【Vol.35 南アルプス全山縦走】1日目 夜叉神峠〜鳳凰三山〜仙水小屋/バン旅百名山
6日間の南アルプス全山縦走の軌跡を6回に分けてご紹介していきます。今回は、南アルプス縦走の初日、夜叉神峠〜鳳凰三山〜早川尾根〜仙水小屋(20.8km)のルートを写真とともにみなさんにお届けします。ルート紹介はもちろんのこと、見所や水場、小屋の情報なども一気見せ!
もくじ
初日のルートをご紹介
初日のコースは夜叉神峠登山口〜鳳凰三山〜白鳳峠〜仙水小屋です。鳳凰三山の稜線は左手に北岳などの南アルプスを代表する山々を見ながら歩くことができるため、最高の展望スポットとなっています。中でも地蔵岳からアサヨ峰までの早川尾根はアップダウンが続き、心身ともに疲弊してしまう難所を通りテント場である仙水小屋を目指します。
神秘的な林道歩きからスタート!夜叉神峠〜鳳凰三山
今回私たちは鳳凰三山の登山口でもある夜叉神峠登山口から6日間の大縦走をスタートさせました。夜叉神峠には無料駐車場(100台)やトイレもあります。お盆などのハイシーズンは夜叉神峠登山口の駐車場は満車になることがあるので早めに到着しておくことをおすすめします。
夜叉神峠登山口から薬師岳の山頂直下までは神秘的な林道歩きを楽しむことができます。朝早い時間帯だと、木々を通り抜けて届く木漏れ日がなんとも幻想的。
登山開始から50分ほど林道を歩くと夜叉神峠に到着します。夜叉神峠は反対側の北岳や間ノ岳、農鳥岳といった南アルプスを代表する山々を一望することができる展望スポットです。
さらに林道を歩くこと2時間、水場のある南御室小屋に到着します。ここまでの林道は比較的緩やかな傾斜なので、緑豊かなトレイルを気持ちよく歩けること間違いなし!
南御室小屋から50分ほどで視界が開け、鳳凰山特有の砂地に変わります。南御室小屋からの林道はかなりの急登。視界が開けてからも傾斜のきつい急登を登っていきます。特にこの砂地に足を取られるので体力を使います。
登山開始から約4時間、途中薬師小屋を経由して鳳凰三山の一角、薬師岳に到着です。薬師岳の稜線まで出ると、そこからは北岳や間ノ岳を一望!圧巻の稜線歩きが始まります。
地蔵岳までの稜線からは常に反対側の北岳や間ノ岳を望むことができ、この稜線歩きは息を飲む美しさ。鳳凰三山の主峰である観音岳を目指します。
薬師岳から30分ほどで観音岳に到着です。ここには展望エリアはありませんが、奥の岩を少し登ると正面にドカンと南アルプスの山々を見ることができます。岩の間にちょっとしたスペースもあるので、ここで昼食を取るのもアリですね!
