「あそこのオーナーさんはいい人だよね!」
キャンパーが異口同音に言うキャンプ場が福島県のあぶくまキャンプランド。
オーナーの新堂さんにキャンプ場が、常連キャンパーに好かれる秘密を聞いてきました。
ーー新堂さん、宜しくお願い致します!早速ですが、キャンプ場を始めたのはいつですか?
今年で23年目になりますので、1993年からですね。よく続いたなーと自分でも思います(笑)なかなか場所が決まらなかったのですが、たまたまここを通り過ぎた時に「良い傾斜だなー」なんて思ったのを覚えてます。当時は藪でしたけど、雑木も良い雰囲気で奥には川もあって、ここに決めました。
「福島じゃ絶対成功しないよ」なんて言われることもありましたけど、他のキャンプ場のオーナーさんに勉強させてもらったり、お客様と一緒になって成長させてもらったり、なんとかここまでやってこれました。
ーー最近のキャンプブームは感じますか?
うちは震災の影響もあるので何ともいえませんけど、去年の後半辺りからキャンパーが増えたなという印象です。
今年になって福島県ナンバーもだいぶ増えてきたので、ブームというよりかは、もちろんまだまだ大変な思いをされている方もいらっしゃいますが、福島県の皆様もようやくレジャーが楽しめるようになりつつあるのかなっと思います。
震災があった時はお客様が来なくて「もうやめようかな」と思ったことも何度もありましたよ。
それでも、先日ここで一緒にイベントをやってくれた、山梨県の黒坂オートキャンプ場の管理人の角田さんが「新堂さん、キャンプ場が笑顔になるとキャンパーさんも元気になるんですよ。だから、やめないでくださいね」って言ってくださったんです。
この言葉に「あ、初心を忘れてしまっていたな」と反省をして、また、たくさんのキャンパーさんに支えて頂いて、続けてくることができました。本当に感謝しています。
ーー素敵なつながりですね。あぶくまキャンプランドは常連キャンパーさんがすごく多い印象ですが、何か特別やっていることはありますか?
うーん。うちはそんなに大きいキャンプ場じゃないからでしょうかね。
あえてキャンパーと接点が増えるように受付時にファイルとかをお渡しして、帰りにもちゃんとキャンパーさんと触れることができるようにしています。
気がついたらキャンパーさんがみんな帰っちゃってたなんて寂しいですからね。やはり来てくださった時には「わざわざ来て頂いてありがとう」と言いたいですし、最後には「利用して頂いてありがとう」と言いたいです。
そういう小さいキャンプ場だからできることが、その理由の1つかもしれませんね。
他には、小さいから日々、何かしら増設あるいは変化しているので、そういったところで飽きないというのもあるかもしれません。
ーー今のキャンプ場は理想が100だったとするとどれくらいですか?
気持ちは100いってるかもしれませんね。設備的にもうちょっと追加したいなーということはありますけど。自分の見える範囲内でお客様が楽しんでもらえるっていうのが私にとっては大事なので。
ーー子供用のトイレがありますけど、あれは新堂さんのアイデアですか?
そうそう、あれは私の昔からの夢だったんです。2005年に作ったのかな。昔、それまでは便秘続きだった子供が、ここに来てトイレして便ができたっていうのがすごく心に残っていて。「えーそんなことあるんだ!」なんて思いましたけど。
子供が一人でパンツを脱いで用を足すことができるっていうことが理想でした。子供が成長している姿を見ることができてこっちまで嬉しい気持ちになりますよね。
ーー他に夢だったことってはありますか?
あとはお風呂ですかね。本当は薪で沸かす五右衛門風呂をやってみたかったんですけど。入ってみたら意外な大きさで、みんなびっくりしてくれて。
それでお風呂が終わった後にキャンパーさんが笑顔で受付に鍵を返しに来るから、それが嬉しくてね。
ここは狭いのもあって、子供同士がすぐに仲良くなれるんですよ。2泊もすればキャンプ場内でお友達ができない子はいないってくらいになります。それでリピーターのお客様が増えてくださっているっていうのもありますね。子供たち同士が仲良くなると親同士もちょっとずつ会話が生まれて。
最近はSNSもあるので、すぐにお客様同士もつながることができます。昔は手紙やら電話やらで次はいつキャンプ場にいきます?なんて連絡をしあってましたけど、今はスマートフォンですぐにできますもんね。
ーー新堂さんもfacebookをよくやってらっしゃいますもんね?(笑)
僕も最初は半信半疑だったんですけどね。やり始めたらおもしろくて(笑)
でも、おかげ様で最近はfacebookで知り合った方がキャンプに来てくださって、常連になっていただいた方々もたくさんいらっしゃいますよ。本当に時代ですよね。
ーー新堂さんの人柄に人が集まっているような気がします。
まぁfacebook1つ取ったって、自然体ですよね。それがすべてかもしれません。
お客様はお客様なんですけど、気持ちの中ではそうは思っていなくて。もちろん変な意味ではなくて、同じ目線で同じ会話ができて同じことを共有して楽しめればいいなって思ってます。あんまり肩肘張るわけではなく、それがキャンパーさんにとっても心地いいのかもしれませんね。背伸びせず普通に楽しんで、普通に会話して。
ぜひ、あぶくまキャンプランドまで来て頂いて、ゆっくりのんびりと過ごしてください。皆様のご来場、お待ちしております。