カラダとアタマを使って登る、クライミングを楽しもう!
もくじ
「一緒に楽しいことしよう!」 アウトドアの達人の言葉でクライミングに挑戦
日本山岳ガイド協会のガイドで、白馬案内人組合所属の羽山菜穂子さん。南米、中国などでの高所登山の経験を経て、昨秋はチョ・オユー、今春にはエベレストに登頂しました。クライミング、ヨガのインストラクターでもあり、これらの経験を生かしてアウトドアの楽しさを伝えようとしています。
そんな羽山さんが、「楽しいよ。やってみない?」とクライミングへ連れて行ってくれました。
クライミングジムで登ってみる
羽山さんに連れられて行ったのは、長野市のクライミングセンター「アートウォール」。カラフルなホールドが付いたウォールが部屋全体に。ホールドの色によってルートが設定され、初心者でも楽しめるとのことです。
まずは、初心者向けのルートに挑戦。腰に装着するハーネスとシューズ、滑り止めのチョークをレンタルし、ロープでビレイ(安全確保)してもらって登ります。
初心者はどうしても腕の力で登ろうとしてしまうけれど、足を使うことができると登るのが楽になるのだそう。クライミングシューズは底が固くなっているので、つま先をうまく使うことが大事なんだとか。
羽山さんのクライミングはさすがに美しい!
ぐっと手を伸ばすときに体重移動をしながら、足で踏ん張って登って行きます。
足の裏ではなく、つま先をうまく使ってホールドに足をかけています。
クライミングは、体だけではなく頭も使います。これから手をかけるホールドのさらにその先のホールドまで、イメージを組み立てながら登っているのです。登る難しさは、ホールドの位置だけでなく”つかみにくさ”にもあります。ホールドの中には、つかむというよりも指を引っかけるだけの小さなものや、棒のように長く斜めに張り付いたものも。
下から、羽山さんが声をかけてくれます。
「そこで右足に乗って!」「反対の手でつかんだほうがいいよ」と的確な指示が飛んでくるおかげで、なんとか登りきることができました。
初心者向けルートをクリアしたら、次はランクをひとつ上げて挑戦!クライミングはゲーム要素もあり、誰でも楽しむことができるスポーツなのだといいます。目標を設定して登りきったときの達成感が、ハマる理由かもしれません。
いよいよアウトドア! 自然の岩でクライミング
数日後、念願の自然の岩場へ連れて行ってもらいました。
人工ウォールと違い自然の岩にはホールドがないので、岩肌にある凹凸(おうとつ)が頼りです。
どこにどうやって手をかけようか、自分自身で考えながら登ります。
安全確保はジムでも自然の岩でも同じ。下でビレイをする人がいて、安全確保をしてもらいます。
岩にはボルトが打ってあるので、ヌンチャクをボルトにセットし、そこにロープをかけながら登って行きます。これは「リードクライミング」というスタイルです。また、あらかじめ岩の最上部にかけたロープで確保してもらった状態で登る「トップロープクライミング」もできます。
手がかけられるところ、つかみやすいところ、足を乗せられるところ、と方法を探りながら登って行きます。
羽山さんにクライミングの指導を受けているE君。ロープワークも学んでいました。
アウトドアクライミングの心地よさと達成感
高さは人工のウォール以上に感じられるでしょうか。岩肌に触れながらしがみつき、一歩一歩登って行くことで自然との一体感が味わえます。
空の下、自然の中で遊んでいるという感覚が心地いいアウトドアのクライミング。木々に囲まれ、風を感じながら登って行くと、見える景色も変わって来ます。登りきった達成感は、思わずガッツポーズが出てしまうほど。
岩をクリアしていくことで見える景色が
今回訪れたのは長野市にある「物見の岩」と呼ばれるクライミングスポット。善光寺の裏手にある岩山は、長野県警の山岳トレーニングにも使われているそう。何枚もの岩壁があり、初級者でもチャレンジできるのも魅力のひとつ。この日も大学の山岳部らしき人たちが練習していました。
一枚の岩をクリアした先に見える景色。そして次の岩への挑戦。その先に、さらに大きな景色を見ることができます。
長野市を見下ろす「物見の岩」の景色は、岩をクリアした達成感以上のご褒美でした!
まだまだいろいろなアウトドアの岩場を知っているという羽山さん。次はまた別のスポットへ連れて行ってもらおうと思っています。
※初心者はまず、専門の知識を持った人のいるジムから初めてください
毎朝眺める北アルプスに元気をもらってます。
神奈川県生まれ、長野県在住。スポーツメーカー勤務から、スキー雑誌の編集・ライター、情報誌のDTP、CATV撮影編集、地方誌編集・ライターなどを経て、やっぱりライター。