山梨県山梨市の甲府盆地を見下ろす高台にある「ほったらかしキャンプ場」。
すべてのテントサイトから、富士山や盆地を囲む山々といった絶景が楽しめるキャンプ場です。

そして、驚かされるのはオープンをしてからまだ2年足らずであるにもかかわらず、数ヶ月先まで週末の予約がいっぱいという人気ぶり。

今回はその人気の理由に迫るべく、オーナーの田口さんにお話をうかがいました。そこで見えてきたのは、“ほったらかし流”のおもてなしでした。

ひとりの個人の想いからスタートした「ほったらかしキャンプ場」

─よろしくお願いします!まずは、ほったらかしキャンプ場のコンセプトのようなものがあれば教えてください。

キャンプ場をやる上でのコンセプトは、実は決まってないんですよ(笑)。ここを始めたのも、僕がお酒を飲みながら焚き火するってことが単純に気持ちいいって思ってたからなんです。あと、前にGO OUTってイベント行ったときに、こんなにテント張ってる人いっぱいいるのか、凄いなって感じたことがずっと頭の中に残っていたんですよ。そういった自分が今まで感じてきた空気感を多くの人たちにも楽しんでもらう場所を作ろうと思い、キャンプ場をスタートして今に至る感じです。

─キャンプ場を始めようと思ったのはいつごろなんですか?

大体4年くらい前ですかね。元々僕が岐阜の出身なんで、キャンプする場所とか遊べる川とかそのへんにいっぱいある環境にいたんですけど、とにかくイベントで見たテントがずらりと並ぶ光景のインパクトが大きかった。それでキャンプ場を始めようと決めた感じですね。

─“ほったらかし”の名前の由来は?

名前は、隣にあるほったらかし温泉から拝借しました。もともと僕もほったらかし温泉で働いてたうちの一人なんですが、当時の社長に、温泉の隣でキャンプ場をやりたいって話をしたら「やっていいぞ」って言うんで、じゃあやってみるかということになりました。それで重機を持ってきて、山を削りだすところから始めたんです。

ひとりの個人の想いからスタートした「ほったらかしキャンプ場」|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の8枚目の画像

─ご自身で山を削られたんですか!完成までどのくらい時間がかかりましたか?

だいたい半年くらいですかね。最初は山の中にポツポツとサイトがあるようキャンプ場を目指していたんですけど、作っていくと"ここはそんな場所じゃないじゃん"ということになってしまって(笑)。

でも、いざ山を開いてみたらここがものすごく景色のいい場所だったと気づいたんですよ。あとはこの景色を活かしながら、来てもらえるお客さんに満足してもらうためにどうすればいいか、そういうことを考えながら作り上げていきましたね。

─じゃあ、この場所はある意味偶然の産物でもあるんですね。

そうそう、だから始めるときからここがこんなにもウケるとか考えてもみなかったんですよ(笑)。でも、お客さんに気持ちよくなってもらう空間が作りたいという思いだけは自分の中にあったんです。

おかげさまで今ではたくさんのお客さんに来ていただいているのですが、本当にありがたい話ですね。

つかず離れずの“ほったらかし”スタイルで絶景を楽しむ

─このキャンプ場へ来たお客さんにはどんなことを感じてほしいですか?

やっぱりこの景色と星空を見てほしいかな。だって山梨にはそれしかないと僕は思ってます。もちろんここに限っていえば、景色がいい温泉があるのは本当にすごいことだと思いますけど、あとはなにもないと思うんです。

でも、ただボーっとこの景色を見ていれば、気持ちいいなって思うから。そういう体験をここへ来てもらった人にもしてもらえれば嬉しいです。

つかず離れずの“ほったらかし”スタイルで絶景を楽しむ|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の3枚目の画像

─一方で、ウォシュレット付きのトイレや、炊飯場など整備されていて、とても設備が整っているという印象があります。

特にすごい設備を作ろうってやっているつもりもないんですよ(笑)。でも、自分がキャンプに行く立場だったら、ぼっとん便所だったら嫌だと思うわけじゃないですか。だから、トイレとか水回りは綺麗にしておこうという感じです。

つかず離れずの“ほったらかし”スタイルで絶景を楽しむ|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の6枚目の画像

─設備といえば、宿泊用のコテージを設けたり、キャンピングカーの貸出なども行われていますよね。

ここのキャンプ場自体もお客さんと話しながら作っていこうっていうスタンスだったんですよ。やっぱりそうしたほうが、お客さんから一番求められているものがわかりやすいから。

いろんな話を聞いていると特に設備は何もいらないって人もいたんですけど、一方でキャンプをしたことがない人だけはちょっとケアしてけてあげないとな、と思いました。それで、場内の好きなところに移動して寝床として使えるキャンピングカーを用意したり、コテージを作ったりしましたね。

─コテージの特徴とかはありますか?

