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テーマは“人間回帰”。snow peak×リノベ不動産が提案する「アーバンアウトドア」という新しい暮らしの形

アウトドア界とリノベーション界の”革命児”による異色コラボ

snow peakといえばアウトドア好きの中では知らない人はいないであろう。高品質なアウトドアギアを提供しながらライフスタイルとしてのアウトドアを提案するブランド。リノベ不動産は、「今までにないワクワクを」をコンセプトに、その人らしい暮らし方を実現するリノベーション会社。アウトドアとインドア。一見、真逆に見える事業を展開する両社が今回コラボして提案するのが、「アーバンアウトドア」という新しい暮らしの形です。

アーバンアウトドアとは一体どんな暮らしの形なのか?その背景や狙いについて、この新しい取り組みを担当されているsnow peakの吉野真紀夫さん(以下吉野)、リノベ不動産代表の鎌田友和さん(以下鎌田)にお話をうかがいました。

「人間回帰」。アウトドア用品を通して、私たちsnow peakだからこそできるライフスタイルの提案

左:リノベ不動産代表 鎌田友和さん/ 右:スノーピーク 吉野真紀夫さん

左:リノベ不動産代表 鎌田友和さん/ 右:スノーピーク 吉野真紀夫さん

——まずはじめに、今回提案されている「アーバンアウトドア」というコンセプトと、その狙いについて教えていただけますでしょうか?

吉野:私たちsnow peakは創業以来どちらかというと自然のフィールドを舞台にアウトドアアクティビティやオートキャンプといったスタイルを提案してきました。昨今の日本は都市化が進み、過度にストレスを抱える環境にあると思っています。そんな都市化が進む社会の中で、「人間回帰」を目的に自然とのつながりの機会を増やしたいと私たちsnow peakは考えています。
今キャンプを楽しまれている方の多くは、都市部で生活されている方々です。アウトドアフィールドで待つだけではなく、私たちからお客様の日常に対して何か提案できることがあるのではないか。その考えから生まれたのが、「アーバンアウトドア」というコンセプトです。
都市生活者の方々へ自然指向のライフスタイルをどう提案できるか。そう考えた時、住環境の分野で、snow peak製品を通してどんな価値をお届けできるのか。日常的にsnow peakの道具に触れていただくことで、海や山や川、公園に出かけることが増えるようになったら良いなと。

——snow peakというアウトドアブランドが“暮らし”という住環境分野に入っていかれること自体が斬新ですね。都市と自然をつなぐ架け橋として「アーバンアウトドア」のコンセプトを掲げてらっしゃいます。一般のアウトドアブランドだと、住環境分野に進出しようと思ってもなかなかできないと思うのですが、snow peakの場合は良質なプロダクトがあったからこそ、実現できたようにも思います。自社プロダクトがアウトドアに限らず、普段の生活でも十分通用するという感覚があってのことだと思うのですが、いかがでしょうか?

木の温もりとsnow peakのギアを中心に作られたアーバンアウトドア空間。アウトドア好きの満足度はもちろん、住空間としても申し分ない。

木の温もりとsnow peakのギアを中心に作られたアーバンアウトドア空間。アウトドア好きの満足度はもちろん、住空間としても申し分ない。

吉野:私たちは新潟・燕三条というものづくりのまちで、製品を開発しています。品質が高いだけでなく、アフターサービスもしっかり行っていますし、キャンプだけでなく、1年間365日使える商品に仕上がっています。こういった製品を持っているからこそ、住環境分野に参入し、「アーバンアウトドア」という新しい暮らしの形が提案できると思っています。

——鎌田さんはアーバンアウトドアの取り組みを聞いて、率直にどう思われましたか?

鎌田:もともと「アウトドアの要素を住環境に取り入れたい」と思っていましたので、snow peakから「アーバンアウトドア」の取り組みを伺ったとき、「これだ!」と思いました。アウトドアと不動産では業種が全く違うのですが、思い描く世界が合致していて、心から共感しました。

——「中古物件購入+リノベーション」を提案する不動産会社として、アウトドアの要素を取り入れる「アーバンアウトドア」には、どういった可能性があると思われますか?

