山村さんご自身、歴代の名品を数多くお持ちです。
古いものでは1940年代のものもあります。70年以上前のものでも正しいメンテナンスを行うことで今も変わらぬ「現役」。
キャンプ場やイベントを通してメンテナンスをしてきたランタンをはじめ、山村さんが生涯でふれたことのあるランタンの数はおそらく万の単位に昇るかもしれません。
「この2か月でも40台のランタンを扱いました。多くは20年くらいの前のもの。よっぽどなことがない限りメンテや修理をしてまた使えるようになるものばかりです。
先日、これはオヤジのランタンでどうにも使えないから捨ててしまおうかとおっしゃられていたお客様がいらっしゃいました。そこで私が、いやいや一度見せてください、と引き取らせてもらい復活させたらとても喜んでくれましてね……」
コールマン ジャパンの歴史を知りつくし、常にユーザーとのインターフェイスとなってきた山村さんだからこそ、誰もが「ミスター・コールマン」と呼んでいます。
しかしながら本当は「ドクター・コールマン」という名称こそ山村さんの生涯活動においてふさわしい呼び名ではないかと思うのです。
ある時は内科医として診断を、ある時は外科医として手術を、そして今回の解説・指導のようにランタンを健康を保つ保健師の役割まで、誰よりも多く誰よりも深くランタンの命を繋ぎ続けてきた名医。
「正しく使い、正しく手入れをする、これだけなんですよ。そうすればコールマンのガソリンランタンは半永久的なのですから。ぜひ長く使って次代に引き継いでいってほしいと思います」
文:SAM / 写真:橘毅写真事務所
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