登山というと、どんなメンバーで楽しみますか?
登山仲間や友達、ソロまで様々だと思いますが、お子様をお持ちの方でしたら親子登山もおすすめ。
今回は観光地としても人気の鎌倉を舞台に、鎌倉アルプスを親子登山家でもある登山ガイド・栗田朋恵さんと登ってきました。
北鎌倉駅を降りて、建長寺を目指し、線路わきを歩き始めます。ほどなくして建長寺に到着。
今回のハイキングコースに入るには建長寺の境内を通るため、拝観料(大人300円・子供100円)が必要となります。境内には自販機と、手入れの行き届いたお手洗いもあります。
この先、お手洗いは大平山頂上より少し先に進んだところに1ヵ所しかありませんのでご注意を。
「天園(てんえん)ハイキングコース」案内に従い半僧坊道をしばらく進むと、その先に長くて急な階段が見えてきます。この階段を登りきった上に半僧坊があります。最初の難所ですが、烏天狗の銅像が見えてきたら、もうすぐです。
子どもと一緒に天狗が何体あるのか数えてみるのもいいかもしれません。
半僧坊からは、下界を見下ろす天狗のような気分になって建長寺、そしてその先の相模湾を、さらに別の方角には遠く富士山を望むことができます。
しばらく景色を楽しみながら休憩した後、山道に入っていきます。
半僧坊のさらに上の勝上献(しょうじょうけん)展望台からは建長寺の全景を見ることができるのですが、このウッドデッキの展望台で元気いっぱいな地元の子どもたちと遭遇。
自然の中で楽しそうに遊んでいる彼らを見ていると、こちらもうれしい気持ちになります。
そして先の山道を進んでいくと、ロープを使って岩場を降りるという、子どもの冒険心をくすぐるような場所があったり、ソフトクリームのような形をした巨大な岩が道の真ん中をふさいでいたりと、体と目で自然を楽しめます。
大平山頂上手前の傾斜面での出来事です。
栗田さんの娘さんが最後の力を振り絞り一生懸命に自分の力で登っている姿を見て、頂上方向から降りてくる大人たちから、「がんばれ」「もう少しだよ」「えらいねぇ」と声を掛けてもらいました。
普段の生活の中で、見ず知らずの人から話しかけられる機会は少ないかと思いますが、
山での気軽なあいさつなどのコミュニケーションは子どもたちにとって良い経験になるように思います。
鎌倉市最高地点でもある大平山頂上から下った先の広場でゆったり、のんびりと昼食をとった後、おなかいっぱいになった栗田さんの娘さんは、背負ってもらうとすぐに夢の中に。
その間に横浜市内最高地点を通り過ぎ少し歩くと、天園休憩所からたき火の煙のにおいがしてきました。
私たちは立ち寄りませんでしたが、ここでお昼ごはんを食べるのもいいかもしれません。
その際には、名物のふろふき大根は忘れずに。その大きさに驚くはずですよ。
今回は、案内板に書かれた天園ハイキングコースの瑞泉寺経由鎌倉宮方面ではなく、獅子舞経由鎌倉宮の方に進みます。
その先には鎌倉とは思えない木立が一面に広がる景色が目の前に現れます。
ここ獅子舞は、秋には美しい紅葉を楽しむことができる鎌倉の隠れた名所。
さらにその先には、切り立った岩とシダ類の植物が生い茂るジブリのアニメに出てきそうな、幻想的な景色が広がります。
ジブリ作品を観たことのあるお子様なら、きっとそう感じるはずです。
鎌倉アルプスを歩くコースは、切通しの先でゴールとなりますが、私たちはその後、国指定史跡の永福寺(ようふくじ)跡、鎌倉宮、鶴岡八幡宮にお参りに行き、最後は、紅谷さんの「クルミッ子」(おすすめのお菓子です!)を全員がお土産として買って帰路につきました。
今回、私たちが歩いたコースの所用時間は、汗をかかない程度にゆっくり歩き、のんびり休憩して約4時間でした。
このコースは、親子ハイキングの経験があり、お子様の年齢的には6歳以上くらいが対象になります。その年齢より下のお子様をお持ちの方で親子登山をしてみたい方、または、自分たち家族だけで親子登山デビューするのに不安がある方は、栗田さんが主催する親子の山歩きワークショップ(「外あそびtete」)に参加してみてから、チャレンジしてみるのもいいかもしれません。
また鎌倉には今回の「天園ハイキングコース」以外にも下記のコースがあります。
栗田さんがお勧めする対象年齢を参考にまとめました。
お子様の年齢に合わせ選択して、親子で共通の感動体験をしてみてはいかがでしょうか。
【祇園山ハイキングコース】
4歳頃~(道幅が細い場所、足場の悪い場所がある。コース短め。)
【衣張山ハイキングコース】
6、7歳頃~(道の分岐が多いため予め確認を。コースの取り方によって距離も変化)
【六国見山コース】
4歳頃~(分岐を間違わないよう注意。北鎌倉駅からの往復がおススメ。トイレ無し)
最後に、栗田さんから親子登山に関するワンポイント・アドバイスもいただきましたので、参考にしてみてください。
1.子どもを見失わないために
子どもは山に慣れてくると、急に走りだしたり、先へ先へとどんどん進んでしまうこともある。
山道の先が分岐で分かれていた場合、子どもを見失う可能性もある。また、知らない間に道から外れてケガをしてしまうと大変なので、子どもを一人で先に行かせてしまわないよう気を付けたい。
2.こまめな体温調整を
急な坂を登るなど、運動していくうちに汗ばむことがある。大人も「暑い」「寒い」を感じたら、その都度着ているものを調整し、汗をかき過ぎたり、身体を冷やしたりしないよう心掛けたい。子どもの身体は大人以上に熱しやすく冷めやすい。子どもが自分で衣類を調整できないうちは、大人がサポートしてあげたい。とくにベビーキャリーに子どもを乗せる場合は、運動しない分非常に身体が冷えやすいことを覚えておきたい。
3.ファーストエイドを持って行こう
うっかり転んでしまったり、知らないうちにトゲがささったり、小さなケガでも救急セットがあると安心。家族で1セット準備していきたい。お水を持っていると傷口が洗えることもあり、もしもの時に便利。