カテゴリー: 登山情報

山頂で本格ビストロ?登山初心者におすすめの「マウントランチ」に参加してきた

突然ですが、まずはこちらをご覧ください。

美味しそうなご飯ですね。

これ、山頂でのシーンです。

「山頂で美味しいご飯が食べられる」

と聞いたら、
登山のハードルもちょっと下がったりしませんか?

登山はしてみたいけど、
なんだかハードルが高そう。

自分だけが初心者だと、
周りに迷惑掛けそうで心配。

そんな、登山はじめての方が楽しく参加できるイベント。

それがマウントランチ。

自然体験のきっかけとなる可能性を感じた本イベントに、アンバサダーの方々と参加してきました。

街の山好きビストロオーナーが手掛ける「マウントランチ」

マウントランチは、東京・池袋にあるビストロ“nori shokudo”が開催する、今年で4年目になる「山頂で美味しいご飯を食べる」イベント。

オーナーの山下範昭さん(通称ノリさん)が、お店の常連だった山好きの中村嘉敬(よしたか)さんに持ちかけ実現した、ちょっと変わったイベントなんです。

“nori shokudo”の山下範昭さん

参加者はお店の常連さんが中心で、登山は初めての人ばかり。30歳前後の女性が多いんだとか。
したがって、登る山はハードルが下がる都内から行ける低山中心で、事前にテスト登山をし登山道をチェックするそう。

お店が母体なので、ひとつのコミュニティとして成り立っているのが素敵です。

参加者は、毎回その山をモチーフにしたバッチがもらえます。

今回登るのは矢倉岳。
山頂からは晴れていれば美しい富士山が見えるため、山頂からのその風景が描かれてました。

これはコレクター心くすぐられますね。

今回は登山には慣れたメンバーで体験!ここからは動画も合わせてお楽しみください。

「神秘的かも……」雨を全身で感じながらの、矢倉岳登山道

当日は生憎の天気でしたが、雨を全身で感じる機会も都会暮らしでは少ないですよね。
雨の日の山の顔もまた素敵な側面が多いので、楽しみながら登ります。


たとえば、苔。よく見ると小さな小さな植物がはえており、そこに雨の水滴が。こういう小さな出会いがあるのが雨の中の自然の魅力。

徐々に山の奥へと進み、足元が悪い箇所がチラホラと。

山の深いところでは霧が発生していましたが、なんとも幻想的。

途中開けたところで、本来は見えていたであろう景色を想像しながら眺めてみたり。

「今度は晴れた日に行きたいね」

とまた再チャレンジをみんなで話すのもまた良い思い出です。

山頂に到着!生憎の天気だったけれど……


登ること90分ほど、山頂に到着。
山頂も残念ながら天気に恵まれず、富士山や金時山、相模湖などは見れず。

それでも、ここから待ちに待ったノリさんによるランチタイムがはじまります。

山頂でのお楽しみ、温かいランチが疲れた身体に染み渡る

バックパックから出された、家庭でも使うような調理器具と食材たち。ノリさんはどれだけ重いものを背負って登山道を登ってきたのでしょうか。

今回のランチは、本格的なカレーと、雨に打たれた身体を温めてくれる豚汁。
常連さんが多いため、皆さんで協力し合って手際よく調理が進んでいきます。

完成したら、皆で協力して盛り付け。
登山をはじめとしたアウトドアでは、自然と団結力が生まれるから不思議です。


山頂で食べるご飯といえば、カップラーメン(これはこれで格別です)や○○の素を使った料理、もしくは予め調理してきた料理などでしょう。

予め調理しておくと食べるころには冷えてしまっていて、疲れた身体をしっかり癒すには力不足。

このマウントランチの魅力は、
なんといっても「出来立て」の「本格的な料理」が食べられることだと思います。

ノリさんとマウントランチを企画する中村嘉敬さん

「登山で疲れた身体を癒すには、温かいご飯が必要なんです」

と中村さん。

マウントランチでしか山に登らない方もいるそうですが、そういった登山不慣れな方でも、山頂で体力がしっかり回復できるのはありがたいところ。

過去には、天ぷらやすき焼きなんかも作ったことがあるそうです(!)

参加者みんなで集合写真。
身体も温まって回復した身体で、元気良く下山しました。

環境が変わると、考えることも変わる。五感に刺激を与えるきっかけを作りたい。

山頂で、しかも大人数のための料理を作るには、普段の登山道具では成り立ちません。イベント立ち上げ当初、このイベントのために器材を購入したりパッキングの研究をしたというノリさん。今でこそ、一式揃っていますが、当時は大変だったそうです。

その空間を活かしてお客様同士が他人でも1つになってくれたらと、お店づくりをするノリさんですが、それはイベントでも同じこと。

「山頂を目指す」という共通の目標があることで一体感が生まれ、あとはその道中でそれぞれが何か感じてくれたら良い。何でもプロセスが大事だと考えるノリさんにとって、高い山か低い山かは関係なく、そこで何を感じたか、どう考えたかを大切にしているんだそうです。

普段、都会でオフィスや家などいつもと同じ空間にいても、なかなか新しい考えは生まれません。

登山という大きな環境変化によって、五感に刺激を与えていつもと違う発想や感覚を持ってほしい。そういった想いから、今もこのイベントを続けているノリさん。

「無理して何やってもダメでしょ、楽しまなきゃ」

お店には、自身の登山時の写真が飾ってあり、この写真を見た山好きのお客様と登山話で盛り上がることもあるそう。また、登山グループが集まって次の登山計画をお店で練ったりすることも。

登山好きのオーナーがいる飲食店。
休日しかなかなかできない登山ですが、こんなオーナーがいるお店に平日通えたら、とても楽しい日常になりそうです。

お店の定休日に行うマウントランチ。普段お店を営業しながらの取り組みがゆえに大変だなと思うこともあるそうですが、「今度はいつやるの?」という声をもらったり、1人でも楽しみにしている人がいるなら続けたいと言います。

「無理して何やってもダメでしょ、楽しまなきゃ」

自分なりの哲学を持ち、登山やこのイベントを楽しむ。
結果ではなくプロセスを楽しむ姿勢、背中から感じる心の温かさがとても印象的でした。

『○○×アウトドア』で広がる入り口、可能性

今回、私たちは登山経験者でしたが十分に楽しむことができたマウントランチ。
ノリさんのおっしゃる通り、高い低いは関係なしに、そのプロセスをみんなと一緒に共有できる喜びと、そこでそれぞれが感じられる感覚。

そんな貴重な体験をするきっかけとして、アウトドアと○○を掛け合わせる。

それによってハードルを下げ、より多くの人に自然体験をしてもらえる。そこで感じた何かで、心や生活が豊かになる。もっと登山がしたくなり、自然の大切さを学び楽しむ。

広がる入り口と体験した方々のその後の可能性。
マウントランチの参加をきっかけに、私たちの暮らしがより豊かになるヒントをもらった気がします。


*Mt. Lunch(マウントランチ)
https://www.facebook.com/mt.lunch/

*nori shokudo
http://norishokudo.net/

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ライター:
羽田裕明