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極上外ごはんで特別な時間を。アウトドアパーティーグループ「KIPPIS」って、一体なんだ?

夏の風物詩、BBQ。網でお肉をじゃんじゃん焼いては食べ、箸休めに玉ねぎやピーマンなんかの野菜を焼き、シメは焼きそば。汗だくになりながら、容赦なくジリジリと照り付ける太陽と闘いながら、ようやく熾した火を消さぬまいと、BBQコンロに張り付く。そんな光景は、毎年夏を迎えるたび、アチコチで目にするようになる。

そんな中、あくまでも「着席スタイル」で「網で肉を焼かない」をモットーにしているグループと出会った。

その名も、「KIPPIS(キッピス)」。

フィンランド語で「乾杯」を意味する言葉だ。

キャンプには「こういうスタイルもありなんだよ」って、提案したい

左から、かおりん(小澤かおりさん)、ちゃこ(野田亜沙美さん)、ひなちゃん(加納陽さん)、いのっち(猪俣慎吾さん)

KIPPISの結成は2014年1月。キャンプ歴12年という、大の外遊び好きカメラマン「いのっち」こと、猪俣慎吾さんの呼びかけで3人が集まった。彼女たちは皆フードスタイリスト。主宰の猪俣さんは、KIPPISの活動についてこう語る。

「キャンプを始めてからというもの、自然のなかで、着席しながらゆったりと美味しいごはんを食べることにずっと憧れがあり、個人的にそれを続けてきました。ぼくのキャンプスタイルには、“網焼きで行うBBQはしない”というモットーがあるんです。ダッチオーブンを使い、時間をかけてじっくりと料理を作る。ていねいに作ったごはんを、着席しながらゆっくりと味わうことで、会話がとても弾むんですよ。

ぼくはキャンプだからこそ、そういった時間を大切にしていきたい、と考えていて。キャンプにはこういうスタイルもありなんだよって、多くの人に伝えたいと思ったんです。

4月末に行った回がKIPPISの単独主催としては6回目で、毎回20人規模で開催しています。」

今年4月末に開催した「KIPPISパーティー」の様子。都心部にある施設の広場で行われ、満員御礼で予約はキャンセル待ちが出るほど

利益を求めるのではなく、「質」と「満足度」の高い料理をふるまう

メインディッシュのラザニアは加納さん、前菜は野田さん、ミニバーガーとデザートは小澤さんが担当した

KIPPISがふるまう料理は、思わずテンションがあがってしまうような「おしゃれでかわいい」ビジュアルと、フードスタイリストによるプロの味が象徴的。女性3人がそれぞれ「前菜」「メインディッシュ」「デザート」を分担し、この日のためにオリジナルのレシピを考案しているという。

デザートは、たくさんの味を少しずつ。特に女子にはたまらない瞬間!

自分の好きな分だけよそって、テーブルへ。おいしいごはんに、ほっぺも心も緩みっぱなしである

「パーティーでは参加費をいただいていますが、正直、利益はほとんど出ていません。それでも、このトクベツな時間を楽しんで共有してもらいたいので、今後も積極的に続けていきたいと思っています!

もともとキャンプをしていなかったフードスタイリストの彼女たちも、今では外ごはんに興味をもち、それぞれが経験を積むという意味でも、このパーティーは大事な場なんです」

と猪俣さん。

しかも、このイベントの利益分は、熊本地震で支援活動をしている「モンベル アウトドア義援隊」に全額寄付したそうで、となれば実質利益は0円。KIPPISにとってこのアウトドアパーティーは、開催することに意味があるほかならない。

豊富なドリンク類も用意。3種のサングリアは、たっぷりのフルーツを使った手作りで、見ているだけでもなんだか心が躍る

「高いお金を出せば、なにひとつ不自由のない高級なホテルに泊まれます。もちろん、それも素敵です。でも、手間をかけて作ったごはんを、野外で、大勢で、味わう。そんなひとときを、ぼくたちは提案し続けます」。

猪俣さんの思惑どおり、参加者のみなさんの笑顔と会話は絶えず、終始なごやかなムードであっという間に時間は過ぎてしまった。いま巷で話題の「グランピング」とも少し違う、KIPPISのアウトドアパーティー。

次回の開催は夏ごろを予定しているとのこと。今後の活動も目が離せません!

*KIPPIS オフィシャルウェブサイト
http://www.kippis.me/

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ライター:
山畑 理絵
タグ: キャンプ飯