アウトドア道具の進化は止まりません。
登山シーンにもデジタル化の波が押し寄せている昨今。トップクライマーは道具に対して、どんな感覚を持っているのか。山梨県北杜市にあるアットホームなカフェ「DILL」にて、日本を代表する登山家である花谷泰広さんに、お話をうかがいました。
花谷さんの特筆すべきところは、ピオレドール賞(*登山界のアカデミー賞にたとえられる)を受賞するほどの登山家として数々の実績を残されていると同時に、ガイドとしてのお仕事も両立されていること。日本では、現役の登山家から直接ガイディングをしてもらう機会がなかなかない中で、花谷さんは精力的にガイド業もやられていらっしゃいます。
春山:登山家でもあり、ガイドでもある花谷さんにまずお聞きしたいのは、道具に対する考え方です。登山家として、ガイドとして、それぞれで道具を使い分けたりすることはありますか?
花谷:基本的に道具を使い分けることはないです。実際の登山で使っている道具を自分のクライミングでも使うし、ガイディングでも使っています。道具を使い分けるのは、行くフィールドや環境によってですね。
春山:信頼のおける道具に関しては、どんな感覚をお持ちですか?
花谷:もう「身体の一部」という感じですね。
春山:イチローさんと同じ感覚なんですね。あるドキュメンタリー番組で、イチローさんがバットに関して抱いていらっしゃる感覚が印象的でした。「バットは身体の一部なので、他人のバットを触ることはしないし、自分のバットを他人にもたせることもしない」。登山家を含めプロアスリートの多くが、イチローさんと同じ感覚を持っていらっしゃると感じています。そこには、身体の一部になるまで道具を貪欲に使いこなす姿勢があります。
花谷さんにとって、「いい道具」とはどんな道具ですか?
花谷:自分にとっていい道具っていうのは、自分の身体や動きにフィットするものです。言語化しにくいのですが、初めてその道具を見て、身につけた時のファーストインプレッションが、結構正しかったりします。「コレ!コレが欲しかったんだよ」みたいにしっくりくるのと、しっくりこないのは、はっきりわかりますね。また、手にして、直感で「いいな!」と感じた道具は、実際にフィールドで使っているときも、その印象が変わることはほとんどありません。
春山:花谷さんはカシオ「PRO TREK」のアンバサダーとして、実際にPRO TREKを身につけて数多くの登山遠征にも行かれていますよね。その意味でPRO TREKは花谷さんの身体の一部になっている道具だと思うのですが、PRO TREKを信頼している点はどこにありますか?
花谷:PRO TREKの最も優れているところは「壊れない」ことです。ぼくの場合、登山道具に求めるものは、まず「丈夫かどうか」です。PRO TREKを愛用していて、壊れたことはまだ一度もありません。その意味で全幅の信頼を置いています。あと、道具を選ぶ上で、デザインもすごく大事。やっぱり自分が気に入らないものは持ち歩きたくないですからね(笑)。PRO TREKはタフで、デザインも美しい。なので、ずっと使っています。
春山:そんなPRO TREKを作ったカシオから今年3月に、アウトドアに特化したスマートウォッチ「WSD-F10」が発売されました。国内の時計メーカーが初めて開発したスマートウォッチで、しかもアウトドア向けにつくられています。これまでPRO TREKを作り続けてきたカシオの心意気が感じられるスマートウォッチに仕上がっています。
春山:実際に「WSD-F10」をフィールドで使ってみて、どのような印象をお持ちですか?
