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これ欲しい!この春、注目の新作アウトドアギア10選≪後編≫

この春リリースされる、出来立てほやほやの「新作ギア」たち。
元アウトドアショップ店員の筆者が、展示会をめぐる中で出合った、“選りすぐり”を前・後編に分けてご紹介。定番アイテムから、ちょっと一風変わったユニークアイテムまで、バラエティー豊かにお届けします!

新作①: まるで、持ち歩ける「キッチン」! レジャーで大活躍まちがいなしのツーバーナーが登場

バーナーなどの燃焼器具でおなじみの「プリムス」からは、キャンプやピクニックシーンで、手軽に“持ち歩ける”ツーバーナーが新登場。

持ち運ぶ際は、このようにとってもスマートに。ショルダーベルトは取り外し可能

「えっ、これがツーバーナーなの?」と、思わず疑ってしまう見た目ですが、脚を開き、天板などを外していくと…!

オーク材の天板は鍋敷きとしても使える。ガス缶は、別売りのカートリッジバッグに入れて本体下部へ収納OK

使用時は上記写真のように、「ツーバーナー」に大変身!
火口を取り囲んでいるホワイトのフレームは、風防として機能し、風が吹いても安定した火力をキープしやすく設計されています。

しかも、このコンパクトさで、火口が二つ。これひとつで、「湯沸かし」や「煮込み系料理」、「焼き物」を同時に調理することができます。

また、今までのツーバーナーにはなかったシンプルでスタイリッシュなデザインも新鮮。このまま電車に乗って移動したり、街中を歩いたりしてもサマになりますね。この春の大注目株です!

【SPEC】
プリムス/オンジャ ¥20,000+税 重量:3,000g(+ウッドボード490g)
問:イワタニ・プリムス 03-3555-5605 http://www.iwatani-primus.co.jp/index.html

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新作②:無駄を削ぎ落とし、使える機能だけを残した「究極のミニマリスト」

軽くて、丈夫で、見た目もかっこいい。そんな三拍子そろった魅力的な素材「X-PAC」を使用したバックパックがホグロフスよりデビュー。ドイツで開催されたアウトドアの国際展示会「Outdoor Industry Awards 2015」において、デザイン賞も受賞した話題のモデルです。

ホワイトのボディにビビッドなオレンジが映えるカラーリング。外付けのバンジーコードには、使用頻度の高いジャケットなどを収納しておける

このバックパックの特徴は、素材のほかに、「背面からも内部にアクセスできる」という点があります。背面の逆U字方ジッパーを開閉すると、なんと、ぱっくりと開く構造。荷物の出し入れがすばやく、かつ簡単に行えるシステムになっているんです。

背面が大きく開き、荷物のパッキングもスムーズに行いやすい

荷物をミニマムにして軽やかに登山を楽しみたい人や、スピーディーな山歩きを楽しみたい人、またクライミングシーンにも適したモデルです。

【SPEC】
ホグロフス/ロックヘリオス25 ¥18,000+税 容量:25L 重量:625g サイズ:ワンサイズ
問:アシックスジャパン/ホグロフス 03-6369-8885 http://www.haglofs.com/jp/ja

新作③④:USA発のMSRより、新顔の「シェルター&テント」が仲間入り!

機能美とカッコよさを兼ね備え、アウトドアユーザーのなかにもファンが多いブランド「MSR(エムエスアール)」。とくに「1gでも荷物を軽くしたい!」ハイカーに打ってつけな、超軽量シェルター&テントがこの春リリースされました。
まずは、真夏のムシムシしたシーズン、樹林帯のテント場や、標高の低い場所での使用に最適なシェルターからご紹介しましょう。

写真は2~3人用の「スルーハイカー100ウィング」と「スルハーカーメッシュハウス3」の組み合わせ。両モデルとも、これより少し小さめのサイズも展開している

通気性に長けたフルメッシュのテントに、屋根の役割を成し風雨から守るシェルター。どちらも、500mlの缶ビールほどの重さしかない、軽量派モデルです。もちろん個々に使うことも可能なので、雨の心配がないときはメッシュだけで過ごす選択肢もあり、大自然のなかどっぷりと解放感に浸ることができます。

