シーズニングってどうやるの?ダッチオーブンやスキレットをサビから守るために

鉄製のダッチオーブンやスキレットを手にした方が最初にすること、それはシーズニング。錆や焦げ付きを防ぐコーティングを施すシーズニングは、長く快適に鉄製のクッカーと付き合う上で大切な作業です。正しいやり方を身につけ、楽しくおいしいキャンプクッキングライフを送りましょう。

ダッチオーブンやスキレットのシーズニング。正しいやり方は?

出典:写真AC

ダッチオーブンやスキレットなどの鉄製のクッカーは、そのままの状態では、錆び付きやすく、焦げやすい状態です。それを防ぐために、黒錆とシーズニングオイルでコーティングを行う作業がシーズニングです。

鉄製のクッカーを使い始めるにあたり、最初の儀式ともいえるシーズニングですが、正しいやり方を知らない方に向けて重要なポイントを紹介します。

定番のオリーブオイルは実はNG!シーズニングオイルの選び方

出典:写真AC

シーズニングの前に重要なのが、表面に皮膜を作るためのシーズニングオイルの用意です。シーズニングオイルは、オリーブオイルを使う方が多いですが、実はあまり適していません。

シーズニングオイルはベニバナ油などの「乾性油」が正解

オリーブオイルは、空気中で固まりにくい「不乾性油」にあたり、皮膜作りに向いていないためです。シーズニングには、空気中で固まりやすい「乾性油」を使用しましょう。

リノレン酸が多く含まれているものが「乾性油」にあたります。例えば、ベニバナ油や、アマニ油、えごま油、クルミ油、などが「乾性油」にあたります。

シーズニングオイルに向かない油

前述のとおり、コーティングを作りにくい「不乾性油」はオリーブオイル以外に、ヤシ油などが挙げられます。「乾性油」と「不乾性油」の中間にあたる「反乾性油」も、ベストではありません。例えばこめ油、ごま油、大豆油、ひまわり油などです。

鉄製のスキレットにシーズニングを施す手順

出典:写真AC

使用する前にシーズニングを施します。このシーズニングの工程はさびつきや、食材の焦げ付きを防ぐための重要なステップです。

Step1:表面のワックスや塗装を洗い落とす

買ったばかりの鉄製のフライパンは、さびを防ぐために工業用のワックスや保護塗装がされています。まずは中性洗剤できれいに洗い、フライパンを火にかけ塗装を焼き切ります。

Step2:スキレットを加熱し黒錆コーティングを施す

このステップでしっかり熱することで鉄の表面を黒錆に変化させます。全体が青みがかった鉄色になるまで強火で熱するのがポイントです。

Step3:シーズニングオイルを馴染ませる。

シーズニングオイルをキッチンペーパーと菜箸などを使って馴染ませていきます。ここでのポイントは、オイルの量。オイルは薄く全体に塗り広げましょう。この工程を1~2回行います。

Step4:野菜くずを炒め、鉄臭さを和らげる

好みではありますが、鉄臭さの緩和と皮膜づくりの促進のため、野菜の葉や皮などの野菜くずを炒めます。セロリやニンニク、玉ねぎなどの香味野菜がおすすめです。

野菜が焦げるまで炒め最後の仕上げにもう一度オイルでコーティングすれば完成です。シーズニングはフィールドに持ち出す前に家で済ませておきましょう。

シーズニング後のメンテナンスも重要

出典:写真AC

シーズニングは一度施したら、それで終わりではありません。使ううちにシーズニングは徐々に落ちていきます。料理をした後の洗い方やメンテナンスの方法も重要なので解説していきます。

洗剤の使用はNG!鉄製クッカーの洗い方

出典:写真AC

シーズニングされた鉄製クッカーを洗う際は、洗剤で洗ってはいけません。せっかくのシーズニングが落ちてしまうからです。水を煮立たせ、竹べらやキッチンペーパーなどを使い優しく洗いましょう。鋳物の場合は、クッカーが熱いうちに冷たい水をそそぐと割れよる破損やケガのもとになるので避けましょう。

鉄製クッカーの焦げ落とし

出典:写真AC

シーズニングを施していても、最初のうちはどうしても鉄製クッカーを焦がしてしまう場面もあります。そういった場合は、お湯で洗った後にクッカーを火にかけ、焦げを焼き切ります。すると焦げが炭になり剥がしやすくなるので、竹べらやささらでこすり落とします。金たわしなどはシーズニングまで剥がしてしまうので避けましょう。

洗浄、焦げ落とし後は再度シーズニング

出典:写真AC

クッカーをきれいにした後は再度シーズニングを施します。はじめに行った野菜くずを炒めるステップは不要で、シーズニングオイルで1回コーティングするだけで十分です。クッカーをしばらく使わないときは、新聞紙などで包み風通しの良い場所で保管しましょう

正しくシーズニングとメンテナンスを行い、鉄製クッカーを育てよう

手間のかかるシーズニング。繰り返せば繰り返すほど、錆びにくさと焦げ付きにくさが増していきます。道具を育てるよろこびを感じたい方はぜひ鉄製クッカーのシーズニングにチャレンジしてください。

シェアする
ライター:
秋元 祐輝