体験レポート

【第3回】森が人を呼ぶ屋久島trip|「海の底を歩く、白谷雲水峡の森」

こんにちは!.HYAKKEIライターの弥山ひかりです。
今日の屋久島は、くもりです。

これまでの記事で、屋久島の森は、繋がることでその人のありのままの姿を浮かび上がらせる、不思議な生命力があるとお話しました。さらに、 森と繋がる上でまず訪れたい場所についても、すでにご紹介した通りです。

いよいよ、濃ゆ〜い生命力を感じられる“森の海”へ潜っていきましょう!今回ご紹介する「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」は、「もののけ姫」の舞台のモデルになったことでも有名な森。意外と知られていませんが、そもそも屋久島の森は「風の谷のナウシカ」に登場する“腐海”のインスピレーションの元でもあります(豆知識)。

それほど特別な森の魅力は、どんなところにあるのでしょう?

深い森の海「白谷雲水峡」

「スゥゥー…」と、森そのものが深呼吸をしているような、清涼で濃厚な緑の香りが広がる白谷雲水峡。標高600m地点に森の入り口があり、白谷川の清流が流れる潤いに溢れた森です。森の息づかいに同調して、訪れる人の呼吸も不思議と深くなるでしょう。

今回のルート

原生林歩道経由で太鼓岩へ。帰りは、江戸時代に作られたという石畳の上を歩く楠川歩道経由で入り口へ。往復:約3〜4時間。

約400ヘクタールに及ぶ自然休養林のなかを、眺望の開ける「太鼓岩」(標高1,050m地点)を目指す一般的なコース。あまり動き回るより、お気に入りの場所を見つけて佇み、時間をかけて堪能するのがおすすめです。

森のベンチに腰掛けて

近年では外国人登山客が増加しており、なかでも欧米人が、ベンチや岩の上などでスケッチをしたり、瞑想したり、ランチをしている姿をよく見かけました。ここでは急ぐ足を止め、森をじっくり味わってみましょう。

“緑色”に目を向けて

森をまじまじと見つめているうちに、初めはどれも似たような緑色にしか見えなかった世界が、日が当たる場所と木陰では、実はまったく違う色をしていることがわかります。

小さな命にそっと触れてみる

さらに小さな世界に目を向けてみると、倒木を覆うスギゴケが雨のしずくをアクセサリーのようにまとって、キラキラ光っています。

このように、森全体から小さな命へ目を向けていくと、漠然とした緑色が、無数の命からできていることにハッと気づかされます。多様な緑色の違いを感じることは、森の生命力を味わうことでもあるのでしょうね。

杉の長老たち

原生林歩道の奉行杉。樹齢は不明ですが、ある程度年齢を経た杉には、神様が宿っていると言われています。まるで苔の衣をまとっているようですね!

まるで、海の底

森が深くなるにつれ、まるで海の底を歩いているような気分に。木々の葉の天井が海面に、そこから差す木漏れ日が海中にこぼれる光のような錯覚に陥ります。時折吹く風は、まるでさざ波のように森をなでていきます。

島の内側が見える太鼓岩

森から飛び出る太鼓岩では、島の内部にそびえる奥岳を一望することができます。天気が良い時は、ここまで足を伸ばしてみるのもいいでしょう。

辻峠を楠川分かれ方面へ降りて、5分ほどのところに「辻の岩屋」が。体力と時間に余裕がある時は、ぜひ立ち寄ってみましょう。

◆協力金
高校生以上:300円、団体15名以上:250円

◆白谷雲水峡へのアクセス
・宮之浦港から路線バスで35分
・駐車場40台

シェアする
ライター:
弥山 ひかり

最近の記事