生地は薄手で軽量な20デニール、引き裂きに強いナイロンリップストップを採用

日差しや雨を避けたい場合には、シェルターを組み合わせることで快適性がグンとアップ。シェルターは、登山におけるテント泊だけでなく、キャンプやちょっとした河原でのBBQにも活躍しそうですね。

続いては、ダブルウォール構造のテント、その名も「フリーライト」。

写真は、3人用の「フリーライト3」。1人用、2人用サイズもラインナップしている

フライシートとフロアシートには15デニールの薄手生地を採用し、1人用で890g、2人用で1,120g、3人用でも1,340gという、ダブルウォール構造でありながら驚きの軽さを実現しています。

インナーテントは、一部がきめの細かいマイクロメッシュ仕様。ポールは片側のみハブ構造で、圧迫感のない居住スペースを確保。ハブを設けることで、居住性のアップと、軽量化しながらテントを自立させることができる

ゴツゴツとした岩稜地帯で使用する場合は引っ掛けや、過度な擦れになどによる破れに気を付けなければなりませんが、テントの軽さは、ときに歩行も軽快にしてくれるのです。

【SPEC】
MSR/
スルーハイカー100ウィング ¥32,000+税 重量:490g(本体のみ)
スルーハイカーメッシュハウス3 ¥40,000+税 重量:460g(本体のみ)
フリーライト3 ¥80,000+税 重量:1,340g(本体+ポール+フライシート)
問:モチヅキ ユーザーサポートダイヤル TEL:0256-32-0860 http://www.e-mot.co.jp/

新作⑤:いざという時の「ビバーク」にも使える! 2WAY仕様の変わり種レインコート

テントを持たない山歩きをする場合、ケガで動けなくなった場合や、道迷いでやむを得ずビバーク(野営)しなくてはならない緊急時にも風雨を防げるよう、ツエルトやビビィサックは携行しておいきたいアイテムですよね。
けれど、「常日頃使うアイテムじゃないし、できればなにかと兼用できたら便利なのになぁ…」なんて願いを叶えてくれるのが、マーモットが新提案する「ゼロソリタリービビィ」です。

ビビィとしての使用時は、頭から足先まですっぽりと覆うことが可能。生地には防水透湿性があり、シュラフカバーとしても活用できる

レインコートとして使用する際は、前面のみをジッパーで取り外し、裾部分をくるくるっと巻き付けて収納するだけ。

前面のみジッパーで取り外せる裾は、ロールアップをして背面内側のフラップベルクロで固定できる仕組み

コート丈のため、雨具として使用する場合は、すべての状況下で快適に機能するわけではありませんが、標高の低い山や、樹林帯歩きがメインの山行であれば十分活用できます。もう少ししっかり雨を防ぎたいときは、レインパンツとの併用もアリでしょう。

なんにせよ、たった243gで、ビビィと雨具を得ることができる。画期的なアイテムです。

【SPEC】
マーモット/ゼロソリタリービビィ ¥32,000+税 重量:243g サイズ:M、L カラー:3色
問:デサントお客様相談室 TEL:0120-46-0310 http://www.marmot.jp/

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新作⑥:こんなの欲しかった!ストレッチ性があって、手なじみのいいレイン用グローブ

トレッキングパンツはもちろんのこと、近年ではウィンドシェルやレインウエアに至るまで「ストレッチ化」が進んでいますが、ファイントラックからは、ストレッチ性のある「レイン用グローブ」が新登場。

カフ部分にはベルクロテープをつけずシンプルにすることで、レインジャケットなどの袖口を重ねやすい

このグローブの優れた点は、伸縮性に優れた独自の防水透湿素材を採用し、さらに指先と爪の間に縫い目が当たらない設計にすることで、ごわつき、もたつきのない着用感を生み出したという点です。より立体的に指にフィットさせることができるため、操作性を損なうことがなく、ジッパー開閉などの細かい手作業も行いやすくなっています。

