【雪山散歩のススメ】雪山の静けさを楽しむ厳選ギア

僕はとにかく雪山が好きです。
もちろん夏の山だって素敵なんですが、冬は色々な人工物が雪に覆い隠されて、とてもキレイな景色がひろがりますし、動物や鳥や虫たちが息を潜めるので、とても静か。

そんな雪山の静けさを存分に楽しむには、ゆっくり散歩するのがオススメです。

静かな森の中をゆっくり散歩するのは雪山の楽しみのひとつ。普段は人が歩かないところなら動物の足跡もいっぱい見つけられます。

雪山散歩に必要なギア①スノーシュー

僕はスキーもしますので、冬はそちらがメインのアクティビティにはなるのですが、日本のスキー場でひとつ気になるのは、BGMがうるさいこと。無かったら寂しいという人も多いのでしょうが、僕は反対。冬は静けさを楽しみたい季節だと思うんです。

そこでオススメしたいのが、スノーシューを履いて森の中を歩いてみること。

スノーシューとは日本で言うところの「かんじき」と同じようなもので、雪の中を楽に歩けるようにするためのギアです。ただ、かんじきと違うのは、しっかりした爪が装着されており、雪が硬いところや斜面でもしっかり歩けるところ。はじめて履いた時には、雪山を楽に安定して歩けることに感激するはずです。

こちらの写真は数年前に家族でスノーシューハイクをしたときのもの。子供たちにはスキーの時と同じ格好をさせました。軽く吹雪いていたのでゴーグルも装着。

散歩がメインなら定番、MSRのEVO(エボ)

スノーシューはバックカントリー・スノーボードでも使われますので、登山向けの本格的なモデルもありますが、散歩がメインで使うのなら低価格帯のモデルでも十分。
その代表格はMSRのEVO(エボ)というモデルと言えるでしょう。フレームが樹脂製なので軽く、ハイエンドモデルよりもむしろ使いやすいと思います。
また同タイプのジュニア用やキッズ用も出ていますので、家族で楽しむにも最適です。

MSRと言うと最近ではテントのイメージが強いかもしれませんが、かつてはスノーシューの方が有名という時代もありました。1990年代、金属製フレームが当たり前だったスノーシューの世界に、樹脂フレームを持ち込んで人々をアッと言わせたのがMSR。
今ではもっともメジャーなブランドとなりましたが、ほかにもアトラスやタブスなど、高い機能性を持ったブランドがあります。デザインもメーカーによって様々ですから、気になったら是非リサーチしてみて下さい。

MSRの定番モデル「EVO」。フレームは樹脂ですが、しっかりした金属製のブレードが装着されています。足を載せる部分はシーソー状に可動する仕組みになっており、斜面を登る時でも足は水平を保ち、つま先を食い込ませながら登ることが出来ます。

ヒールリフターを備えた上位モデル!MSRの「ライトニング」シリーズも

もしバックカントリー・スノーボードもやりたいということであれば、ヒールリフターを備えた上位モデルが良いでしょう。

私は同じくMSRのライトニングというモデルも使っていますが、こちらはよりハードな斜面も登ることができ、またデザイン的にもカッコいい(ここ重要)ので人気のモデルです。
ヒールリフターがついていると急な斜面でも足を水平に保ちやすく、楽に登れるというわけ。

特に雪が硬い時はキックステップ(つま先を雪面に食い込ませて足場をつくること)がしにくいので、ヒールリフターがあった方が楽なんです。

現在は絶版となっているMSRの「ライトニング・アクシス」。しかし同様のフレームを持ったほかのライトニングシリーズは現在も発売されています。エボと異なるのはフレームが金属製で、より強度が高く硬い雪面でもグリップ力が高いこと。ただし重量は少し重くなります。
シューズのヒールを支えているワイヤー状のパーツがヒールリフター。急斜面にさしかかったら、トレッキングポールでリフターを引っ掛け、立てて使います。

雪山散歩に必要なギア②ホック

と、ここまでスノーシューが前提の話をしてきましたが、トップの画像にあったスキーは何?と思った方もいることでしょう。

実はこれも散歩をするには最適な、歩くためのスキーなんです。

アメリカにあるアルタイスキーという小さなメーカーが作っている「ホック」というモデルで、最大の特徴は滑走面にクライミングスキンが埋め込まれていること。

クライミングスキンとは、バックカントリースキーでハイクアップする時に使うもので、かつてはアザラシの毛皮が使われていたことから、スキンと呼ばれるようになったものです。
もちろん現在は化繊の毛を使っているのですが、普通は接着剤による脱着式であるはずのスキンが埋め込まれていることで、脱着の手間をかけずに登ったり降りたりができるというのがホックのユニークなところです。

