この春リリースされる、出来立てほやほやの「新作ギア」たち。
元アウトドアショップ店員の筆者が、展示会をめぐる中で出合った、“選りすぐり”を前・後編に分けてご紹介。定番アイテムから、ちょっと一風変わったユニークアイテムまで、バラエティー豊かにお届けします!
アウトドアユーザーから圧倒的な支持を得る、老舗テントメーカーの「アライテント」からは、この春、“オニの角”のように張り出した居住空間をもつ「オニドーム」がデビュー。
「オニドーム」の最大の特徴は、おもに3つ。
・2本のポールをクロスさせるだけで立ち上がる、シンプルで簡単な構造
・にも関わらず、広い「室内」と「前室」をもち、2人用でも1,480gという軽さ
・そして、フライシートのペグダウン無しでも、前室が生み出される
とくに③に至っては画期的で、テントの前室は「ペクダウンできない場所では成立しない(利用できない)」という弱点を、この構造にすることで見事に解消しているんです。
インナーテントだけで見てみると、そのシンプルかつ秀逸な構造が一目瞭然。
また、専用のアンダーシートは前室部分も覆うデザインのため、より快適な居住空間を生み出すことができます。
広い前室って、天候が悪くてテントの外に出られないとき、本当に重宝するんですよね。
「誰にでも気軽に、毎日のように使って欲しい」。
そんな製作者の願いから誕生したのが、この3WAYマルチバッグ「スウィング」。
付属のアタッチメントやショルダーベルトを取り付けることで、「チェストバッグ」、「ショルダーバッグ」、「ウエストバッグ」に変身し、使い勝手のよさにトコトンこだわり作られています。
耐久撥水のある生地を使用しつつも、水の侵入を最小限におさえるために縫製箇所を減らし、止水ジッパーを採用。レインカバーを装着しなくても、雨に強い仕様になっています。
グローブをしていてもスライドしやすい大きめのジッパータイや、サングラスや家の鍵を吊るしておけるベルトループも、とても便利な機能ですよね。
元・かばんデザイナーが手掛ける、アウトドアガレージブランドの「アトリエブルーボトル」。
ユーザーからの受注を受け、1点ずつ丁寧に製作している、いま大注目のブランドです。
そんなアトリエブルーボトルの人気モデル「PAC」シリーズに、この春、最小サイズが新登場するとのこと。
小さな容量のバックパックは、開口部が狭いがゆえに中身が取り出しにくいというデメリットがあったりもしますが、「PAC01」は、上部のロールトップと前面のファスナー2か所からアクセスできるように設計。
さらに、細くしがちなショルダーベルトの幅を広めにすることで、荷物の重さを分散し、肩への負担を軽減できるようになっています。
スポーティーすぎずスタイリッシュなデザイン。山だけじゃなく、日常使いしたくなりますね。
マットレスでお馴染みの「サーマレスト」からは、これまであった3本脚の「トレオチェア」に加え、4本脚バージョンの「クアドラチェア」が仲間入り。
なにかと外遊びが増える新緑~夏シーズン、バックパックなんかに入れて持ち運びしやすいチェアは必需品ですよね。
このチェアもコンパクトになるのですが、その収納方法がちょっと個性的なんです。
グレー色の4本の脚を組み合わせると、なんとハードケースに早変わり!
一体中からは何が出てくるのかな!?と、ワクワクしちゃいますね。まわりからの注目度も大、なコンパクトチェアなのです。
収納方法についてはメーカーウェブサイトに詳しく記載されているので、気になる方はソチラをチェックしてみてくださいね。
モンベルからは、こんな変わり種レインウエアが発表されました。一見、よくあるレインジャケットのように見えますが、よーく見てください。腕部分のデザインがちょっと変わってる…?