やっぱり景色ですかね。実は中で寝ながら夜景を楽しめたりするんですよ。

あとは、建物の中に備え付けの寝具を置いてないという点ですかね。よそのコテージで、布団がないのなんて聞いたことないですよ(笑)。でも、実際やってみるとそんな形でもお客さんは来てくれているので、これでいいんだなって。最近は少しずつ自信になってきている部分もあります。

─寝具の有無はお客さんにとってあまり関係ない?

あんまり関係ないみたいですね。エアコンとトイレと寝るところがあれば、外でバーベキューして夜は寝袋で寝るだけでいいよって人もいるんです。ベットや布団がないぶん広さはあるので、家族大勢で来てもらったりしてます。

あとは、虫が苦手な嫁さんはコテージで寝て、旦那さんは外でテントを張って寝る。そういうスタイルで使ってもらえていることが、本当によかったなと思ってます。

─いい意味でつかず離れずの”ほったらかし”スタイルを提供していると。

そうですね、つかず離れずというか突然これいいねって頭の中に浮かんできたものを、形にしている感じですよ。でも、もし夜誰かと飲みたいときなんかは、管理小屋に来てくれれば自分を含め誰かしらスタッフが対応します。お酒もたくさん揃えていますからね(笑)。

つかず離れずの“ほったらかし”スタイルで絶景を楽しむ|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の16枚目の画像
つかず離れずの“ほったらかし”スタイルで絶景を楽しむ|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の17枚目の画像

キャンプブームは狙わず、自分たちのペースで

─今、世間ではキャンプブームと言われていますが、キャンプ場を経営されていて肌で感じることはありますか?

実は自分たちがキャンプブームに乗っかっているということを知らなかったんです。たまたまコールマンの社長さんにお会いすることがあったんですが、「いい時期に始められましたね、今キャンプは凄い伸びてるんですよ」と言われて、そこで初めて知ったんですよ。そうなんだ、キャンプブームが来てるんだって。

キャンプブームは狙わず、自分たちのペースで|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の3枚目の画像

─キャンプブームも特に意識されていない、ということですね。

まったく狙ってないです。多くのお客さんに来てもらっているということもありますが、まだはじめて2年目の場所でもあるし、うちとしてもまだまだこれからって感じです。

ブームと言えば、最近はキャンプインスタグラマーの人たちやアニメのファンの人たちとかがけっこう来てくれているみたいなんですけど、今のところそこまでまずい人は来てないですよ。

キャンプブームは狙わず、自分たちのペースで|「最高の景色と、”ほったらかし”なおもてなし『ほったらかしキャンプ場』」の6枚目の画像

─最後に今後、このキャンプ場でやってみたいことなどはありますか?

ちょうどいま、ここの手前の土地にキャンプ場を増設しています。

なにぶん手作りでやらないとなんで、いつまでに作るとかっていう期限とかは設けてないです。これまでやってきてどういうのがお客さんに求められているかというのは把握しているつもりなので、今キャンプ場を一緒にやっている仲間たちと一緒に、その声に応えようと思っていますね。

ほったらかしキャンプ場

住所:
山梨県山梨市矢坪1669-18 ほったらかし温泉のすぐ奥

アクセス:
・車
中央自動車道 勝沼I.C又は一宮・御坂I.Cから約25分

・鉄道
JR中央本線 山梨市駅下車
タクシーで15分

ウェブサイト:
http://hottaracamp.wixsite.com/camp


伊藤 太成

キャンプと島旅を愛しています。

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この記事を書いた人

伊藤 太成

湘南生まれ、湘南育ちの自然や乗り物をこよなく愛するフリーランスライター・ディレクター。愛車の1974年式フォルクスワーゲンタイプ2(ワーゲンバス)で様々な場所を訪れ、キャンプや旅だけでなくヴィンテージカルチャーの魅力を広める仕事に関わり、日々奮闘中。

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