「無人島に3つだけ持っていくなら?」
巷でよく耳にする質問を、サバイバル生活のプロである無人島研究家、無人島インストラクターのお二人に聞いてみました!
今回お話を伺ったのは、株式会社ジョブライブが運営する 「無人島プロジェクト」の代表 梶海斗さんと 無人島インストラクター 田中崇丈さんです。
● 無人島プロジェクト代表/無人島研究家 梶海斗さん
19歳の頃、無人島でキャンプを始めたのをキッカケに、13年間無人島でのキャンプ企画を開催し続ける。7年目からはそれが仕事に(笑)無人島は何もないからこそ、自分と向き合える。そうしていろいろな人が新たな一歩を踏み出す瞬間を見るのが好き。2020年3月、自身の無人島経験を詰め込んだ初の著書『無人島冒険図鑑』出版。
● 無人島インストラクター 田中崇丈さん
無類のアウトドア好きで、1年の半分以上は無人島で過ごしている。過去に自分自身が遭難/漂流してしまった経験から、野外救急、アウトドアノウハウを学び直した。最もアウトドアスキルに長けており、認定Certification(知識および技能の証明)Wilderness Medical Associates International認定、Wilderness Advanced First Aid(WAFA)およびILCOR準拠Adalt CPRの資格を取得。
早速気になる質問をしてみたところ、条件を決めてほしいとのこと。ふとした問答からも、経験値の高さが伺えます。
上記の条件と設定で、お話を伺っていきます。
※以下表記 梶海斗さん(以下梶)、田中崇丈さん(以下田中)、インタビュー:.HYAKKEI編集部 ちゅぼ(以下ちゅぼ)
早速ですが、無人島に3つだけ持っていけるとしたら、何を持って行きますか?
たった2週間ならナイフ1本あれば生きていける(笑)
漂流物もあるから何でも作れるしね!
そうだね!
アウトドアができる人ならナイフ1本で十分!
さすが!田中さんは、人間の能力を超越したサバイバル力をお持ちのようですね…!
では、もし漂流物もなかったら、持っていくものはありますか?
それなら、まず1つ目はテントかな。
無人島は虫に刺されやすいのもあって、自分の身を守る環境は大事だから。
でも、もし滞在が1ヶ月であれば、家を作る時間もたっぷりあるから、テントもいらないけどね!(笑)
俺はもう無人島の蚊に刺されすぎてもう慣れたから、寝床はどこでも良いかな(笑)
それはすごい(笑)
2つ目は鍋かな。
夏は雨が降らないからこそ、水の確保が重要。
海水を蒸留させて水を作るんだけど、それを貯める容器は自然界にはなかなかないんだよね。
無人島で生き抜くための知識ですね!!
3つ目は斧。
いかだや罠を作るには、ナイフだと時間がかかるし、のこぎりだと細かいものを作るのが難しいんだよね。
だから、両方の代用になる斧がちょうどいい。
サバイバルな環境下では、刃物は石を割って作るイメージがあるんですが、実際それって簡単なんですか?
川沿いなら硬い石があるから可能かな。
でも、海沿いの石は強度が弱いから、硬いナイフは作れないんだよね。
だから、無人島では厳しいかなぁ。
石の種類にまで詳しいなんて…!
無人島界ナンバーワンのインストラクターですから(笑)
では、次は梶さん。
一旦、漂流物ありという条件でお願いします。(笑)
1つ目は調味料。
マヨネーズが良いな!
マヨネーズ!俺もテントと迷った!
どうしてマヨネーズ!?(笑)
無人島って暇だから、せめて美味しいものを食べたいんだよね。
美味しい調味料に頼って2週間後の救助を待ちたい。
なるほど…!
サバイバルは日々を充実させるのも大事なんですね。
では、残りの2つは?
2つ目は釣り針かな。
釣り糸は無人島に落ちているもので作れるけど、針の返しはなかなか作れないので。
3つ目はナイフ。
田中さんは斧や鍋を選びましたが、それは不要ですか?
斧より時間はかかるけど、ナイフがあれば火起こしも出来るし、スプーンやフォークは作れる。
漂流物があれば鍋代わりにもなるし。
暇だから時間稼ぎにもなるし、何より三食美味しいものが食べたい。
選ぶものに、それぞれの価値観が表れますね(笑)
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