雨の日でも「ストレスフリー」な山歩きをするのに一役買ってくれるアイテムですね。
※防水素材ですが、縫い目の防水処理(シームテープ加工)は施されていません

【SPEC】
ファイントラック/エバーブレス トレイルグローブ ¥5,600+税 重量:30g サイズ:S~L カラー:3色
問:ファイントラック TEL:0120-080-375 http://www.finetrack.com/

新作⑦:自分の山行スタイルに合わせて、パーツを足し引き!「軽量」で「撥水性」のあるバックパック

軽量バックパックを多く生み出すUSA発の「グラナイトギア」から、生地に撥水性のあるニューモデルが登場。

写真は容量が55Lのモデル。このほかに、35L、45Lも展開

このモデルの面白いところは、雨蓋・背面フレーム・ウエストベルトの3点が取り外し可能で、自分の山行スタイルや荷物の量(重さ)に応じて、カスタムできる仕様になっていること。テント泊装備一式を収納できる55Lの容量を持ちながら、3点すべて取り外した状態での本体重量は842g。1kgをゆうに切る軽量さを実現しています。

本体はロールトップ仕様。雨蓋を外しての使用も可能で、よりスピーディーな内部アクセスと軽量化にも繋げられる。(右)メインボディの生地には撥水性の高い加工を施し、多少の雨ならば弾くこともできる

背中の荷物を少し軽くして、オンシーズンのテント泊を軽快に楽しむのもいいですね!

【SPEC】
グラナイトギア/ルッセン55 ¥28,000+税 容量:55L 重量:842~1,400g サイズ:S-M、L-XL カラー:3色 耐荷重:12~18kg
問:ヴァーテックス TEL:046-205-7391 http://www.vertex-corp.co.jp/Brands/index.htm

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新作⑧:自分好みの色が選べるフライシート。ベストセラーの山岳テントがモデルチェンジ!

春夏秋冬のあらゆる状況に対応できるテントとして、長年にわたり人気を誇るモンベルの「ステラリッジ」シリーズ。これまで本体とフライシートはセット販売でしたが、この春より別売りに変更。さらに、フライシートのカラーバリエーションを増やし、複数のカラーから自分好みの色を選べるようになりました。

写真はシリーズ最小の1型。フライシートは、1~2型で上記4色の中から、3~4型は2色(カーキとオレンジ)から選べる

とにかくこの「ステラリッジ」テントは、悪環境の下でもユーザーが使いやすいような配慮が細部にわたり施されており、設営・滞在・撤収におけるストレスが本当にありません。これは、高い技術と気配り精神をもつ日本生まれ・日本育ちのテントだからこそ、為せた業とも言えます。

ポールを通すスリーブの入り口を斜めにすることで、ポールを通しやすくしている。(右)インナーテントの様子

いつどんなときでも、大自然のなかに張りたい。そんな気持ちにさせてくれるー張りです。

【SPEC】
モンベル/
ステラリッジ テント1型 フライシート ¥11,500+税 重量:380g(フライシートのみ)
ステラリッジ テント1型 本体 ¥27,500+税 重量:1,280g(本体+ポール+フライシート)
問:モンベル・カスタマー・サービス TEL:06-6536-5740 https://www.montbell.jp/

新作⑨:トレランパックのように、登山にも「着ている感覚」のバックパックを

トレイルランニング用をはじめ、シーンに応じたテクニカルなバックパックを豊富にラインナップし、高い評価を得ているサロモンからニューモデルが登場。登山に対応する20、30Lの容量を持ちつつも、アクティブな動きに追従する設計で、体にしっかりとフィット。「背負う」のではなく、まるで「着ている」ような感覚のバックパックです。

