大好きな自然だからこそ負荷を与えたくない。新しい外道具の選び方 #01 | Stasher
僕たちは、これまで何枚のプラスチックバッグを山で使ったのだろう?
登山やキャンプに欠かせない道具のひとつがプラスチック製のジッパー付き保存袋。ある人はマップケースに、ある人は食料保存袋に、財布として使う猛者も。とにかくみんな賢く使っている。
密閉性と防水性に優れ、耐久性があって何より安い。便利を詰め込んだようなアイテムだけれど、最近、本当にそれでいいのかしらと思うようになった。
世界的に叫ばれている海洋プラスチック汚染や化石燃料の枯渇の問題。プラスチック(元をたどれば原油)から作られる夢の保存袋は、間違っても自然や環境にフレンドリーとは言えない。そう思ったら、その袋をバックパックに入れて山を歩いているのが心地悪くなってきてしまった。
とはいえなぁ……、これがないと超不便だしなぁ……。
モヤモヤしていた折に見つけたのが、プラスチックフリーで、洗って何度でも使えるシリコン製の保存バッグ〈Stasher〉。シリコンはシリカ(砂)と酸素から作られる天然資源由来の素材で、燃やしても有害物質が発生しないということで、これなら罪悪感なく自然の中で使えそう!
いっぽうで気になるのはその機能性。いくら環境に優しくても、使うたびにストレスを感じてしまうなら続かない。そのあたりのビミョーな兼ね合いを明らかにするべく、編集部で「ローインパクトなお買いもの友の会」を結成。それぞれの外遊びの経験から出た感想やアイディアを実録でお届けします。
山口岳
.HYAKKEI編集長。日本山岳ガイド協会登山ガイドステージⅡ。アルパイン、フリー、沢登りと元はドMな山屋。今はマイルドに人と自然を繋ぐのが生きがい。
小林百合子
フリー編集者。山岳専門雑誌や自然科学図書の編集を多く手がける。アラスカの大学に留学していたこともあり、アメリカのロングトレイルを歩くのが好き。
相馬ミナ
フリーカメラマン。旅関係の雑誌や書籍が主戦場。昨年、ネパールのエベレストトレイルを歩いてから山の虜に。これから日本の山にも登りたいと思っている。
「ローインパクトなお買い物友の会」のみなさん、初回はいきなり外遊びの必需品ですよ! プラスチック製保存袋(以下プラ袋)は、みんなヘビーユーザーだと思うけど、
僕はコンパスとかヘッドライトとか登山用の小物入れとして使ってる。あとトイレットペーパーとか地形図も入れてるな。
私はナッツとか行動食入れ! あとは家でも食材の保存袋として、たぶんこれまでに1000枚くらいは使ってるかも……(笑)。
私は登山時のバックパックはほとんどプラ袋。行動食もメイク道具も食材も何もかも。
山で使うとなると、やっぱり気になるのは防水性だよね。とくにトイレッペーパーとか地形図とか、絶対雨に濡らしたくないから。
私の場合は歯ブラシとか化粧水とかを入れるから、内側の水分が外に漏れるのが気になる。
ナッツとかチョコとか行動食を入れる場合は、防水というより密閉性が大切かも。行動食がこぼれてバックパックがチョコまみれとか最悪だもん。
じゃあ、ためしに霧吹きで水をかけてみるか。
お〜っ、完璧に弾いてる! ジップ部分も密閉性が高くて、ここからの浸水もナシ。
ただジップをしっかり閉めるのに少し力とコツがいるかも。そこに慣れれば完璧かな。
ナッツやグラノーラを入れて振り回してみたけど、こぼれる気配もなし! 一般的なプラ袋より厚手で丈夫そうだから、洗って何度でも使えそうなのもいいね。
じゃあ次は岳さんの山雑貨を収納してみましょう。
雑貨入れにはMサイズがちょうどいいね。ヘッドライトも入っていい感じ。
パズルみたいにぴったり収納しておくと中でモノが動かなくていいかも!
アウトドアメーカーが出しているポーチだと中身が見えなくてちょっと不便なんだけど、一般的なプラ袋はオールクリアで逆に中身が丸見えでしょ。それもちょっと恥ずかしいなあ……と思ってたから、この半透明感はすごくいい。
えっ、見えたら恥ずかしいモノを山に持ってくの(笑)?
いやいや、プライバシーっていうよりは、見た目の美しさ的にですよ!
同じスタッシャーを複数バックパックに入れていても、中身がやんわり見えると必要なものがすぐにわかっていいよね。
登山って下山後に温泉に寄ることが多いじゃない? これに洗顔フォームとかシャンプー類を入れておけば、そのまま温泉に持って入っても濡れなくていいかも!
それいい! 旅行のときも重宝しそう。
そうそう、スタッシャーは冷凍もレンジでチンもできるということで、家庭でもめちゃくちゃお役立ちだそうですよ。
HPによるとマイナス18度から250度までOKだとか!
私、ためしにホウレンソウを入れてレンチンして見たけど、いい感じにおひたしが作れたよ!
お〜、それは便利!
ということは山ごはんの調理にも使えるのでは? ちょっとカレーを湯煎してみようよ。
熱湯に入れてもまったく問題なさそう。ちゃんと熱々に温まったね。
たしかに密閉性は高いんだけど、 袋の上に重いものを重ねたり、強い衝撃があるとジップ部分がすぐ開いちゃった。。パッキングするときにはかなり注意が必要だね。
液状の食べ物を入れるときは念のためコッヘルの中に収納するのがいいかもね。
スタッシャーに使われているのは食品用シリコンだから、やっぱり安心感がある。とくに加熱する場合は化学物質が食品に移らないかなあとか心配だから……。
それは家庭で使う場合も同じだから嬉しい。それに家と山で兼用できたら山道具の量が減ってありがたい!
僕は家ではあんまり料理しないから、逆に山でスタッシャー料理の腕を磨いて、日常の食生活を豊かにしたいな(笑)。
とりあえず近々にスタッシャー山ごはん会をやりましょう!
半透明で使いやすく、防水性も心配なし、汁物をザックにいれる時はパッキングに少し注意が必要ですが、何より無骨になりがちなザックの中が、かわいらしく彩られるのがテンションあがりますね。ローインパクトな外遊びに編集部おススメの一品です!
スタッシャー スナック/Sサイズ 1200円(税別)
スタッシャー サンドイッチ/Mサイズ 1500円(税別)
HomePage: https://stasherbag.jp/
問い合わせ先:ボーテ福原︎
TEL:0120-444-536(フリーダイヤル 平日9時~17時)
WEB:https://stasherbag.jp/pages/contact-us
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(写真:相馬ミナ)
編集者。登山出版ユニット「ホシガラス山岳会」主宰。
編集者。山岳専門出版社に勤務後、独立。登山や旅、野生動物にまつわる雑誌や書籍を多く手がける。女性クリエーター8人からなる登山出版ユニット「ホシガラス山岳会」主宰。著書に『山と山小屋』(平凡社)、『山小屋の灯』『いきもの動物相談室』(ともに山と溪谷社)など。