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1都2府8県日本の大動脈を貫く「東海自然歩道」ってなんだ!?

※ こちらの記事は2015年7月25日公開となります

東京都から神奈川県・山梨県・静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・滋賀県・奈良県・京都府・大阪府までをつなぐ東海自然歩道。約1697㎞の道のりには様々な自然景勝地、名所・旧跡があって、ウォーキングファンや登山客を魅了しています。そしてこの自然歩道が整備されたのは自然を慈しむ人々の願いが込められていたのです。

1日50㎞歩いても33日はかかる過酷なルート

東海自然歩道とは東京の「明治の森高尾国定公園」(東京都八王子市)と、大阪の「明治の森箕面国定公園」(大阪府箕面市)を結ぶ、約1697㎞に及ぶ自然溢れる遊歩道。ルートは1都2府8県に及び、 東京都・神奈川県・山梨県・静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・滋賀県・奈良県・京都府・大阪府を通っています。東海道が太平洋沿いの平地であるのに対して、東海自然歩道は中央山間部など険しい道を歩かなければなりません。

そしてもう一つの特徴として東海自然歩道は各地域の国定公園をつなぐように整備されており、ルート上には自然景勝地、名所・旧跡がたくさんあり地域の憩いの場にもなっています。
完全踏破した人もいるようですが、多くは休みを利用して東京―神奈川間、次は神奈川―山梨間といったように地域ごとに歩くというケースがほとんどのようです。それもそものはず。仮に約1697㎞もの道を仮に毎日50㎞歩いたとしても単純計算で最低約33日は必要です。

国民的な運動を受けて自然歩道が完成

ここでちょっとだけ歴史のお話を。東海自然歩道が整備されたのは、昭和44年、厚生省(現厚生労働省)が国民の健康や自然とのふれあいを目的とした「東海自然歩道構想」を発表したことに端を発します。整備には莫大な費用が必要で当初は着工まで難航したようですが、民間団体や各自治体の協力もあり、翌45年に完成しました。
以来、多くのウォーキングファン、自然ウォッチャーらに親しまれてきました。今回は『.HYAKKEI』の創刊記念に全ルート踏破にチャレンジ! といきたいところですが、そんな度胸も根性なくとりあえず今回は東の入口、東京都八王子市の「明治の森高尾国定公園」を覗いてみました。

さて京王線「高尾山口駅」を降りて登山口方面に少し歩くと、見えてきました、「東海自然歩道起点」の石碑と案内図。

まずはここから高尾山山頂を目指し、神奈川方面に続く山道にいかなければなりません。

普段、ウォーキングや登山に慣れていない人にとってはおそらく高尾山山頂にたどり着くのも“大冒険”かも!? もちろんここ高尾山の頂上に至るまでも十分、自然は満喫できます。若者から家族連れ、高齢者など高尾山愛好者はとても多く休日は大勢の人でにぎわいます。うっそうと生い茂った森林が普段の都会の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。

そして頂上につくと神奈川の陣馬山、石老山に続く道が出てきます。

私の町の東海自然歩道を発見!

では各地域では東海自然歩道はどのようにつながっているのでしょう。日本大正村、養老の滝、関ヶ原古戦場跡といった様々なスポットを通っています。その中の一つ、飛騨木曽川国定公園の「鬼岩公園」(瑞浪市)に行ってみると、「東海自然歩道」の案内がありました。

鬼岩公園は温泉もある他、バス旅行では休憩スポットにもなっていますが、珍しい形をした「鬼岩」などこの地域の景勝地が一望できる自然歩道が整備されていました。休日になると地域の方はもちろん遠方からも訪れ、遠足やウォーキングを楽しんでいるということです。

さて途方もない距離の東海自然歩道。ご興味がある方はいきなり全ルート踏破を目指さなくても気になったエリアからボチボチ始めてみるのはどうでしょうか。

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