写真は30Lで、20Lモデルの展開もある。フロントはU字型に大きく開き、パッキングが容易だ

このモデルは、30Lクラスのバックパックのなかではめずらしい作りで、トレランパックの便利なところをたくさん搭載。

まず、ショルダーハーネスは、両サイドに伸縮性のあるメッシュポケットとジッパーポケットを備えており、ウエストベルトにも大型のメッシュポケットを配置。動きながらでも行動食の出し入れがしやすく、携帯電話やデジカメなどの収納にも便利です。

そして、チェストベルトは上下2か所で留める仕様で、胸部の圧迫を軽減し、快適な呼吸ができるように考慮。中距離のトレイルランニングにも対応できるつくりになっているため、登山シーンにおいても高い安定感で、ブレにくい歩行をサポートしてくれます。

30Lの容量でありながら、本体重量が「500g未満」という、超軽量さも魅力のひとつです!

【SPEC】
サロモン/ピーク30 ¥16,000+税 容量:30L 重量:495g サイズ:ワンサイズ カラー:2色
問:サロモン/アメア スポーツ ジャパン TEL:03-6831-2700 http://www.salomon.co.jp/softgoods/

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新作⑩:なんと「射撃位置の記録」までできる、ミリタリーモデルが新登場!

数多くのスポーツウォッチを手掛ける「スント」からは、軍関係者からの意見を取り入れて開発したというミリタリーモデル「トラバース アルファ」が5/20(金)にリリース。

カラーは「フォリッジ」と「ステルス」の2カラーで、写真のモデルは前者

もともとスントには「トラバース」という、昨年11月にデビューしたモデルがあり、それをベースとして今回新たにミリタリー機能をプラスして搭載しているわけですが、そもそも「トラバース」は、北米国防総省が定めた軍が必要とする環境耐性規格をクリアしており、とにかくスペックがスゴいんです!
その規格テストの一例を取り上げてみると、

・凍結、解凍テスト
・高湿、乾燥テスト
・高温、氷点下テスト
・砂塵・土埃環境テスト
・落下・衝撃テスト
・塩水テスト

……などなど、全19項目にも及ぶ厳しいテストをクリアしているそう。ウォッチの屈強さが伝わってきます。

(左)数多くの厳しい耐久テストをクリア。(右)画面のバックライトには「レッドライト」を搭載。暗視スコープに干渉せず、夜間や暗所でも視界を確保する

そして、新たに今春リリースの「トラバース アルファ」は、日本のリリースに先駆け今年4月に北米でデビューし、軍関係者向けのGPSウォッチとして開発。上記の「トラバース」がもつハイスペックにプラスして、ハンティングに活用できる「射撃位置を自動記録する機能」や、フィッシング等で役立つ「月の満ち欠けの表示機能」、「画面のバックライトが赤色に光る機能」など、ミリタリー仕様になっています。

画面のように、どの辺りでどんな獲物がいたのか分かりやすい表示もできる

もちろん、アウトドアに必要とされる機能(高度計・気圧計・電子コンパス・GPSナビゲーションなど)は搭載しているため、ミリタリー機能を使わずとも、大いに活用できるモデルでもあります。
なんといっても、この無骨なミリタリーデザインも魅力的ですよね!

【SPEC】
スント/トラバース アルファ
¥69,000+税 重量:70g カラー:2色
素材:[ボディ]グラスファイバーコンポジット [ベゼル]ステンレス・スティール [風防]サファイアクリスタルガラス [ストラップ]撥水ナイロン
防水:10気圧(100m) 電池:リチウムイオンバッテリー内蔵
バッテリー持続時間:最大100時間 (※GPSデータ取得頻度60秒毎の場合)/最大14日間 (※時計画面表示のみの場合)
問:スント カスタマーサービス TEL:03-4520-9417 http://www.suunto.com

さて、前・後編にわたりこの春リリースされた新作アウトドアギアを紹介しました。
年々、モデルの多種多様化や、新進気鋭な製品が発表され、いちユーザーとしても胸が躍るばかりです。
自分に合った道具を取り入れて、今シーズンもアウトドアを楽しんでいきたいですね!

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ライター:
山畑 理絵