皆様、こんにちは。
前回はほとんど自己紹介で終わってしまいましたが、今回はやっとこさ日本を発ちます。
【準備・出発編】と冠しまして、その様子を綴らせていただきます。
ネパールには雨季と乾季があり、登山に適しているのはもちろん天候の安定する乾季(11月~5月)。
よって僕は11月にネパールへ旅立つことを決めました。
11月初旬、旅立ちの準備をするため僕は一足先に燕山荘を去ります。
そして帰宅して感傷に浸る間もなく、
いきなり壁にぶち当たりました。
まずは持ち物を準備するにあたってインターネットで検索してみたところ、持ち物の参考となるサイトが見つからないのです。
(ツアーは沢山組まれていますが、個人で行く人はあまりいないようです。)
・日程は約2週間。
・11月が天気も安定して比較的暖かく登りやすい。
・アイゼン、ピッケルは不要。
という事は前回の記事に登場したネパール人から情報を得ていたのですが、これでは細かい持ち物が全く分かりません。これは困った。
途方に暮れて仕方なく、近所の本屋さんでエベレストトレッキングについて調べていると、
【地球の歩き方 ネパールとヒマラヤトレッキング】
思わず本棚の前で『完璧かよ。』と呟きましたね。割と大きめの声で。
やや興奮気味でレジに持って行ったので、お会計をしてくれた女性は少し引いていました。
これを読んで僕が準備した物は、
・下着とTシャツ×3
・トレッキングパンツ
・フリース上下
・防水透湿性のあるアウター上下
・ダウンジャケット
・冬季用ダウンシュラフ
あとはパスポートやカメラ、日焼け止めなどの細かいものだけです。
2週間もトレッキングをする割に、意外に少ないと思いましたか?
大丈夫です。なぜなら、
これはヒマラヤ山脈の4000m付近ですが、11月でも全く雪がありません。もはや砂漠。
ネパールはだいたい沖縄県と同じぐらいの緯度で、さらに内陸という地理条件のため非常に暖かく歩きやすい気候です。
また、道中の要所には必ず山小屋があるのでそちらを利用すればテントや食料も不要。
僕は今回、全日程で山小屋を利用したのでとても軽量な荷物で行動できました。
(それでも撮影機材のせいで20kgを超えてしまいましたが・・・)
ただ山小屋泊とはいえ、標高の高いところでは夜中の室温が氷点下になることもあります。
冬季用のシュラフが必要なのはそういう訳です。
もし、荷物が重い。という方は現地でポーター(荷物持ち)を雇えば安心です。(約3000円/日)
もし、海外の山は怖い。という方は現地でガイドを雇えばこれまた安心です。(約3000円/日)
ほとんどの方がポーターとガイドの両方を雇って悠々自適にトレッキングを楽しんでいました。
かたや一人で歩いている僕は変態扱いされる始末。
それくらいこのエベレスト街道は一般の登山客が歩きやすいように整備されています。
あくまでもベースキャンプまでは、ですが。
ベースキャンプより先は映画に出てくるような本格的な登山ルートで、そして何よりも入山料が100万円。
もちろん僕には無理なので(特にお金が)、今回はベースキャンプまでを目標にしています。
さあ、荷物も整ったところでいよいよ出発です。
大阪→タイ→カトマンズ→ルクラ
の順に飛行機を乗り継ぎ、エベレスト街道の起点となる街・ルクラを目指します。
航空券は複数社の比較サイトを利用し、往復でトータル14万円也。
(僕は出発の1週間前に購入したので、早めに予約すればもっと安いはずです。)
大阪・関西国際空港から飛行機に乗りましたが、現在、日本からネパールへの直行便は運航していないので、タイ・シンガポール・中国のいずれかでトランジットが必要となります。
タイを経由しつつ、ネパールの首都・カトマンズのトリブヴァン空港に着きましたが、到着早々再び壁にぶち当たります。それは言葉の壁です。
なんと僕、英語は小学生に鼻で笑われるレベル。しかも海外旅行が初めて。
入国審査では英語で色々と質問されましたが、本気で何を言っているのかわかりません。これは困った。
結果的には入国審査官の方が優しかったので、愛想笑いしながら適当に『Yeah.』とか言っていたら通過できましたが、最低限の英語力は必要だなと痛感しました。
ここからさらに国内線を乗り継ぎ、ルクラを目指すのですが、搭乗は翌朝でしたので空港の近くで宿を取って寝ることに。
宿でエベレストビールという 胡散臭い お酒を頂きましたが、薄すぎてほぼ水でした。
ちなみに、空港や街のいたるところでスマートフォン用のSIMカードが販売されているので、そちらを購入すればインターネットは使えます。
(データ量20GBで3000円くらいです。)
翌朝、日もまだ上がりきらない頃に空港に向かうと、すでにトレッキングツアーの先客で賑わっていました。
Google翻訳を頼りにチケットを発行してもらい、ルクラ行き、定員20名くらいの小さな飛行機へと乗り込みます。
どうでもいいのですが、操縦席が丸出しでテンションが上がります。
そんなメカニカルな操縦席に釘付けになっていると、後ろの席から歓声が上がりました。
なんだなんだ。と窓の外を見てみると、
広大なヒマラヤ山脈が ようこそ と言わんばかりに顔をのぞかせていました。
『今からあそこを歩くのか』という高揚感と少しの不安を覚えて、間もなく飛行機はルクラへと到着します。
慣れない飛行機の連続をこなし、この時点で謎の達成感でしたが、次回からようやくトレッキングスタートです。