【写真家・高野晃輔氏に聞く】山でのカメラの選び方や撮影方法のポイントって何?
登山や自然の中にいる時、この美しい景色をうまく写真におさめたい!そんな方は多いと思います。今回は、東京の高尾山で写真家・高野晃輔さんから聞いた、「良い写真の撮り方のコツ」をご紹介します。
写真撮影がうまくなりたいなら……プロカメラマンに聞いてみよう!
「山に持って行けるようなカメラを購入したい」
「山登りの記念に素敵な写真を撮りたい」
「頂上から見る山々の素晴らしい稜線を写真に収めたい!!」
山や自然が好きな方なら、カメラや写真撮影についても気になりますよね。そこで今回は、プロカメラマンとして活躍されている高野晃輔さんに、以下のようなことを伺ってきました。
・カメラ選びのコツ
・レンズの選び方
・写真の撮り方
ちなみに……高野さんは、チベッ卜の未踏峰カント(7055m)へ世界で初登頂するなど、山岳写真を数多く収めている“山のプロ”でもあります。
詳しいプロフィールはHP(http://www.k-takano.net/)にて。
今回は、東京都心からアクセスが良く、気軽に登山を楽しめる山として人気が高い「高尾山(599m)」に、高野さんと一緒に登ってきました。
ライター松田(以下、松田):本日は高尾山のケーブルカーの駅(清滝駅)からスタートし、頂上へ登っていく過程で、自然の風景を撮影するポイントやカメラの選び方なども教えていただきたいと思います。
高野晃輔さん(以下、高野):高尾山は、ケーブルカーの線路では日本一の急勾配を登る路線です。車両の先頭はケーブルカーとしては珍しく窓が開いているので、そこから対向車線を走る車両や急勾配の坂の写真なども撮れますよ。
松田:高尾山に詳しいんですね!(さっそく撮影ポイントまで教えてくれるなんて……! なんか楽しい取材になりそう)
登山時に必要なカメラ撮影用のアイテムって何?
松田:高尾山には6つほどコースがあります。薬王院など建造物の写真も撮りたいのですが、せっかくなので一番自然があるコースで撮影しましょう。
高野:では、三号路ですね。人工物が少ないので。
松田:さすが、山に詳しい!
高野:高尾山は昨年の5月に仕事の撮影があって、全コース登っているんですよ。ところで、ちょっとスタートする前にバックを降ろしていいですか?
松田:もちろんです! ってスゴい重さですね。
高野:だいたい25キロくらいです。泊まりがけでテントを持って撮影に行く時はもっと重い荷物になり、14日間の撮影山行では45キロになったこともあります。
松田:!!!! いつもバックの中にはどんなカメラセットを持ち歩いているのですか?
高野:カメラ本体やレンズについては後で話すとして、登山には色々なアイテムを持って行きます。今回はカメラ初心者向けの紹介なので、全部は必要ありませんが、プロが何を持っているのか参考にしてみてください。
まずは、レンズを拭くクロスです。アウトドアでは、土ぼこりや水滴などですぐにレンズが汚れてしまうので、必ず持参しています。このクロス自体が濡れないように、ビニール袋に入れておくことも大切です。
松田:本当ですね。私のレンズは少し汚れがついていました。
高野:三脚は毎回持って行きますが、一般の方なら山には必要ないかもしれません。なるべく荷物を軽くしたいので、私も手持ちのものの中では一番軽い2.4kgのタイプを持って行きます。
あと忘れてはならないのが、防寒着ですね。山の天気は変わりやすいので、袋に入れてコンパクトになるタイプのダウン。そして、指先の感覚が大事になるので手袋は必須です。衣類に関わらず、アイテムは全部、小さい防水の袋に入れて小分けして保管しています。
高野:紫外線から守ってくれる帽子も大切ですが、前につばのあるタイプの帽子は、縦位置で撮影時に邪魔になるので控えた方がいいですね。つばが頭全体をぐるっと一周しているハットタイプは、つばが柔らかいので支障はないと思います。
松田:山では、バッテリーやメモリーカードの予備も重要かと思いますが、いかがでしょう?
高野:バッテリーは複数個持参し、1、2、3とナンバリングして順番に使っています。あと、それぞれにいつから使ったか分かるように、使用開始日を記載しています。バッテリーには寿命もありますからね。
高野:メモリーカードも何個か持って行きます。実はあまり知られていないのですが、メモリーカードも劣化するので、2ヶ月に1回は初期化してクリーンな状態にしています。もちろん、データは別に保管しておくことが大切です。
また、全ての容量を使わずに、1割ほど残して次のメモリーカードを使うようにもしています。一般の方であれば、32GB程度を使っていれば当分使えると思いますが念のためです。
松田:なるほど、色々ありますね!これも登る前に聞いておきたいのですが、山ではカメラは首からぶら下げて登った方が良いのでしょうか?決定的瞬間を逃さないためにも。
高野:首から下げると、ブランブランして次第に身体が疲れてきます。岩にレンズをぶつければ、もちろん故障のリスクもありますよね。
私の場合は、専用のケースに入れて首から下げているのですが、グラグラしないよう身体にも紐で固定しています。カメラが自分の身体の一部になるイメージですね。
松田:確かに、登山中はなるべく疲れないスタイルでカメラを持ちたかったので参考になります!
働きながら旅をするTravelWorker(トラベルワーカー)
ライティングカンパニー合同会社スゴモン代表 兼 ライター。旅をしながら仕事をするライフスタイルを取り入れ、自転車で日本の47都道府県を走破。起業・フリーランス・上場企業・海外と様々な働き方を経験し、これからのライフスタイルのヒントを発信中。
【Blog】http://moyulog.com/