スープ、カレーとご紹介してきましたので、今回はパスタ!私たちは、乾物を「食べものから水分を少なくすることによって常温で長期保存が可能な食材」と定義しているので、パスタも実は乾物なのです。
なので今回は、乾物100%。鍋一つ、パスタの別茹でなしで二人分のパスタを作る技を伝授します。
重さを測ってみました。パスタの具は、スライス干し椎茸、切干大根、塩昆布、赤唐辛子、きんぴらごぼうミックスの合計で2人分32g。
さらに一人分80gのパスタを用意して、ビニール袋の重さを入れても合計で200g。
ところで、乾物はお店でどんな風に売られているか見たことがない方もいらっしゃるかもしれませんので、使いかけですが袋の写真を公開します。
切干大根、ひじき、などのように単品で売られている他、出来上がりの料理を想定して、例えばきんぴらごぼう用、煮物用、あるいはカレー用野菜などのミックス乾物も最近は多くの店に並んでいます。
例えば、きんぴらごぼうミックスは、ごぼうと人参が、皮をむき、千切りにされて袋に入っています。だからごぼうのアク抜きも不要。包丁入らず手間いらず。普段の食卓だけで使うのはモッタイナイ、アウトドアにぴったりの素材なのです。
さらに言えば、きんぴらごぼうミックスと書いてあっても、きんぴらごぼうを作らなければいけないわけではもちろんありません。
そろそろパスタの作り方の説明に入りましょう。
こうして作ることで、乾物が水(湯)の中で戻され、旨味が引き出されます。その旨味をパスタは吸いながら茹であがっていくのです。
イタリア風のパスタを想定すると「ん?」と思うかもしれませんが、これはこれで滋味深い味でなかなかのもの。好みで醤油をかけてもいいし、脂が欲しい場合はベーコンを始めに鍋で炒めてから同様のプロセスで作れば、若い人向けにもなります。
ショートパスタを使うのは、スパゲッティなどに比べて、多少柔らかく茹で上がっても「アルデンテではない」などにこだわらずに食べることができること、長さがあって折らなければ鍋に入らないなどの面倒もないことが理由です。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、油を使っていないので片付けもラク、そして低カロリー。さまざまな具材入りで栄養的にも一皿でバッチリ。さらに、この方法だと水を一滴も無駄にしないで済むのです。
一般的な方法でパスタを茹でようとすると、塩気を含んだ大量の水をパスタを茹でるためだけに使うことになります。水を多く調達しなければならないだけでなく、アウトドアだとその処分にも困るところです。
アウトドアが好きな人には、未来に向けて自然や環境を保全したいと考えている人が多いと思います。アウトドアでの料理作りに乾物をうまく活用することで、持ち運びの手軽さだけでなく、ゴミを残さない、水を節約するなど、環境を汚さないことにもつながります。
乾物100%パスタは、もちろんこの組み合わせでなくても美味しく作れます。海のものと里のものを組み合わせることで、味に深みが出るのです。
今回はきんぴらごぼうミックスを使いましたが、そんなお手軽なミックス乾物セットも、新たな目で見直してみると、アウトドアでの料理作りにあれこれ活かせる優れもの。一度、スーパーの乾物売り場や乾物屋さんを覗いてみてはいかがでしょうか。