滑走面の中央部分にクライミングスキン(別名シール)が埋め込まれている、アルタイスキー「HOK」。ビンディングは別売りですが、普通の靴でも履ける写真のタイプを装着するのが定番。

ホックの良いところは、スノーシューよりも浮力が高く、また雪面抵抗が少ないので素早く歩けることと、下りではゆっくり滑走できること。

スノーシューだと下りでも歩かなければならないので、スキーをやる私なんかはちょっとフラストレーションがたまるのです。
ただホックの場合、普通のブーツで履けるタイプのビンディングを付けていると、剛性が低くエッジを立てることが出来ないため、斜度が急なところや雪が硬いところではなかなか怖いものがあります。

テレマークスキー用のビンディングを付けることも出来るので、そういった仕様にすれば下りも楽しむことができますが、それよりも深雪専用と割り切って、普通のスノーブーツで履く方がこのスキーの使い方としては正しいのではないでしょうか。
深雪のゆるい斜面であれば、スキンが適度な抵抗となって、ゆっくり快適に下ることができます。

ホックは浮力が強いので、1mほどの積雪があるところでもほとんど沈まずに歩くことができます。
上の写真と同じところをスノーシューで歩こうとすると、15cmほどは沈みますが、それでも靴のままで歩くのとは大違い。靴のままだとヒザ下まで沈んでしまいます。

雪山散歩に必要なギア③トレッキングポール&シューズ

そしてスノーシューで歩くにせよ、ホックで歩くにせよ、トレッキングポールとシューズのセレクトは重要です。

ポールは夏山で使うものでも構いませんが、雪の深さや斜面に合わせて長さを変えられるものを選び、バスケットもスノー用の大きなものを付けておく必要があります。

またシューズは断熱材の入った防水性の高いものが必要不可欠。足先が冷えてしまっては、散歩どころじゃありませんから。履き口から雪が入ってしまうこともあるので、スキーウェアのような裾が2重構造になったパンツを穿くか、ゲイター(スパッツ)を装着して雪が入らないようにしておきましょう。

今回持参したトレッキングポールは、スロバキアのZAJO(ザジョ)というメーカーのもの。シャフトの表面素材に竹を使っていて、森を歩くにはうってつけの雰囲気を持っています。雪の上で使う時は、バスケットをスノーバスケットに変えるのを忘れずに。
雪の上を歩くなら断熱性の高いソレルのブーツがイチオシ。アメリカではセレブの間でソレルが流行っていることもあり、特にレディスモデルはデザインが豊富です。これらのモデルはシンサレートの分厚いライニングが入っているので、断熱性は抜群。

雪山散歩に必要なギア④シートパッド

それともう一つ、雪山散歩を楽しむなら是非持って行きたいのが、断熱性のあるシートパッド

ちょっとした休憩をしたり、ランチをする時にはこれを敷くことで寒さが軽減されます。雪の上に長く座っていると体が冷え切ってしまうので、これも必携と言えるでしょう。
ガスストーブを持って行って静寂に包まれた森の中でカップラーメンを食べる、なんて時にもシートパッドがあると快適性が大幅にアップするのです。

雪の上に座る時には、折りたたみ式やインフレータブルのシートパッドがあると快適に過ごせます。左はコールマン(DANA DESIGN)のインフレータブルタイプ、右はサーマレストの折りたたみ式「Zシート」。

まとめ

というわけで今回はギアの紹介を中心に、雪山散歩のポイントをまとめてみました。

雪山の遊びはスキーやスノーボードだけじゃありません。
散歩するだけでも十分に非日常的で、冬という季節を楽しむことが出来るんです。

ただし厳しい寒さに見舞われることもあるだけに、油断は禁物。特に保温性については十分に注意して、道に迷うようなことも無いよう、慎重に行動して下さいね。

家族でも手軽に楽しめるスノーハイク。雪に覆われた静寂な森の中を、みんなで話しながらゆっくり歩くのも贅沢な時間の過ごし方です。
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ライター:
アクタガワタカトシ