花谷:スマートウォッチ自体、身につけるのが初めての経験だったので、最初は“お試し”程度にWSD-F10を使っていました。さすがカシオの製品だけはありますね、今ではWSD-F10をメインに山に登ることが多くなっています。
WSD-F10で重宝しているのは、現在位置を確認できる点です。山行中、紙の地図を広げたり、スマホを取り出すことなく、時計の時刻を確かめるのと同じ感覚で、自分の位置をサッと確認できる。これはWSD-F10とYAMAPが連携することで体験できる初めての価値です。圧倒的に便利ですね。
春山:「アナログがいい」とか「デジタルがいい」とかという議論をときおり見聞きするのですが、私としては、どちらでもいいので、自分に合う道具をしっかり使いこなして、安全に楽しく山登りができればいいと感じています。
アラスカでのアザラシ漁の話ですが、現地のイヌイットと漁に出かけた時、例えば「この鳥が大群で南から来るときは天気が荒れるから漁に行かないほうがいい」だとか、「こんな雲の形のときはいずれ天気が良くなるから漁に行こう」という、伝統的な知恵を使いこなす一方、最新のGPS機器を使いこなしていたんです。「どんなに海が荒れて、霧で真っ白になってどこにいるかわからなくなったとしても、GPSがあれば、宇宙の視点で自分の位置がわかる。こんな便利な道具、使わない手はない」と。
漁は命がけの営み。であれば、伝統的な知恵がいいとか最新のGPSがいいとか、そういう狭い分別を超えて、「使えるものはなんでも使ってちゃんと家へ帰ろう」という感覚は道具に対する考えとしてとても健全ですよね。
花谷:私も、そのイヌイットの方と同じ価値観、同じ考え方ですね。あるものは使ったほうがいい(笑)。
春山:私自身GPSがあることで命を救われた経験があったので、スマホが世に出たとき衝撃を受けました。スマホは通信と位置情報が結びついた初めての道具。これは単なる便利な道具ではなくて、命を守る道具になり得ると確信しました。
花谷:学生の頃、GPSを使っていなかったのは、単に買うお金がなかったから(笑)。でも、今は、高価なGPS機器を買わなくてもスマホにGPSが内蔵されていて、山でも現在位置がわかるYAMAPのようなアプリがある。活用しない手はないですよね。
花谷:一線で活躍している登山家の多くは、イヌイットの方と同じように、道具に対して柔軟な姿勢を持っていると思いますよ。だって、漁も登山も命がけの営みですから。登山に役立ち、命を守るものであれば、何でも使いたい。
春山:WSD-F10を使うときはガイドされるときが多いですか。
花谷:ガイド登山という特性上、結果としてWSD-F10を多く使っていますね。お客さんに「今、どこにいるか」を説明するときなんか、WSD-F10でパッとお見せできますしね。
春山:YAMAP以外で、他にどんなアプリを使っていますか。
花谷:カシオ純正アプリ「TOOL」も重宝しています。コンパス、高度、気圧、日の出日の入り、活動グラフが、ボタンを押すだけで表示され、直感的にわかるのがいいですね。
花谷:11月にカシオ純正アプリ「MOMENT LINK」がリリースされましたよね。WSD-F10を使って、トランシーバーみたいに情報の交換ができるだけでなく、お互いの場所がどこにいるかわかる。デジタルの世界って「あったらいいな」がスピード感をもって形になるのが、いいですね。
花谷:WSD-F10がいいのは、ソフトがどんどんアップデートされて、最新のアプリや機能が取り込めることです。一般の時計は買ったその時が最新で、その後は古くなっていくだけですが、WSD-F10は手に入れた後も、どんどん進化していく。この点も今までの時計にはなかった凄さです。
春山:スマートウォッチが普及しはじめて、まだ3,4年。そんな中で、G-SHOCKやPRO TREKを手がけてきたカシオがアウトドア用のスマートウォッチを出したっていうのは、カシオ の矜持みたいなものを感じます。
花谷:WSD-F10はアウトドア用スマートウォッチの定番としてこれから飛躍的に進化していくでしょうね。登山の新たな価値や楽しみを広げる道具にもなると思うので、WSD-F10の今とこれからが非常に楽しみです。
ーーー
いかがでしたでしょうか。
花谷さんのおっしゃる通り、アウトドア道具は私たちにとって身体の一部。そんなアウトドア道具もテクノロジーの進化によって私たちのアウトドアライフはより豊かに、安全にしてくれるはずです。
CASIOのスマートアウトドアウォッチ WSD-F10もそのひとつ。この最先端の体験を、ぜひ肌で感じてみてください。
===link@カシオ・スマートアウトドアウォッチ「WSD-F10」の公式ホームページはこちら@http://api.triver.jp/adlogue/api/click/?mid=3LfqZ&cid=PXgM===
*花谷泰広さんの公式HP:http://first-ascent.net
*「DILL」公式HP:http://dilleatlife.com/access