地域おこし協力隊おすすめ!西会津の水と緑を楽しむ参拝トレッキング
もくじ
自然を楽しみながら山の神さまに参拝
西会津町は福島県の西部、新潟県境にある山と水に恵まれた自然豊かなところです。
「日本百名山」に数えられる飯豊山の登山口のひとつがあり、「西会津十三名山」も選定されているなど、さまざまな登山を楽しめます。
今回は、初心者でも無理なく楽しめる山歩きのルートとして、大山祇(おおやまづみ)神社御本社への参道を提案していただきました。ルートの提案と案内をしてくれたのは、地域おこし協力隊として観光交流協会に勤務する佐々木祐子さん。かねてから憧れだった西会津にこの四月から着任した、山と自然が大好きな女性です。
役場のある野沢駅前から約4キロ、参道の入り口にあたる大久保へ。大山祇神社は、「なじょな(どんな)願いも聞きなさる」神さまといわれ、地元だけではなく新潟県や山形県からも多くの参拝者を集めてきました。こちらにある神社は、厳密には「遙拝殿」。山が雪に閉ざされる季節でも、こちらから神さまを拝むことができます。
川のせせらぎと鮮やかな緑のコントラスト
いよいよ、山に入っていきます。山と水の神さまだけあって、渓流に沿って参道が続いています。川が見えなくなるところもありますが、そんなときでもどこからか心地よいせせらぎの音が聞こえています。
コースの序盤には河原に降りられるところが何か所かあります。山から降りてくる水は、冷たく引き締まっていて、気持ちいいです。
そして、見どころとなるのは滝。不動滝、弥作の滝と二つの滝があります。どちらも水量が多く豪快です。滝は信仰の対象にもなっていて、小さなお宮がほとりに付いています。なるほど、こうして眺めていると荘厳な気持ちになってきます。
豊かな草花も目を楽しませてくれます。初夏の楽しみは鮮やかな緑色のコントラスト。「緑」という色はこんなにたくさんの種類があったのか、と気づかせてくれます。あちこちで花が咲いていなくても、草と木の表情だけで豊かな気持ちに。標高によって植生の変わるさまも見どころです。
四季の彩りが鮮明で、異なる顔を見せてくれるのがこの山の特徴です。雪解けの春は花が美しく、夏は緑の豊かさ、秋は鮮やかな紅葉、冬は山には入れませんが2mまで雪が積もります。
ところどころに、かわいい道祖神があったり、ユニークな形のベンチがあったりと、飽きさせません。
水の恵みに感謝しながらコーヒーで一服
さあ、いよいよルートも佳境。杉の巨木に囲まれた202段の石段です。「ふくしま緑の百景」に選ばれた美しい景色。でも、登るのは苦しい。息を切らしながら登ります。どうしてもキツいという人には迂回ルートもあるので安心してください。
ここを抜けると、もうすぐに目的地の本殿が見えてきます。水が豊かで、じゃぶじゃぶ溢れ出しています。
神社にお参りした後は、山の清水で沸かしたコーヒーをいただきます。
ちなみに、ここからさらに登った大倉山の頂上に「奥の院」があるそうですが、そこは鎖場だらけの難コースとのこと。
ゆっくり休みながらでも、片道1時間半ほどの道のり。景色を楽しみながら、心地よい山歩きになりました。
山から下りてから、麓の「そばや」さんで十割そばと山菜尽くしのメニューを堪能しました。こちらは、1日10組限定の隠れ家的なお店だそうです。
※お店の名前が「そばや」さん。要電話予約(090-8781-4458)です。
アウトドアの楽しみがよりどりみどり
6月は、1ヶ月間にわたって大山祇神社のお祭り「大山まつり」があります。さまざまなイベントが催され、週末には本殿前の茶屋もオープン。参拝者でとても賑わうそうです。
周囲をぐるりと山で囲まれた西会津町では、初心者や家族でも楽しめる山歩きから本格的な登山、縦走までさまざまな山体験が楽しめます。そして夏になると、阿賀川でカヤックを漕いだり、山奥の清流で魚を捕まえたりという川遊びも楽しめるようになるそうです。
とても1日では楽しみ尽くせません。また、もう一度行ってみたいと思いました。
※詳しい情報は、にしあいづ観光交流協会にお問い合わせください。
にしあいづ観光交流協会
地域と自然を愛する人の姿を伝えたい。ライター。科学の子。地方に生きる人々、自然とともに暮らす人々の姿を伝えたいです。最近興味があるものは、発酵と分水嶺と文化人類学。神社と古墳もわりと詳しいです。蕎麦は割子、銅剣は中細形c類が好きです。