震災をきっかけに「オフグリッド」に興味を持ったサトウチカさん。電力を自給するための一軒家を探し、最初の計画では電力が不足したときの為のバックアップに電力会社から送電線を引く予定でしたが、自宅の敷地内に電柱を新設ことに疑問を持ち、思い切ってバックアップ電力無しでやってみる決意をします。
「家を建てて家庭菜園もやってみたいという夢がありました。それなのに近くの電柱からほんの少し遠いというだけでお庭に電柱が建つと知って、それならばと思い切った感じです。心配もありましたが、あの頃はやってみよう!という気持ちの方が強かったですね。」
100%電力自給のはじまりは、予期せぬ事からだったようです。
電力会社からの送電線を引かず、太陽光パネル8枚、バッテリー(蓄電池)、インバーター(変圧器)だけで始まった電力自給生活「オフグリッドな暮らし」がはじまりました。どんな生活だったのでしょうか。
「送電線を切って電力を自給する生活と話すと、爪に火を灯すような生活だと思われるかも知れませんが、私が大切にしているのは皆さんと同じ生活を楽しむこと。
都会型でみんなと同じように暮らすけれど、使う電気は自給するというコンセプトだったので、エアコンも掃除機もありましたし、洗濯機も乾燥機付きでした。無かったのはテレビと電子レンジくらいでしょうか。ソーラークッキングに出会う前だったので、プロパンガスも使っていました。」
「とにかくお日さまに合わせるのがポイントです。1日の中で見ると、晴れていて発電をしていたら、そのエネルギーでいかに家電を使って家事をするか考え、バッテリーに貯めた電力は日没後に使うので、夜更かしすればするほどバッテリーが減ってしまいます。自然と早く寝る生活でした。
おひさまのエネルギーリズムに自分が合わせるような感覚です。1日を縦でみてもそうですが、1週間という横の軸でみても同じ。晴れている日はおひさまと同じように自分自身もエネルギーを使って目一杯生産性を高める。その代わり、雨の日にはエネルギーが作れないので自分もエネルギーを控えめにして過ごします。
LEDライトやパソコン作業は小電力なので、雨の日は執筆などの仕事を進めておく感じでした。」
晴れの日はアクティブ、雨の日は家電も体力も省エネで過ごすおひさまに合わせる生活をすることで、体調だけでなく気持ちも晴れやかになっていったといいます。
「会社員時代はカラダも精神ももろくて、いつも泣きべそをかいてるような感じだったんです。それがオフグリッド生活だと自然に早寝早起き、晴耕雨読な生活になったので、自然のリズムと自分のリズムが合致して、体力もついてきました。性格も明るくなってきた気がしましたし、お肌もツルッと綺麗になりました。」
オフグリッド前の姿が想像できないくらい、今は背筋がピンとしていて笑顔が素敵なチカさん。太陽に合わせて暮らすオフグリッド生活には、そんなメリットがあるんだと感心しました。
WOLRDTRAILSは海外の…