登山道の維持に黄信号
全国の山岳団体に聞いた、現場で起きている課題とこれからの登山道
株式会社finetrackは、全国の登山道整備団体・山小屋を対象に、登山道の現状と課題に関するアンケートを実施。その結果から見えてきたのは、「登山道の未来」が決して盤石ではないという事実だった。
もくじ
全団体が「課題あり」と回答

調査は2025年5月9日から6月12日まで実施され、全国16団体が回答。回答したすべての団体が「登山道の維持・保全に課題がある」と答えた。主な理由としては「人手不足」と「費用不足」が上位を占め、多くの整備活動がボランティアや自主資金に頼っている現状が浮き彫りとなった。
利用できなくなる登山道の可能性

「近い将来、利用できなくなりそうな登山道がある」と答えた団体は38%。「将来的にその可能性がある」まで含めると94%にのぼり、今後の維持体制に抜本的な対策が求められる状況が見て取れる。
登山者への具体的な呼びかけ
回答には「ぬかるみを避けて道を外れない」「ストックにゴムキャップをつける」など、登山者への具体的な配慮の要請も多数寄せられた。また、崩れた登山道の存在に気づいたらSNSなどで共有することで、問題提起の一助になるという意見も。
整備活動への参加は「まず現場を知ること」から

登山者による整備活動への参加については、「ぜひ参加してほしい」とする団体が最多。理由として、「登山道の現実を知ってほしい」「消費するだけの登山者ではなく、関わる登山者に」という声が目立った。一方で、「技術や安全管理の問題から条件付きであれば」との意見もあり、今後は受け皿づくりも課題となりそうだ。
noteでの詳細公開
アンケート結果の詳細は、finetrack公式noteにて公開中。全国の“山の守人”たちが感じているリアルな課題に耳を傾けることは、これからの登山を考える上で避けて通れない。

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