,051m)遠征や、仕事と登山を両立することで得た学び・そして海外登山に興味がある方へ紹介する具体的なアプローチなどなどご紹介する予定です!

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