ツエルトと細引きに助けられた話
みなさん、雪山へ繰り出す準備は出来ていますか!?
今では毎年、雪山に登るようになった私も過去に準備不足(というかミス)でひやりとした経験をしたことがあります。今回は、そのお話をしようと思います。
もくじ
今回の主人公は「ツエルト」
持ち物リストに必ず記載されているビバークギア「ツエルト」をご存知ですか?
初めて知る方もいると思うので簡単に説明すると、登山中の非常時にビバーク(露営)を迫られたシーンで使用する簡易的なテント(シェルター)のことを指します。トレッキングポールで立てて屋根を作ったり、そのまま被ったりして、雨や風、寒さから身を守ります。
200g前後で、手のひらサイズで携帯できることから、積極的に通常時のテントとして使用する人もいます。
まずは使ってみる事の重要性
持ってはいるけど、、、使ったことがない。。。そんな人も多いのではないでしょうか。私自身も買ってから1年程、設営も使用経験もないまま所持しているだけの状態でした。いざという時に使えないのでは、宝の持ち腐れ・・・サヨナラした諭吉先生も泣いてしまいます。
そう思い、事前にある程度の使い方を頭に入れ、夏場の北アルプスの表銀座縦走にて通常テントとして使ってみることに。
せ、、、狭いw
そして思いっきり結露します(工夫次第で緩和可能)。仕方ありません。あくまでも緊急用を前提として使用するものなので、そこは割り切って使う必要があります。
ツエルトと細引きに助けられた話
さて、タイトルの「ツエルトと細引きに助けられた話」ですが、今年初めの雪積した時期に、冬季限定のバリエーションルート「爺ヶ岳の東尾根」を通り、ピークを目指している最中に悲劇が・・・
(・・・テントのポールがない)
あれだけ家でパッキングチェックをしたのに、!!テント泊予定地まで残り1時間ぐらいのポイントで気付く失態。一緒にいたバディは冷や汗をかき絶句。10分程思考が停止、その後冷静さを取り戻しザックの奥底に詰め込んでいたツエルトがあることに気付きます。
今ある持ち物でどうにか一夜を越える!命をかけたサバイバルミッションが始まります。とりあえず、テント場まで到着し、使えそうなものを地面に全て広げます。
ツエルト・自作細引きセット(カラビナ付き)・ショベル・竹ペグ・トレッキングポール・太めのペグ
縄文時代や弥生時代を中心に作られた竪穴式住居の半地下構造は温度変化が抑えられていたという特徴を思い出し、脳内での完成図は竪穴式住居をイメージ。ショベルで雪に竪穴を掘り、風からの影響を減らし、ツエルトをトレッキングポールを支柱にし屋根を作ります。
なぜか、いつなんどきも所持している(自作の)カラビナ付きの細引きセットと竹ペグを接続してツエルトを固定。銀のエマージェンシーシートを足元に被せて完成です。
少し時間はかかってしまいましたが、、、なんとか寝床は出来ました!!(汗)
この日の夜は、運よく風が弱く、気温も氷点下を少し下回る程度の気温だった為、無事一夜を乗り切ることができました。テント泊装備とは別に持っていたツエルトと細引きが無ければ、このような応用は出来ていなかったかも知れません。
ツエルトの特性や使用感を1度でも知っておくことで、いざという時に真価を発揮すると思います。まだ持っていない方は是非、お守り代わりに購入して使ってみてはいかがでしょうか。
使用したツエルト
finetrack : ツエルト1
こばじゅん
山歴8年目。
下山家 ‘92
UL | coffee | music
好きな道具を持って歩こう