観音岳で昼食を食べたあとは、鳳凰三山の最後である地蔵岳へ向かいます。観音岳を過ぎるとかなりのアップダウンが続きます。しかし、そこからの景色は絶景そのもの。鳳凰山の美しくも格好いい山容を独り占めすることができます。
観音岳から40分ほどで地蔵岳、通称「オベリスク」の直下に到着です。一応オベリスクのてっぺんまで登ることができますが、ザイルとクライミングシューズを持っていないと少し不安、そして登っている時間があまりないことを理由に今回はスルーしました。
初日から地獄のアップダウン!?鳳凰三山〜早川尾根〜アサヨ峰
地蔵岳を横目にここから地獄のアップダウンが始まります。まずは地蔵岳から白鳳峠、早川尾根を通りアサヨ峰を目指します。
ここからアサヨ峰までの稜線歩きは7割ほど林道を歩きます。時折視界が開けるとそこは楽園。左手に北岳などの山々を見ながら、緑広がる稜線歩きを楽しむことができます。この時点でスタートから10kmを超え、かなりハイペースで登ってきたため疲労が蓄積されていきます。
アサヨ峰まで複数のピークを通りますが、初めのピークである高嶺から後方を振り返るとそこには先ほど歩いた鳳凰三山の稜線を眺めることができる展望スポットが。その美しい稜線を望みながら少しだけ休憩を挟みます。
地蔵岳から約1時間15分で白鳳峠に到着します。先ほどの高嶺から白鳳峠、そしてアサヨ峰山頂直下までは林道で展望は望めません。また、高嶺から白鳳峠までの道はハイマツが生い茂っているため、かき分けながら進んでいきます。
白鳳峠からアップダウンの激しい林道を進むと、早川尾根小屋に到着します。2021年度は営業していませんでしたが、水場はしっかりと水が出ました。早川尾根の水場はここしかないため、しっかりと水を確保しておきましょう。
早川尾根小屋からアサヨ峰まで2時間、笑えるほどの急登がひらすら続きます。見上げると首が痛くなってしまうほど。これまでただでさえアップダウンが激しく体力を消耗してきましたが、ここで駄目押しの急登。ここで我々の体力は底をつきそうになりますが、なんとか気合いで登っていきます。
2時間の直登を登り終え、ようやくアサヨ峰に到着です。晴れていればアサヨ峰山頂から甲斐駒ヶ岳や北岳、後方には鳳凰三山を望むことができますが、この日はガスってしまい展望なし。疲弊した体に鞭をうち、栗沢山を経由して仙水小屋を目指します。
甲斐駒ヶ岳を眺めながらの稜線歩き アサヨ峰〜仙水小屋
アサヨ峰から栗沢山までは天空の稜線歩きといっても過言ではありません。これまでの山行に比べればアップダウンも少なく(とはいってもアップダウンは続きます)、視界も開けているため、暖かい西日に照らされながら歩けるこの稜線は初日随一のおすすめスポットです。
稜線を歩いているとガスが晴れ、右手に甲斐駒ヶ岳がドカンとそびえ立っています。その堂々とした山容に魅了され思わず写真をパシャり。この稜線が初日随一のおすすめスポットである理由はここにあります。
栗沢山まで、この日最後の上り坂を登っていきます。栗沢山の山頂直下から山頂までは岩場の急登を登っていきます。アサヨ峰から50分でついにこの日最後のピークである栗沢山に到着し、ここから仙水峠まで標高差約450mを一気に下り、仙水小屋を目指します。栗沢山から仙水峠までの道からは、晴れていれば常に正面に甲斐駒ヶ岳の姿を見ることができます。
栗沢山から約1時間30分でようやくこの日のテント場である仙水小屋に到着です。時刻は18時30分。かなり遅めの到着になってしまいました。
仙水小屋の基本情報
幕営数:11張り・500円/1人
収容人数:30名
電気・水場:あり
まとめ&次回予告
いかがだったでしょうか。今回は南アルプス全山縦走の初日、夜叉神峠〜鳳凰三山〜早川尾根〜仙水小屋までの山行をお届けしました。これほど長期の縦走をしたことがなく初めてのチャレンジでしたが、心身ともにボロボロの初日となりました。やはり、重い荷物を背負っての登山は日帰り登山とは全くの別物。荷物の重さ=疲労ということを存分に思い知らされた1日でした。
次回は2日目、仙水小屋〜甲斐駒ヶ岳〜仙丈ヶ岳〜間ノ岳〜北岳山荘の模様をお届けします。この縦走の中でも一番辛く、長かった2日目。ご期待ください!
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現在絶賛休学中のおんせん県大分の大学に通う大学生。
学生初、バンライフをしながら一年以内に日本百名山全山登頂を目指して奮闘中。
二人とも関西出身で、アウトドアや登山が大好き!