ノルウェーや北欧のアウトドアと聞いて皆さん何を思い浮かべるでしょうか?
恐らくパッと何か出てくる人は少ないと思います。僕はフィヨルドがあるくらいのことしか知りませんでした。
そこで試しにGoogleで「ノルウェー アウトドア」と検索してみました。
すると上位に出てくるのは、アウトドアブランドの情報がほとんど。もちろんそこからノルウェーのアウトドアがどんな感じであるのかということを知ることができますし、ノルウェーには美しいフィヨルドと美しい山々がありアウトドアにもってこいの環境である、というざっくりしたことは知ることができます。
僕がノルウェーのオスロに来て、約2ヶ月が経ちました。その中で実際に感じたことやノルウェー人から聞いたことを踏まえ、Googleで検索して調べるのには難しいノルウェーのアウトドアシーンのベースについてお伝えしたいと思います。
ノルウェーと日本と異なる大きな違い、それは“日照時間”です。日本では基本的に年間を通して太陽が出ている時間と沈んでいる時間がほぼ半々ですよね。ですがノルウェーでは季節によって日照時間に大きな差が生じます。
例えば、7月には午前4時に上った太陽が、夜中の11時まで沈みません。いわゆる白夜です。逆に冬になると朝9時ごろに上った太陽が昼の3時ごろに沈みます。このことから日照時間が長いノルウェーで夏と言われている6,7,8月にノルウェー人は盛んに外に出ることを楽しみます。
冬が近づいてくると外でのアクティビティを楽しみたくても暗くなるのが早くて、どんどん難しくなっていくので、『この夏の3ヶ月に思いっきり自然と楽しいことをしよう』というのがノルウェーでのスタンスです。
スポーツ量販店の品ぞろえを見ても日本との違いを感じます。
日本ではサッカーや野球などのスポーツ売り場が大きいですが、ノルウェーではトレッキング、キャンプ、サイクリングなどのアウトドア売り場が圧倒的に大きいです。これは、コアなアウトドアユーザーだけではなく、ライトな一般層にも自然と遊ぶことの楽しさが浸透しているからではないでしょうか。
そこで、実際に現地の一般人(女性)に多くのノルウェー人がアウトドアを好きな理由を聞いてみました。ノルウェー人にとって自然と遊ぶことがナチュラルである理由は、以下の通り大きく分けて3点あるそうです。
屋内での遊びよりも、幼稚園外で山歩きやスポーツなどをしたりする時間が多いそうです。
7月になると多くのノルウェー人は2週間~1ヶ月のサマーホリデーを取得します。学校は夏休みになります。その期間中に多くの人は、オスロを離れサマーハウスやキャビン(日本でいう別荘)に行き家族や友人と滞在します。それはキャンプや山登り、カヤックなど自然のアクティビティを楽しむ時間であり、家族と一緒に過ごす大事な時間です。滞在するサマーハウスやキャビンも親世代から代々受け継がれてきたものが多いらしく、また次の世代に伝えられていくそうです。
ノルウェーの首都オスロでは自転車で1時間以内のところでキャンプ、トレイルラン、カヤック、セーリングなど多くのジャンルのアウトドアを楽しむことができます。わざわざアウトドアに行くという感覚よりも、気軽にリフレッシュしに行くくらいの感覚に近いかもしれません。
これらのことから、多くのノルウェー人は自然と遊ぶことが自分たちにポジティブな感情を生み出すということを既に知っているのです。思えば、僕自身も親の影響を受けて自然が好きになりました。
ノルウェーの有名なことわざを教えてもらいました。
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ノルウェーは夏でも急に雨が降ることも多く、天候がよく変わります。でもそのことを天候を理由にするのではなくて、あなたの着ている服がその天候に合ってないだけだろ?というニュアンスです。
つまり、天気・自然はコントロール出来る物ではないので、雨が降ればレインジャケットを着てそれを受け入れれば良いだけの話だということです。
自然をコントロールしようとするのではなく、自分をコントロールして自然と上手くやっていく。
人間が忘れかけている感覚のような気がします。
日本ではよく天変地異でも起きたかのような大げさなスタンスで、夏に暑いとか冬に寒いという話題のニュースを報道していますが、もしかしたらそれはノルウェー人には奇妙な光景に映るかもしれませんね。夏が暑いのと冬が寒いのは当たり前ですから。笑
今年の夏は、ノルウェー流の「短い夏を思い切り楽しむ」「自然を受け入れ楽しむ」というスタンスを取り入れて、アウトドアに飛び出してみませんか?