電力を100%自給するオフグリッドな暮らしが話題となって、メディアにも度々取り上げられてきたサトウチカさん。現在は自然豊かな淡路島に移住し、ポータブル電源とソーラーパネルで「プチオフグリッド生活」を送っています。おひさまと共に、明るく暮らすチカさんを訪ね、電気を自給するコツや楽しみ方について伺ってきました。
今回の記事は3部構成で毎週1記事ずつお届け致します。
vol.01_フツーの主婦がはじめた100%電力自給!オフグリッドな暮らし
vol.02_淡路島への移住。オフグリッドからプチオフグリッドへ
vol.03_ソーラーパネル&ポータブル電源で楽しむ プチオフグリッド!
オフグリッドとは「オフ=切る」「グリッド=送電網」なので、電線と繋がっていない100%電気を自給する暮らし。
サトウチカさんは電力会社との契約を「オフ」して、太陽光パネル8枚で自宅の電力を100%自給する生活を送り、その暮らしを発信して話題となりました。
海外でグリッドとは、送電網だけではなくガスや水道などのインフラ、食物の流通や教育システムなど、社会に張り巡らされた網目全般をを表します。
『オフ』グリッドの意味も幅広くなり、様々な社会的システムから離れること、つまり自給自足や、薪や湧き水を使った生活、仕事や学生生活から離れてキャンピングカーで旅をするバンライフも「オフグリッドな暮らし」と呼ぶそうです。
今回は電力をオフグリッドする生活を知ることで、私たちが今まで当たり前のように所属している様々なグリッドを見直して、新たな価値観が生まれるかも知れません。
現在は淡路島に移住し、ポータブル電源とソーラーパネルで一部の電力を自給しながら暮らす「プチオフグリッド」を続けるチカさん。
案内して頂いた淡路島のご自宅は、築30年という落ち着いた外観にオリーブの木と淡路島の日差しが映える一軒家。リフォームしたばかりというお部屋は、必要な家具と家電だけが並ぶ、シンプルでミニマムな空間でした。
太陽光で沸かしたというお湯でいれていただいた珈琲を頂きながら、まずはオフグリッドを始めたきっかけをおききしました。
(余談:この出していただいた珈琲の美味しかったこと!湧き水を汲み、ソーラークッカーで沸かしたお湯で淹れた珈琲は、喉ごしまろやかで熱いのになぜが直ぐに飲めるという不思議な感覚。冬は芯から温まるとか)
「10年前の震災ですね。電車が止まり都内から横浜の自宅まで4時間歩いて帰りました。まっ暗な街を初めて歩いて、マンションに着いても自動ドアも開かず、その後は計画停電などもあり、電気に対しての価値観ががらりと変わりました。
電気について調べていくうちに『オフグリッド』という言葉に出会い、まずはマンションでアンペアを下げて節電を始め、1日3kWhで暮らせるようになりました。一般家庭の平均は1日12kWhですから、4分の1の電力です。そこから更に電力を自給できないかなと思い、家を探し始めました。」
震災当初は社会の雰囲気もあって、電気や電力会社に対してあまりいいイメージを持っていなかったというチカさんでしたが、オフグリッド生活を始めて思いが変わっていきます。
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