【山小屋泊初心者の方必見】知っておきたい山小屋泊Q&A!〜苗場山で黄金の朝陽を見る2日目〜
苗場山は山頂部の大パノラマが魅力的。晴れていれば妙高山や北アルプス、運が良ければ富士山や日本海に浮かぶ佐渡島まで見渡せます。夕陽も、星空も、朝陽もしっかり拝めるオイシイ立地なうえ、山小屋が山頂付近にある点もポイント。空中散歩を楽しむためにも、一泊でのんびり過ごしたい山です。
前回までは、<<苗場山登山 田代ロープウエイ〜苗場山山頂までのコース>>をご紹介してきました。今回は基本的な小屋泊Q&Aも交えながら、苗場山の様子をお伝えします。
もくじ
受付は早めに済ませよう
2,145mの山頂に着いたらさっそく休憩…の前に、まずは山小屋にて受付を済ませましょう。苗場山山頂からほんの1分のところにある、本日宿泊予定の山小屋「苗場山自然体験交流センター」へ。
受付時は、名前や住所を書き、料金を支払います。山小屋はほぼ現金会計なので、事前に小銭なども揃えておきましょう。
A.山小屋に宿泊する場合は、前もって電話等で予約するのが基本です。最近ではメール予約が可能なところも。タイミングは早いにこしたことはないですが、筆者の場合は、山行計画をたて、天候条件が揃い、決行が決まった時点で連絡するようにしています。
Q.受付は早いほうが良い?
A.小屋や混雑状況にもよりますが、寝床は受付した順で振り分けられていく、もしくは自分で指定できる場合のいずれかのケースがほとんど。到着したらすぐに受付を済ませましょう。
登山靴は、汚れをしっかり落としてから靴棚へしまいます。
A.雨に降られ、レインウエアやゲイターがびしょ濡れのまま玄関へ上がるのはマナー違反。外でしっかり水気や汚れを落としておきましょう。
Q.靴を間違われたりしない?
A.不安な人は、予め印になるものを用意しておきましょう。小屋によってはナンバープレートを配るところもあります。
Q.レインウエアを乾かしたいのだけど…
A.小屋によっては乾燥室があるので、受付時に場所を確認しましょう。
荷物の整理も忘れずに!
ひのきの匂いが香り、ログハウスの温かみが広がる、ロフト型宿泊スペース。定員は92名。
この日は平日で空いていたこともあり、寝床を自由に選ばせてもらえました。布団は自分で敷きます。早い者勝ちなので、角のスペースを確保します。
さあ、あとは夕飯まで自由時間を楽しみましょう!
A.荷物を整理しておこう
夜中にヘッドランプをつけて、荷物をごそごそあさるのは近くで寝ている人への迷惑になります。明るいうちに、洗面用具や着替えなど、すぐに使うものを取り出して整理しておきましょう。
A.ヘッドランプを首にかけておく
夕暮れを見たり、付近を散策したりしていると、あっという間に夜になります。また、消灯時間を過ぎたらヘッドランプだけが頼り。暗くなってから慌てずに済むよう、ヘッドランプを予め首にかけておくと便利ですよ。
いよいよ空中散歩を満喫!
オオシラビソに囲われた天空の楽園。高層湿原のあいだを、木道に沿ってのんびり散歩します。夏は高山植物が咲き乱れて、まるで天国のようです。
長野方面が一望できる分岐ポイントでランチタイム。妙高山、火打山、さらに奥には白馬や北アルプスの山々が見えます。
小屋に戻り窓を開けると、妙高山と火打山が雲海に浮かぶのが見えました。小屋のご主人に日の入り時刻を聞き、それまでゆっくりストレッチタイム。
雲が広がる夕暮れどき。白馬方面、唐松岳の向こうに沈んでいく夕陽。
夕食は団らんタイム!
夕食は18時。それまで、休憩室でのんびり過ごします。
小屋のエリアとしては新潟〜長野なのだけど、テレビの電波はなぜか東京キー局。これは、麓の苗場がスキー観光地で東京からのお客さんが多いために、整備された影響なのだとか。
この日の夕食はカレー!メニューは日替わりです。
食事の準備が整ったら、一列に並び自分の分を取りにいきましょう。テーブルはほかの登山客との共同スペース。筆者は居合わせたお客さんと、今日登って来たコースや、おすすめの温泉の話などで盛り上がりました。
消灯は21時。
この日、夜空は雲ってしまい、残念ながら星空は見えませんでした。お手洗いを早めに済ませ、ふとんに潜り込みます。
A. 山小屋でよく見かけるのは、排泄物を微生物の力で分解する、環境に配慮したバイオトイレ。トイレットペーパーは土に還らないため、使用後は専用のゴミ箱に捨てましょう。くれぐれもそのまま流さないように!
Q.夜、眠れるか不安……
A. 山小屋は他人と共同のスペースで寝るため、気になる人はアイマスクや耳栓が必須。風邪や乾燥予防のため、マスクをつけて寝る人も多く見かけます。
起きたら朝陽を見にいこう!
眺望の良いエリアでの山中泊の醍醐味は、朝陽が拝めること。気温は1℃とかなり肌寒いなか、日の出を待ちわびます。澄み切った朝の空、雲海から顔を覗かせる真っ赤な朝陽を見ると、「何気ない1日はこんな風に始まっているのだな」と改めて実感させられますね。
陽を浴びて、黄金に染まる湿原。ピンク色に染まる西の空。
苗場山を満喫したら下山開始
苗場山山頂から神楽峰の田代コース分岐を経て、田代第二高速リフトまで歩きます。(田代ロープウエイの営業期間のみ開放されるルートです。ご注意ください。詳細はこちらの記事へ)
山で迎える朝は、世界で最も美しい時間なのではないかと思うほど、清涼で静かで、神々しいときを紡いでくれます。ぜひ山小屋泊を通して、山頂で迎える朝陽を体感してくださいね。
「苗場山自然体験交流センター」
予約電話番号:(025)767-2202(村役場秋山支所)
料金:大人1泊2食につき、8800円
詳細は公式サイトへ(http://sakae-akiyamago.com/play/587/)
麓の神社で参拝してから、山頂を目指すのが好きです☆
ライター。アウトドア誌、評論誌等で執筆。北アルプスの山小屋に勤務、のち3ヶ月かけて屋久島中のトレイルを練り歩く。最近は島登山にハマっています。