モデル名は「コンバーチブル レインジャケット」。その名の通り、袖は取り外しが可能になっています。
・「レイン着ると暑いから、着たくない。でも、ボディーは極力濡らしたくない」
・「雨に濡れるより、動きやすさ・身軽さを優先したい」
・「寒暖差が激しいときにも、レインを快適に着たい」
そういったユーザーの要望を、まさにこのレインウエアは叶えてくれるのです。
ちなみに、ジャケット同様、取り外せるレインパンツも同時にリリース済み。
特に、ウルトラライトハイカーやスピードハイカー、トレイルランナーからキャンパーのみなさん、要注目です!
マッチなのに「防水」で「防風」という、目からウロコなマッチがコチラ。
キャンドルランタンでも有名なアメリカのブランド「UCOユーコ」の「タイタン ストームプルーフマッチ キット」!
マッチ棒の長さは10.5cmで、燃焼時間は25秒。この間であれば、水の入ったカップにつけても、土のなかに突っ込んでも、強風が吹いていても、炎は消えることなく燃え続けられるスゴイヤツ なんです。
その真偽を確かめている動画があったので、ぜひコチラを見てみてください。
動画は同シリーズ「ストームプルーフマッチ」のものですが、マッチが短く細いだけで、効果は同じです。
いざという時のために、エマージェンシーグッズとして携行しておきたいマッチですね!
神戸を拠点にしている日本発のアウトドアメーカー「ファイントラック」。2004年の創業から13年目、現在では280以上ものアイテムをリリースし、この春いよいよ、新たに「テント」と「タープ」をラインナップ!
フライシート、インナーテントともに、超高密度でタフな国産の「66ナイロンリップストップ」生地と「ダイニーマテープ」を使用しています。ゴツゴツとした山肌の多く、気象条件の厳しい日本の山岳地帯において、「タフさ」というのはとても重要。
さらに、1人用モデルで重量1,120gという最高レベルの軽量性を実現。この夏はあらゆるテン場で、この「カミナドーム」を見かけることでしょう。
そして、コチラのタープも同時デビュー。「カミナドーム」同様の強鞭な素材を使用しています。
重量はたったの490g。缶ビールの500mlサイズ1本ほどの重さです。キャンプでの「リビングスペース」として、また沢登りの「ビバーク用装備」として重宝するアイテムですね。
「小さな火力で素早く沸騰」できるバーナーとして、根強いファンをもつ「ジェットボイル」。この春「マイクロモ」という名のニューモデルが加わりました。
「ジェットボイル」シリーズの他モデルと比べての大きな特徴としては、
・とろ火ができる(煮込み料理がしやすくなる)
・寒冷地にも強い(マイナス6度まで安定した火力をキープできる)
といった点でしょう。
カップの容量も0.8Lあるので、これなら焦げつかせずに、山でもおいしい煮込み料理が作りやすくなりますね。山ゴハンのバリエーションも増えそう!
スウェーデン出身のブランド「ピークパフォーマンス」からは、完全なる機能美を手に入れたウィンドシェルが登場。まずは、脇の下に注目してください。
ジャケットの脇の下辺りが「ドット状」になっているのがわかりますか? 防風性がある代わりに、ウエア内に体温がこもりやすいといった弱点があったウィンドシェル。このモデルは、脇の下をメッシュ地にすることで、ムレない衣服内環境を作り、さらに軽量化へとつなげています。
ちなみにモデル名の「BL」とは、同ブランドのなかで最高クラスを意味する「ブラックライト」の略で、“必要な機能はすべて備え、一切の無駄を排除する”という、相反するニーズを見事に満たしているコレクションのこと。まさに「機能美」という言葉が似合います。
これからやって来る暑いシーズンや、運動量や発汗量の多いスポーツでも重宝してくれるウィンドシェルなのです!
アウトドアギアって、機能的なギミックが含まれていたり、考え抜かれたプロダクトデザインだったりと、ワクワクしちゃいますよね。
次回後編も、どうぞお楽しみに。