体験レポート

熊野古道中辺路徹底ガイド – 安涼奈と歩く、人生を変える巡礼トレイル【後編】

世界に誇るトレイルルートとして知られる熊野古道”中辺路(なかへち)”。

その中辺路の1セクションである熊野速玉大社~熊野那智大社を歩いてくださった、安涼奈さんにインタビューをさせていただきました。世界中のハイカーから羨望の眼差しを向けられる中辺路の見どころや魅力を聞いてきました。

人生が変わる巡礼トレイル 熊野古道中辺路

2024年に世界遺産登録20周年を迎える熊野古道。古くは院政期に熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社を巡礼することが流行り「蟻の熊野詣」と呼ばれたほどに親しまれた道です。

.HYAKKEIでは熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して特設ページを開設しています。
中辺路を中心とした熊野古道トレイルを楽しめるコンテンツをご用意しております。

特設ページ「人生が変わる巡礼トレイル 熊野古道中辺路」

その中の企画として、熊野古道中辺路4泊5日。熊野三山参拝フルトレイルの総距離約80㎞を、3名のハイカーに歩いてもらいました。

【前編】滝尻王子~熊野本宮大社:もじゃまるさん(YouTuber兼 sankakustand店主)

【中編】熊野那智大社~本宮大社:JINさん (YouTuber)

【後編】熊野速玉大社~那智大社:安涼奈さん(YouTuber兼 モデル)


それぞれ、各人のYouTubeチャンネルにてトレイルの様子がうかがえるのでぜひ見てみてください。

安涼奈さんの山行記録

熊野速玉大社~熊野那智大社
約14.6㎞/△1,340m・▽1,591m

12月6日(雨のち曇り・15.0℃/7.2℃)

海・木々・木漏れ日。自然の強さを感じるトレイル

中辺路唯一のシーサイドトレイル区間

――まずは中辺路の方、お疲れ様でした。安涼奈さんは、今まで熊野古道を歩いたことはありましたか?

わたしは初めてで、ほんとは昔から興味あったんですけど、やっぱりアクセス問題って言うのがあって(笑)なかなか行く機会がなかったんですよね。

――確かに。お住まいが関東だとなかなか行けないですもんね。

いつかは行ったでしょうけどもね(笑)何年先だって話ですね。

――ありがとうございます。今回歩いていただいたコースについてご説明いただけますか。

わたしは今回、熊野速玉大社から熊野那智大社の方まで歩きました。最初はちょっと町を歩いて神社がある区間です。そのあと海岸線沿いを歩き、那智駅から内陸の方に上り熊野那智大社へと向かうルートです。

――安涼奈さんは本来1泊2日であるくコースを雨の影響で1日で歩きました。体力的にきつくはなかったですか?

高低差もそこまでなかったので、体力的にはそんなにだったんですけど、やはりもう少しゆっくり歩きたいな~って気持ちはありました。途中の飲食店も寄りたかったですし。

――確かに。二日でより満喫できるコースでしたね。印象に残っているところとかってありますか。

速玉大社から少し歩いていくと海の方にでます。そこからはずっと海沿いを歩いて。何と言えばいいのでしょうか、簡単に言うと『偉大』だったんですよね。実際に海を見て「海って力が強いな」と。

浜王子からの眺め

ほかにも、樹林帯もあったんですけど、木の隙間から海が見える箇所もあって、それがすごい綺麗でしたね。探せばあるけど、めったにそういうところないので。

自分が行く山はほんと山深いところばかりで、海が見えてもそんな近くには見えません。「あ~あの辺、富山湾が見える?かもしれない?」みたいなところが多いんですけど(笑)

今回はほんとにすぐそこってところに海が見えて、電車もたまに通ったりして。電車好きなので、鉄道も見て楽しかったですね。

後半は那智大社に向けて登るんですけど、なかなかの傾斜です。

そこもまた町になったり、山道に入ったりを繰り返します。で最後はのぼりで頑張れば那智大社について、お参りもしてって感じですね。

なので町も歩いたし、山も歩いたし、参拝もいっぱいしたし海も見たからすごいあの盛りだくさんですね。

――そうですね。前半の方とかはそんなに高低差はたぶんなかったですよね。

そうなんですよ。高低差はなくって。一方で車道を歩く区間もありました。海の近くってなるとだいたい車も通るわけなので。

――浜王子から南下するルートは車道でしたよね。

そうなんですよ。小狗子峠からは一瞬、樹林帯も通りますが車道区間が長かったです。迷わないっていう点では良いですし、海が近くて嬉しかったですね。樹林帯の感じも南国っぽくて海も見えてという道で気持ちよかったですよね。

市街地区間ならではの魅力

――確かに。那智駅から内陸に入って那智山に登っていきます。そのルートに関してはどうでした?

