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エイトノットの結び方と活用法!登山やキャンプで使えるロープワーク

登山やキャンプなどのアウトドアシーンで重要なロープワークのひとつ、エイトノットの種類と結び方、活用法をご紹介します。エイトノットの特徴を知って、アウトドアライフをより楽しく安全なものにしましょう。

ブレスレット作りにも使える、ロープの編み方については下記記事をご覧ください。

ロープの編み方はさまざま!キャンプで活躍する編み方8選!

もやい結び、ふた結び、自在結びについては下記記事をご覧ください。

キャンプ基本のロープワーク「もやい結び・ふた結び・自在結び」完全ガイド〜アウトドア歴40年の達人に訊く#03〜

エイトノットとは?

エイトノットとは?
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

エイトノット(8の字結び)は正式には、フィギュアエイトノットといい、ロープに結び目を作るのに適した結び方です。ロッククライミングや、アイスクライミング、シャワークライミングなどのハードなアウトドアシーンでは最も重要な結び方で、命綱をハーネスに結ぶ用途などで使用されます。

エイトノットには主にシングルエイトノットとダブルエイトノットの2種類があります。いずれも簡単かつ実用的なロープの結び方なので、しっかりマスターしてアウトドアシーンや日常で活用しましょう。

エイトノットの種類①シングルエイトノット

シングルエイトノットの結び方

①ロープの先が上にくるように輪を作ります。

①ロープの先が上にくるように輪を作ります。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

②ロープの先を下に位置する紐の後ろを経由して、①で作った輪の中に通します。

②ロープの先を下に位置する紐の後ろを経由して、①で作った輪の中に通します。
(出典:.HYAKKEI 編集部)

③ロープの両端を引っ張り、結び目ができたら完成です。

③ロープの両端を引っ張り、結び目ができたら完成です。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

シングルエイトノットの強み

シングルエイトノットは強度のある結び目を作るのに適したロープワークです。バカ結びなど他のロープワークと比較して直線部分が多い分、強い引っ張る力が加わっても破断しにくい点が特徴です。

シングルエイトノットの活用シーン①ロープの端のほつれを防ぐ

シングルエイトノットの活用シーン①ロープの端のほつれを防ぐ

シングルエイトノットは、ロープのほつれを防ぐための末端処理に使えます。

シングルエイトノットの活用シーン②握り手にするためのコブを作る

避難用などの太いロープに続けて結ぶことで、登り降りの手がかりに使えます。

シングルエイトノットの活用シーン③ハトメに引っ掛けるコブを作る

シングルエイトノットは大きな結び目を作れるので、ハトメ付きのビニールシートをタープとして使用するときなどに、ハトメに引っ掛けるためのコブ作りにも適しています。

エイトノットの種類②ダブルエイトノット

ダブルエイトノットの構造は基本的にシングルエイトノットと同じですが、ロープが二重になっており、先端に輪を作れる点が特徴です。ダブルエイトノットの結び方と強み、活用シーンを紹介します。

ダブルエイトノットの結び方

①ロープを二つ折りにします。

①ロープを二つ折りにします。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

②ロープの折り目が上に来るように輪を作ります。

②ロープの折り目が上に来るように輪を作ります。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

③ロープの折り目を、下に位置する2本のロープの後ろを経由し、②で作った輪の中に通します。

③ロープの折り目を、下に位置する2本のロープの後ろを経由し、②で作った輪の中に通します。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

④輪に通したロープを引っ張り、結び目を締めたら完成です。

④輪に通したロープを引っ張り、結び目を締めたら完成です。
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

ダブルエイトノットの強み

ダブルエイトノットの強みは、強度が高い輪っかを簡単に作れることです。他のロープワークと比べて直前部分が多く、結び目が二重になっているので、輪とロープに強い力が加わるシーンでの使用に最適。ロープに強い負荷のかかるレスキューの現場でも採用されています。また、強いだけでなく解きやすい点も、ダブルエイトノットの特徴。

ダブルエイトノットの活用シーン①タープのメインガイロープ

ダブルエイトノットの活用シーン①タープのメインガイロープ
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

ダブルエイトノットは、引っ張る力に対する強度が高く、簡単に輪を作れるので、強いテンションがかかるタープのメインロープの結び方に採用されています。二つ折りにした先にできた輪をポールの先端に引っ掛け、ロープの両端をペグダウンし、自在金具でテンションをかけましょう。

ダブルエイトノットの活用シーン②登山やクライミングの命綱

ダブルエイトノットは、シンプルな結び方ゆえ、解けにくく、切れにくいので、登山やクライミングシーンでの命綱とハーネスとの接続に最適な結び方です。他にもザックなど、重量のあるもの上げ下ろしにも活躍します。

ダブルエイトノットともやい結び、どちらが安全?

ダブルエイトノットともやい結び、どちらが安全?
(出典:by Önder Örtel on Unsplash

ダブルエイトノットと、もやい結び、輪を作るという点で同じ用途のロープワークに思われますが、目的が違います。

ダブルエイトノットは、強固な輪を作るための結び方として生まれました。輪の先にカラビナやフックを取り付け、作業終了まで結びっぱなし、または解く必要が無い結び方です。

それに対して、もやい結びは、ロープを木やポールなどの支持物に直接取り付けるための結び方として生まれたため、結んで解くことを前提としています。

もやい結びは、ダブルエイトノットに同じく高い強度とほどきやすさがありますが、結びやすさの点ではダブルエイトノットに軍配が上がります。さらに、上記の通りもやい結びは、「結ぶ」「ほどく」の行動を伴うので、ダブルエイトノットと比較して人為的なミスが起きるリスクが高いです。実際に、もやい結びのロープワークミスによる重大事故も発生しており、高所作業のマニュアルからももやい結びは排除されています。

命綱としての使用など、人命の安全を確保するシーンでは、ダブルエイトノットを使用しましょう。現在主流の滑りやすいナイロン製のロープを使用した際のほどけにくさの点でも、ダブルエイトノットが勝ります。

エイトノットを使いこなして、アウトドアをより楽しく安全に

エイトノットを使いこなして、アウトドアをより楽しく安全に
(撮影:.HYAKKEI 編集部)

その信頼性と結び方の簡単さ、実用性の高さにより、ハードなアウトドアシーンから日常まで活躍するエイトノット。エイトノットの特性と結び方を知っておけば、いざというときも安心です。エイトノットをマスターしてアウトドアをより快適かつ安全に楽しみましょう。

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