鎌田:これまでの不動産業界は箱として住環境を売る風潮が強い傾向にありました。画一的な箱を大量に作り、大量に売る。暮らし方の多様性よりも、多くの人に同じような箱を提供することに重きが置かれていました。しかし、今では人口が減り住宅は余る時代になってきています。
私たちリノベ不動産は、箱を売るという考え方ではなく、暮らす人のライフスタイルに合わせた住環境を提案しています。リノベーションという手法を用いて、その人に合ったライフスタイルを実現するための空間につくり変える。自分の趣向に合った暮らし方からワクワクを提供していきたい。ただ住むのではなく、住まいそのものに楽しさや喜びを感じるものであってほしいと思っています。

——古来、日本人の暮らし方は、場所に対する感性が高かったように思います。伝統的な日本家屋は、家の外と中の境界がぼんやりしていて、自然とシンクロするつくりになっています。借景はその典型ですよね。それが今では家の外と中を分離する箱型住まいが大半になってしまっているのは大変残念です。現代の住環境も影響してか、日本人の場所に対する感性も鈍くなっているのではないかと。
そういった意味でも今回のアーバンアウトドアという取り組みは、自分たちの暮らし方を考え直すひとつのきっかけになるように感じています。今後はどういった展開を予定されていますでしょうか?

鎌田:今回は、よくあるマンションの、よくある間取りでどんなことができるかが、最大のチャレンジでした。従来の「○LDK」という概念にとらわれず、間取りそのものを取り払いました。キャンプ場に行った時みたいに、自由度の高い住空間を実現したいと思ったからです。たとえば、朝日がきれいだから、今日はベランダでご飯を食べようとか、今日はどこに焚火台を置こうか、とか。モノに合わせて人が動くのではなく、人の感性や自然の動き、その時居る人たちに合わせて住環境を変えることができるようなものにチャレンジしたいなって。

アウトドア好きもそうでない人にも、気づきを与える住環境

——今回、初めてアーバンアウトドアというコンセプトでリノベーションに挑戦されたわけですが、どのような点で苦労されましたか?

鎌田:最初に取り組んだこの物件は、典型的なマンションの1室なんです。なので、どこにでもあるマンションの1室に、どうやってアウトドア感覚を入れていくか。そこが大変でした。これがたとえば庭付きの一戸建てだったりしたら話は別なんですが…。既成概念にとらわれず、思い切ったことをしてみようと考えました。

——やってみて驚いた点や気づきなどはありましたか?

鎌田:実際にsnow peakのお客様に見てもらった時に、「あ、こういうタープの吊るし方もあるんだね」って言われたました(笑)。マンション暮らしでアウトドアをされている方は、ギアの吊るし方やメンテナンス、収納方法に悩まれてるんだなと。

吉野:snow peakのユーザー様だとやはり実用的に考えますからね!(笑)

意図としては空間の仕切りのためのタープだが、利用者にとっては新しい吊るし方だ!という発見に。

意図としては空間の仕切りのためのタープだが、利用者にとっては新しい吊るし方だ!という発見に。

——確かに、もともとアウトドアをやられている方にとっても、発見のある住空間に仕上がってますよね。アウトドアをやってきた人たちは「キャンプ道具=外で使うものだ」という思いがあるので、キャンプ道具を家の中でも活かそうという視点はあまりないかもしれません。
既にこちらのモデルルームを見て、実際にご注文をいただいた事例は、すでにありますでしょうか?

鎌田:はい、2組のお客様からご注文をいただいています。1組はもともとキャンプが好きな方で、もう1組はほとんどキャンプなどしなかった方です。このアーバンアウトドアのモデルルームを実際に見ていただき、「こういう暮らし方もいいね」と気に入って頂きました。

アーバンアウトドアを通じて、野遊びのきっかけをつくっていく

——吉野さんは今回のリノベ不動産との取り組みで、どんな気づきがありましたか?

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