10月。まだかまだかと紅葉を待ち焦がれる秋口。
奥多摩湖畔公園にある「山のふるさと村」で、自然とアートを融合させたキャンプ、「自然とつながるアートキャンプ2016」に行ってまいりました。
場所は奥多摩。東京都でも自然がたくさんある場所。ここの湖畔にほど近いキャンプ場、山のふるさと村で今回のキャンプイベントは行われます。
大自然を感じ、リラックス。そして次の日には大自然の中真っ白なキャンバスに筆を入れる。
これまでに体験したことがないキャンプ体験でしたよ。
1泊2日、自然を多いに楽しむ仲間たち。緊張をしているとリラックスして自然を楽しむことができません、まずはお互いの緊張をほぐすために自己紹介から。
驚くことに「キャンプは子どものころに少々嗜む程度で・・・」という方がほとんど。そんな方々を自然に引きずり込んだこのイベント、凄まじいです。
そのまま、ファイアーサークルでセッション。
目を閉じ、自然を受け入れるよう身体と頭を整えます。
一旦、仕事や普段の生活を忘れ、木々のささやきや動物・鳥の声に耳を傾けます。
瞑想で身体と頭をリセットしたあとは、2時間に及ぶ自然の散策です。
ここでひとつ注意が。「意識して自然を楽しもうとしないこと」。
自然を楽しもう!自然を感じよう!と頭で考えちゃうと五感が鈍り、純粋に自然を感じたことにならないんだそう。たしかにそうだ。
また、ゆっくりと歩くことも大切だそう。
ちょっと道から外れたところには、沢が。何も考えず、しばらくここでのんびりしちゃいました。
キャンプには年に10回ほど行くのですが、料理を作ったり片付けたりと何かと慌ただしい。そしていつも仕事のことで頭が一杯だったのですが、今回は久々に何もかも忘れられたような気がしました。
これは本当に貴重な体験でしたよ。
それぞれ2時間のんびり過ごした後はBBQとファイアートークです。
なれない手つきながら積極的に肉を焼きにいく人、振る舞う人と過ごし方は人それぞれ。
テーブルは2つに分かれていたのですが、たくさんの肉を焼かなければ行けない焼台と、少人数に焼肉を提供するだけでOKな焼台で、それぞれ肉に対する思い、情熱の違いが見れて面白かったです(笑)
BBQでお腹がいっぱいになったところで、ファイアートークへ。
昼間自然の中を散策して思ったことを一人ひとり語ります。今日会ったばかりの人の前で自分が思ったことを話す。とても勇気がいることですが「絶対に人の意見を否定しない」というルールの元、それぞれ話しをしました。
この「否定をしない」ということですが、意識しないと難しいですし、日常の会話、仕事でも常に「でも」とか「それは違うんじゃない?」などと否定されがちです。
でも、この場では否定されません。「なにか言われちゃうかな?」とか「この考えって違うかも?」なんて心配は必要ありません。自分が感じたまま話して良いのです。
「否定されない安心感」や「意見に間違いも正解も無い」ということをできるだけ子どものころから教えるって大事だなと思います。子どものころってすべて自分が正解だと思っているハズなのに、大人になるにつれて「自分は間違っているんじゃないか?」と思いがちなので。
ファイアートークでは、ロックバンド「MOTHERMAN」のベース・ボーカル秋山さんがアコギ片手に歌を披露。感情が入った秋山さんの歌声に、みなさん聞き惚れていました。
薪で暖をとり、歌声を聴きながらお話をする。皆初対面とは思えないほど笑顔で、楽しい最高に贅沢な夜を過ごしました。
朝です。ここのところ雨続きだったのですが、見事に晴れました。
テントで寝たので、どうしても身体が凝り固まってしまいます。それをヨガで解消。
運動不足&身体が硬すぎてまともにできなかったけど、良い経験でした。またやりたいな。
奥多摩の湖畔を背景に、いよいよ自然とアートの融合のときです。
「アート」というと、なにやら敷居が高いような気がするのですが、そうではないんですね。
一枚の絵を描いて終わり。なのではなく、描く過程も動画で撮りその過程を作品と位置づけ。
上手い人たちが描いたのを完成とするのではなく、我々素人が思いのままに描いたのもOKですし、ふらっと通りかかった子どもたちが描いても正解。
それは「我々だけではこの絵にならなかったから。みんなが参加してくれたからこそ、この絵が出来た」という考え方。究極の受け入れ体制です。
このようなスタイルになったキッカケは、以前公園のオブジェクトのサイを描いていたところ、子どもたちが寄ってきて好きに描かせてみた。すると、サイの原型を留めないように真っ黒に塗りつぶしたり、いろんな色を使ってみたりと「自分たちがまったく想定していなかった作品が出来上がった」とのこと。
以後、「すべて正解」の気持ちで作品を作っているそう。
と話していたら、子どもたち絵を描きに来ました。いいね。
お母さんに色を指示されている子もいましたが、「どんな色を塗っても良いんだよ〜」とフォロー。せっかくの感性を伸ばす機会。応援してあげたい。
と思いつつ、普段自分は子どもに同じ気持ちでして上げられているかな?と我に返る。
いろんな気付きを得つつも、一旦完成!!!!
たくさんのパレットが残り、なにひとつ同じ色のものはありません。それぞれが感じたままの色を使った結果です。
WCPの安斎さんはこう言います。
「汚い色なんか、ひとつも無い。すべての色に意味があるし、ぜんぶ正解」
奥多摩のキャンプ場で感じた表現の自由。自然に身を任せることの大事さ。
普段ぼくたちは自分に対しても人に対しても無理を言っているように感じます。そうでもしないと社会が回らない。上手くいかないって思い込んでいるのかも。
自然をありのままに感じ表現する。それらはすべて正解。
忘れていた人間本来の気持ちを感じられたような気がします。
このようなステキなキャンプイベントを企画してくれたホワイトキューブプロジェクトのみなさん、ツナギュレーターのみなさんの次の企画が楽しみです。