那智山に向かう道は車道が少なく、気持ちよかったですよ。そっちは樹林帯を歩いてまた町に抜けてという繰り返しだったのですが、町がすごくのどかで。そこが良かったです。

――記憶に残っていることとかってあります?

みかんです。100円みかんです。

大門坂の道をちょこっと歩いたくらいに、無人販売でおうちの前に置いてあって一袋100円で買えるところがあったんですよ。一袋100円だから美味しくないんじゃないかなと思って一袋しか買わなかったの後悔しましたもん。

――確かに。みかん売ってるお店多かったですよね。

その場所でつくられた美味しいもので、しかも無人販売って平和ですよね。

やっぱり和歌山ならではというか、こういう場所に来ないとないですよね。東京もたまに無人販売あるような気もするけどさすがに値段も違いますしね。

【参照】安涼奈さんの動画より

――最後ほぼ那智大社の手前って感じでしたよね。大門坂ってことは。

そうですね。登りは町をいろいろ通って。でも一番面白いのは大門坂。ここは坂が結構すごくて。大門坂までは傾斜がそこまでないんですけど、大門坂の方まで来ると一気に上がっていきます。

私が歩いた中で一番傾斜が大変だったのは身延山で、身延山を経験しているから「わ~…」ってならなかったけど、でもやっぱりこれ傾斜すごいなって思いました。

あとこれどうでも良いかもしれないけど、歩いてると自分の前にねカップルがいたんですね。「暑い、暑い」って言うわけ。それでそのカップルのお姉さんがね「いやほんとTシャツで歩きたいわ」って言ってるタイミングでわたしが横を通り過ぎたから、「Tシャツ一枚でちょうどいいですよ!」って言って通り過ぎた。お姉さんめっちゃ笑ってた(笑)

――観光客の方も多いですよね。

まあ観光地だから普通にお散歩でって観光感覚で登る人?ハイヒールのお姉さんもいたけど、ちょっとおすすめはしないな。さすがにそういう自然の場所に観光に来た以上、せめてスニーカーがおすすめですね。

古の建造物と大自然から力をもらう。熊野那智大社に到着。

――ありがとうございます。それで那智大社に到着ですね。

はい。那智大社はやっぱ立派ですよね。大事な神社はやっぱ立派で。日本人からするともしかしたらなんとも思わないかもしれないけど、わたし外国人なのでわたしからすると毎回びっくりしますよね。美しいなって思います。

わたしは建造物自体がいいなって思いました。あとは那智の大滝もみれたので嬉しかったです。最後に。今回時間がちょっとギリギリで長居はできませんでしたけど「良かったら一瞬だけでもどうぞ、こんな感じです」って那智山が言っているかのようでちょっと嬉しかったですね。

帰りは白浜空港から帰ったけど、空港に来るまで向かう時にすんごい夕陽を見て。それも動画に最後に入れてるんですけど。それもなんか思い出に残りましたね。帰るときのその道の美しさが。

――ありがとうございます。そしたら最後にこれから同じコース歩く人に対して、安涼奈さんから伝えたいこととかってありますか?

やっぱり一番言いたいのは、ちゃんと二日で歩いてください。大変だからじゃなくって、そこのルートって別になんかこううんと楽しむわけじゃなくて(笑)

町を楽しむようなルートなので、二日に分けて歩くこと。あと中辺路だけでもすごい長いので、本宮大社の方も皆さんはぜひ歩いてみてください。

まとめ

・熊野速玉大社と熊野那智大社のコースは2日で余裕をもって歩くとより満喫できる

・無人販売所の100円ミカンは1つではなく2つ買う

中辺路を歩くうえで知っておくと役立つ情報

また知っていると熊野古道をより楽しめる情報をまとめておきました。

押印帳

和歌山県内の参詣道「熊野古道中辺路」「熊野古道紀伊路」「熊野古道大辺路」「高野七口」をすべて踏破された方には、和歌山県より証明書が発行されます。

4つの押印帳を入手後、各地の押印所でスタンプを押してください。

https://www.sekaiisan-wakayama.jp/walk/ouinchou.html

熊野古道世界遺産登録20周年記念「人生が変わる巡礼トレイル 熊野古道中辺路」特設ページ

今回、.HYAKKEIでは熊野古道の世界遺産登録20周年を記念して特設ページを開設しています。はじめての方に向けた熊野古道についての解説や、道中の宿・お店の情報。また有名ハイカーによる中辺路トレイルの動画など、これから熊野古道を歩く人にとっても、もう1度歩く人にとっても発見のあるページに仕上げています。是非一度ご覧ください。

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ライター:
.HYAKKEI編集部