野外活動の飯ごう炊爨で「炊けたらひっくり返して蒸らす」と習った方も多いのでは?さて、ひっくり返すのとひっくり返さないのとではご飯の仕上がりに違いが出るのでしょうか。実験してみました。
「実践的魅力」をお伝えする前に、飯ごう炊爨のみんなの疑問、炊き上がって蒸らす時に、飯ごうをひっくり返すのが良いのか?ひっくり返さないのが良いのか?
「蒸らす時間を利用して底に付いたススをきれいにするのにひっくり返したのが始まり」であるとか、「焦げた時ひっくり返して蒸らすと焦げがとれやすい」であるとか諸説ありますが、今回は「ご飯の炊き上がり」という点から検証してみたいと思います。
飯ごうで炊いた時、飯ごうの上部のほうがふっくら炊け、下部へいくにつれて硬い感めに仕上がることが多いということを踏まえて、、、
ひっくり返さない・・・いつもはひっくり返さないのでこれが基準になります。
ひっくり返す・・・ご飯の硬さのムラが無くなるのではないかと期待。
公平な結果が得られるように、同じメーカーの飯ごうを使い、火力は固形燃料2個。角シチリンの左右で実験です。
お米の量は3合、水600cc、浸水時間は30分、内蓋は外してあります。
風の影響も最小限にするために、ダンボールで風除けをDIYしました。
固形燃料に火をつけて消えるまで待ちます。約23分で消えました。
そして、片方はひっくり返し、もう片方はそのままで蒸らします。今回は内側に新聞紙を入れた風呂敷に包んで15分蒸らしました。
蓋をとってみましょう!
ひっくり返した方は、蓋にご飯がついていたりしています(右)。
見た目はひっくり返さない方がおいしそうに見えますね(左)。
食べてみましょう!
左側がひっくり返さなかった方で、右側がひっくり返した方です。
それぞれ飯ごうの上部、中部、下部のご飯をよそって試食しました。
おにぎりにしても試食。
黒のお皿がひっくり返した方、白のお皿がひっくり返さなかった方です。
それぞれのおにぎりの形、△が飯ごう上部 ○が飯ごう中部 □が飯ごう下部それぞれ食べ比べてみました。
「ひっくり返さなくても良い」
炊き上がりの見た目は断然、ひっくり返さない方が良い見栄えです。
炊き上がったご飯の仕上がり関しては「微妙な違い」でひっくり返さない方が良い結果でした。
その「微妙な違い」を書かせていただくと、ひっくり返した方が、ひっくり返さない方と比べて、、、
・上部→ミズっぽく感じる場所があった。
・下部→少し硬いところが多く感じた。
と、予想と反して硬さのムラが増える結果になりました。
※今回の実験を通じての私個人の感想です。
今回は「ご飯の炊き上がり」という点から、ひっくり返すかひっくり返さないかの検証をしてみました。
結果に「微妙な違い」と表現させていただいているように、実際どちらもうまく炊けておりました。蒸らした後はご飯全体を混ぜるのが一般的で、上部・中部・下部と分けて食べる方はあまりいらっしゃらないと思われますし、この「微妙な違い」は無視できる範囲かもしれません。
しかし、ひっくり返すやり方は、フタが外れてせっかく炊けたご飯をぶっちゃけてしまうリスクも大きいと思います。実は私、昔に、ぶっちゃけたこともがあります(笑)。
ので、やはり、ひっくり返さないやり方をお勧めします!