「親も子供も楽しく、自由に」登山ガイド栗田朋恵さんが描く、親子登山の可能性
もくじ
芸術大学進学、東京の企業で勤めた後、自然の世界へ
鎌倉の里山を主なフィールドとし、親子向け山歩きワークショップを開催している栗田さん。
ご自身も小学1年生の男の子と2歳の女の子を持つ母親でもあります。
そんな栗田さんはちょっと異色な経歴の持ち主。長野県の小谷村で育ち、芸術大学出身なのです。
大学卒業後は東京の会社に就職後、家業のユースホステルを手伝うために故郷へ。小谷村では父親の知り合いの登山ガイドさんの手伝いをしながら、ユースホステルの運営に携わっていたそうです。
「色々なガイドさんのもとで、技術だけではなく心構えや自然について学ばせてもらいました。その経験から自然の良さを再確認し、それを伝えたいと思うように至ったんです。それからガイドの資格を取得して、約4年間白馬周辺の山で活動していました」
小谷村から鎌倉へ。街での子育てで感じた違和感
その後、結婚を機に小谷村から鎌倉へ移動することになった栗田さん。
小谷村での暮らしやガイドの仕事から離れるのは簡単な選択ではなく、鎌倉でどうやって山を続けていくか考えていた中、すぐに出産し、鎌倉で子育てをすることになります。
「街での子育ては、思い描いていたものとは遠いものでした。公園に子供を連れて行っても、遊具の順番待ちで楽しんでいる子供に早く切り上げるように促さないといけないですし、泣いたら周囲の目が気になり叱らないといけないものと思い込んでいました。
『あれもダメ。これもダメ』
子供を自由にしてあげられない環境の中で、私自身が子育てを楽しめなくなってしまったんです」
子どもと一緒に登山
そんな中、子供と一緒に山に行ってみることにしました。栗田さんの住んでいる鎌倉には子供にも優しいハイキングコースがいくつかあったのです。
「山の中では、子供に好きなだけ遊ばせてあげられました。泣いても、好きなだけ泣かせてあげられるし、子供のペースに合わせられます。登り坂はジャングルジム、下り坂は滑り台。登山道に落ちている木の枝や石は子供にとって宝物。子供は自分で遊びを見つけるんですよね」
「 山の中は危険だと思われがちですが、交通事故などの外的要因の危険は街より少なく、のびのびさせられます。なので、必要以上の手助けはせず、『子供に自分でやらせる』ことができます」
子供と一緒に山に行くことにより、栗田さん自身の気持ちもおおらかになり、子育ても楽しめるようになったんだとか。
「子供はもちろんですが、自分自身が子育てを楽しめる、ということがすごく大事だと思うんです。それが自分にとっては親子で登山という形でした」
親子登山を始めたい人へ
昨今の山ブームで山にハマった人達が、今は出産して山になかなか行けなくなりました。
また、「子供を山に連れ行ってあげたいんだけど、自分に経験がないし、何から始めたらいいんだろう」という声をよく聞きます。
現在栗田さんはご自身の経験を活かして、親子向け山歩きワークショップを開催していますが、どなたでも楽しめるように、登山を始めやすいように、できるだけハードルを下げたツアーを考えられています。
そういう観点からも、鎌倉の里山は比較的軽装備でも楽しめるので、はじめの一歩としてもいい山なのです。
ぜひ一度、親子で足を運んでみてください。
鎌倉から小谷村へ
「親子で共通の体験をする。親と子が横の関係でいられる」
これが登山の魅力であり、栗田さんが勉強してきた芸術との共通点でもある、と語る栗田さん。故郷である小谷村の自然を感じながら芸術体験もしてもらいたいという思いから、実家のユースホステルを利用した親子登山ツアーも計画しているそうです。
「いつか自分の子供と一緒に、自分の生まれ育った小谷村の白馬岳に登るのが夢ですね」
栗田さんには.HYAKKEIで「親子登山」の連載をしていただいてます。
ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
https://hyakkei.me/curators/Kuritatomoe
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https://hyakkei.me/articles-568
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山と人と心をニットで繋ぎます。
.HYAKKEIアンバサダー。
あみもの工房ami*ami主宰。編み物作家、講師として活動。山とニットを繋いで拡げ、山と人、人と人、ココロとココロを繋いでいます。