• キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。

週末をタフに楽しむ!WEEKENDERS|#01 BASECAMP店主 A-sukeさん

平日は多忙な日々を送りながらも、週末ともなれば大好きな自然の中へと身を投じるタフな人々がいる。彼らをそうさせる原動力やアウトドアの魅力とは何なのか?

そんなアウトドアマンのONとOFFに迫る連載『WEEKENDERS』。
第1回は、東京・水道橋にカフェバーを構えるA-sukeさんに密着した。

【ON】カフェバー『BASE CAMP』店主

美大を卒業後デザイナーを経て、アウトドアをコンセプトにしたカフェバー『BASE CAMP』を2011年5月にオープン。多忙で寝ることもままならなかったデザイナー時代に、寝る間も惜しんで友人との遊びの中で、あることに気づいたという。

「友人とアウトドアを楽しむ中で、ぼくは幹事としてプランを練ったり当日も中心となって遊んでたんですが、それがみんなから喜ばれることが多かったんですよね。こんなに喜ばれるんだったら、これを仕事にできないかな?って思うようになったんです。ずっと昔からアウトドアは好きで色々なところに行ったし、それはそれはたくさんの道具を買ってきました。その趣味を仕事にできたら、今までの時間とお金も投資って思えるじゃん、という納得感もあって」

そう思い立ってからアウトドアをコンセプトに飲食店を営み、休日にはイベントなどにお客さんと出かけるというパッケージを考案。30歳過ぎで友人の洋服屋で1年間カフェをやらせてもらい、手応えを得たのち今の場所にお店をオープン。

そんなA-sukeさんがお店で大事にしていることが「人」。スタッフも常連客も「人」でお店が成り立っている。「人」次第でお店の雰囲気もがらりと変わるため、スタッフの教育やお客とのコミュニケーションには気を使っているという。カフェバーという形態をとっているため、常連客はカウンターに、初めてのお客はテーブル席に座ることが多いが、常連客には甘えられるところは甘え、初めてのお客にもしっかりとサービスを提供するバランスが大事。チェーン店にはできない、個人経営だからこそできるお店づくりを心がけているそうだ。

アウトドアをコンセプトにした店内は、キャンプ、釣り、登山道具などが所狭しとレイアウトされている。アウトドア好きはカウンター越しにA-sukeさんとの会話を楽しめるのも醍醐味のひとつ
アウトドアをコンセプトにした店内は、キャンプ、釣り、登山道具などが所狭しとレイアウトされている。アウトドア好きはカウンター越しにA-sukeさんとの会話を楽しめるのも醍醐味のひとつ

お店の看板は、ダッチオーブン料理(要予約)と燻製料理。アウトドアをしないお客でもアウトドア料理を味わうことができるのが嬉しい
お店の看板は、ダッチオーブン料理(要予約)と燻製料理。アウトドアをしないお客でもアウトドア料理を味わうことができるのが嬉しい

また、混雑時などに料理や飲みものの提供のテンポが悪くならないようにA-sukeさんはとても気を使うという。お客さんが自然と気持ちよく飲み食いができるそんなお店にしたいと思うので、場合によってはスタッフに細かく指示出しをしている。

「昔はテンポというかスピード重視でもっとピリピリしてましたよ。その空気を感じて常連さんがみんな黙り込んでしまうくらい(笑)。でもそれはさすがにサービスとして何も良いことないなと気づいて、今はだいぶ落ち着きましたけど。それでもテンポというのは意識するようにしています」

【OFF】イベント出店@神奈川県ウラヤマフェス

自らも店頭に立つ飲食店経営を行い、日々忙しい時間を過ごすA-sukeさんだが、週末もアクティブにアウトドアイベントに参加する。この日は、神奈川県のezBBQ COUNTRYで行われた「ウラヤマフェス」で飲食ブースとして出店。

イベント出店となると売上であったりお店の宣伝につながるから、という目的での出店がイメージしやすいが、そこはあまり意識をしていないという。それを表すかのように、この日もショップカードを忘れてきてしまったそうだ。出店自体も、本来であれば飲食店なのでフードとして出店するのがベターではあるが、フードを提供しているのはこのウラヤマフェスくらいだそう。もちろんお店と無関係のことはやらないようにしているそうだが、そこにはあまり商売っ気を感じることはできなかった。

