登山やキャンプをしたら、その前後に何をしますか?
行ったとしても温泉程度でそのまま帰ってしまう方も多いのでは?
せっかくその地方に足を運んだのなら、
もう1泊などしてアウトドアを起点にそのエリアを楽しんでみる。そんな『ステイ&アウトドア』な楽しみ方。
静岡県の川根本町(かわねほんちょう)。
この川根本町、あまりメジャーな町ではありませんが、実はアウトドアも楽しみつつ文化に触れられる魅力的な町なのです!
お話を伺ったのは左から一般社団法人エコティかわね事務局長 神東さん、川根本町まちづくり観光協会 大村さん、川根本町役場 商工観光課 観光室室長 大村さんです。
川根本町は面積が約497㎢と非常に広く、かつ94%が山林。そして真ん中には大井川が流れ、2014年にはユネスコエコパークの登録地域にも認定されるなど自然豊かな地です。
川根本町に訪れる方の多くは日帰りの方が多いそうですが、こんな豊かな地を楽しもうとしたら日帰りでは時間が足りません。
そこで今回編集部は、この川根本町を『宿泊して満喫するプラン』を考えてみました。
まず、川根本町が誇る山、大札山(おおふだやま)。標高は1,374メートルの低山ながら登山好きが足を運ぶ人気スポット。
登山口から一歩入ると深い森林。けれども登山道は緩やかで整備がされているので、初心者でも安心して登ることができます。
アカヤシオやシロヤシオが有名で、生息する木々の樹齢の観点でも非常に貴重な大札山。今回その中でも編集部が感銘を受けたのはヒメシャラの木。
他とは一線を画す佇まい。このヒメシャラは樹皮がツルツルしており触ると驚くくらい冷んやりしています。手で触れるだけでトレッキングの疲れを癒してくれる存在です。
登ること40分程度で山頂に到着。大札山は南アルプス最南端ということで、山頂からは富士山をはじめたくさんの山を見ることができる抜群の眺望。この日はあいにくの天気でしたが、それでも身も心も癒されます。
山頂からは先に続く尾根を辿ることもできるので、本格的な登山や1泊と言わず2泊3泊で川根本町を楽しみたい方にもオススメですよ。
アウトドア好きであれば、旅のベース基地はキャンプ場でしょう。川根本町には6つのキャンプ場がありそれぞれ特徴があるのですが、今回は古いキャンプ場をリノベーションし川根本町に新しい風を吹かせる不動の滝自然広場オートキャンプ場へ。
文字通り、不動の滝へと通じる道に位置する不動の滝自然広場オートキャンプ場。滝から続く川が場内に流れ、川や森の音を聞きながらゆったりとくつろぐことができます。
不動の滝はキャンプ場をそのまま突っ切り数分歩いたところにあり、荘厳な雰囲気漂う鳥居を越えるとすぐそこに。マイナスイオンが登山で疲れた体を癒しれてくれます。
滝から戻ると西尾さんが地元静岡のコーヒーロースターのコーヒーを淹れてくれました。管理棟もどこかの雑貨屋を彷彿させ、新鋭のキャンプ場らしい雰囲気です。
このキャンプ場はとにかく設備が充実。もともとくたびれてしまっていた設備を整備し、原型を残し活かしながら今の形になったそうです。
そして驚いたのが夜にオープンするBAR!西尾さんとアウトドアトークをしながら、まったりと野外でお酒をいただくのを楽しみに来てみるのも良いかもしれませんよ。ただし、あまりにまったりし過ぎて近所の温泉の営業時間を忘れてしまわないようにご注意を。
設備だけでなく、ご飯も充実。
自分たちで調達してキャンプ飯を作るのももちろん良いですが、地元食材を用いたSLOW BBQを提供してくれます。
1日目はこうしてキャンプ場で自然を感じながらお酒を飲み、ゆったりと過ごして疲れをとりましょう。
もし当日の天気が良ければ、三ツ星天文台へ足を運ぶのもおすすめ。北岳が日本で2番目に高い山ということを登山好き以外は知らないように、川根本町もその澄んだ星空が2位に選ばれていることはほとんどの方が知らないでしょう。けれども、その景色は圧巻!吸い込まれるような星空を是非体験してみてください。
天文台の隣には宿泊施設もあります。
1日目にアウトドアを楽しんだら、2日目はより川根本町自体を楽しむのはいかがでしょうか?大自然の中に里がある川根本町。自然と人が織りなして出来上がった文化や生活を肌で感じましょう。
ここからは川根本町のお三方おすすめのスポットをご紹介します。
川根本町には日本のみならず世界に誇るスポットがあります。それが寸又峡の『夢の吊橋』。なんとトリップアドバイザーが選ぶ「死ぬまでには渡りたい世界の徒歩吊り橋10」に選ばれているのです。川根本町は吊り橋が多い町ですが、中でもこの『夢の吊橋』は吊り橋下に広がるエメラルドグリーンの水面と山とのコントラストが見事で、連日観光客で賑わっています。
神東さん「当初はトリップアドバイザーに選ばれたことなんて私たちも知りませんでした。こちらから何か動いたわけではなく、本当に口コミだけで広がっていったんだと思います。若い方やカップルの方々に人気ですよ」
川根本町は日本で唯一のアプト式鉄道が走り、SL(蒸気機関車)、そしてリアルトーマスまでが町を走る鉄道の町。アプト式鉄道は山岳鉄道ならではの日本で唯一の鉄道であり、途中、長島ダムによる湖上駅もあり、美しい自然の中を駆け抜け他では味わえない体験ができます。
子ども達に大人気のトーマス。アジアで初となるリアルトーマスに乗る体験はファミリーにはぴったり。
大村さん「川根本町には日本で唯一や、No.1のスポットが多くあります。老若男女楽しめるはずですので、登山やキャンプをして終わり、ではなくぜひ多くの方に町全体を楽しんで欲しいです」
静岡県といえばお茶。川根本町の川根茶は全国茶品評会で幾度となく優勝をおさめている日本を代表するブランド。豊かな自然と長年の人の営みが生んだ賜物ですね。旅の終わりにお茶を飲んでほっこりするのはいかがでしょうか?
大村さん「川根茶をメインで求めて来られる方は多くはありませんが、茶縁喫茶や特産品販売所もあるので是非旅の合間に立ち寄って欲しいですね。自然を楽しむのと合わせて、川根本町で暮らす方々とも交流してもらって、よりこの町を知ってもらえたら幸いです」
日本は豊かな自然に覆われた国。
その自然を満喫するのはもちろん、そのエリアで育まれた文化や生活を知ることでもっと日本が好きになるかもしれません。アウトドアを楽しみながら、そのエリアにステイし深く知る。
川根本町もそんなエリアのひとつ。
エコティかわねでは、豊かな自然を体験できるプログラムをたくさん用意しているので是非チェックしてください。