ONのA-sukeさんを知る来場者も、イベントでのA-sukeさんはONに比べて穏やかだと話す。

「こと、このウラヤマフェスについてはフェスっていう名前がついてますけど、全然商業的じゃないんですよね。会場のキャンプ場の常連さんへの感謝の気持ちを伝えたり、来場者や出店者も一緒になって楽しめるような場で、お祭りみたいなものなんですよ。それでその場にフードが必要だから僕が提供しているんです。そこには利益云々っていうのはなくて、ぼくが得意なことでみんなを支えられたらなという思いで毎年出ています。初開催時からかかわっていて、今では主催者の方々とも仲良くさせてもらっていて、居心地がいいんです」

とはいえ、平日も夜1時まではお店にいて、そこから帰って寝て朝10時には仕込みを開始するというA-sukeさんは、ウラヤマフェス以外にもたくさんのイベントに出店している。売上目的ならまだしも、そうでなくてなぜ週末もイベント出店をするのだろうか?

「ぼくからこのイベントに出たいって働きかけることってほとんどないんです。大体はA-suke出ない?って呼んでもらうんですよね。それで、楽しそうだからやりますってなるんです。だから、ぼくにとってはONでもOFFでもないですよね。ウラヤマフェスでは保温ジャーを忘れちゃって、炊いたお米が途中でなくなっちゃったりと気を抜き過ぎた感はありますけどね(笑)」

子供たちとピザ作りのワークショップや相撲を楽しむA-sukeさん。こういった時間が気持ちの面での疲れを癒してくれるのかもしれない
子供たちとピザ作りのワークショップや相撲を楽しむA-sukeさん。こういった時間が気持ちの面での疲れを癒してくれるのかもしれない

将来の野望も話してくれた。

「元々プロダクトデザイナーなので、自分の趣味でもあり自身がターゲット層でもある、30〜40代向けのオリジナルのアウトドア道具を自分で手がけてみたいという気持ちがあります。自分の根っこにはものづくりへの想いが流れているんですよね。デザイナーとして多忙な日々を過ごすのが嫌で今の仕事をはじめたはずなんですけど(笑)」

そう笑いながら話すA-sukeさんが印象的だった。

ON・OFF問わず、A-sukeさんが大切にしているのは「人とのつながり」。ウラヤマフェスでの一夜明けた朝も、主催者とともに登山へと繰り出していった。お店を作るきっかけを辿れば、仲間と楽しく過ごすためにアウトドア遊びの幹事をしたことだった。アウトドアの魅力とは、そうした人とのつながりを深くしてくれることなのかもしれない。それが週末もタフに楽しむ原動力のひとつと言っていいだろう。

「同じ条件で同じことができる人が複数いたら、仲の良い人にお願いするじゃないですか。いろいろありますけど、結局大事なのはそういうことだと思うんですよね」


今回のA-sukeさん着用ウェア

今回A-sukeさんがONとOFF、双方で着用しているウェアは、コロンビアの「インターチェンジシステム」対応のオレルジャケット。
インターチェンジシステムは「シェル」と呼ばれる外側の雨風をシャットアウトするアウタージャケットと、「ミッドレイヤー」と呼ばれるダウンやフリースなどの防寒機能のあるウェアを、ジッパーやスナップボタンで連結できるアイテムです。
シェルのみ、ミッドレイヤーのみ、シェルとミッドレイヤーを連結して防寒機能付きシェルとしての3通りの使い方ができるので、街着やアウトドアシーンでの使い分けだけでなく、秋口の肌寒さから真冬の氷点下の寒さにまで、長い期間、活躍してくれます。

コロンビアスポーツウェアジャパン株式会社

オレルジャケット
品番:PM5497
カラー:439 Abyss Heather
値段:¥39,960(税込み)
HP:http://www.columbiasports.co.jp/special/interchange/

(衣装協力:株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン)

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