東京から飛行機で55分。フェリーを利用しても、例えば金曜日の夜に仕事が終わってから出発すれば、土曜日朝から大自然を楽しめる八丈島。
記事前編では島一周サイクリングを紹介しましたが(前編はコチラ)、今回は島登山!
八丈島には、東京とは思えないほどの雄大な自然が広がっています。
市街地から島の左右を見ると、西側にはシルエットが美しい八丈富士。 東には切り立った渓谷に囲まれた三原山がそびえています。
標高があまり高くないうえに、中腹までは車や自転車でも登れる2つの山。島内で宿泊する際は、どの宿からもアクセス良く行ける場所に位置しているため、1日で両方の山に登ることもできます。
火山島なので、所々に溶岩でできた場所があったり、亜熱帯気候特有の植物が生い茂るエリアがあったりと、非日常を味わえる島登山が楽しめます。
三原山へは、八丈町役場を基点に歩いて登ることができます。
中腹の無線中継所までは車が入りますが、駐車スペースがないため、徒歩かタクシーの利用を。脚力に自信のある方は自転車でも登れる傾斜です。(電動アシスト付のレンタサイクルがおすすめ)
今回は、自転車で登りました。
登山口になっているNTTの中継所からは階段の舗装道路が続き、道脇には青汁などに使われる明日葉がたくさん生えています。島内のお蕎麦屋さんで食べられる明日葉ソバは風味と喉越しがよく、とても美味しいんです。
山の中腹には八丈小島から市街地までを見渡せる、見晴らしの良いスポットも。眼下に八丈空港の滑走路や街並みをはっきりと見ることができます。
道が整備されており斜面もそこまで急ではないので、道脇の草花を見ながらマイペースで登れます。
樹木がうっそうと茂る森林を抜けると、見晴らしの良い稜線にでます。目の先にアンテナ施設(防災行政無線三原山中継所)が見えてくれば、頂上はもうすぐ。
左手に八丈富士、右手に雄大な海を見ながらのハイキングを楽しめます。
1時間強歩き、三原山の三等三角点(700.9m)に到着!
島登山の楽しみは、山頂から海を見渡せるところが多いこと。今回はあいにくの曇り空でしたが、晴れていれば青ヶ島まで見える素晴らしい景色が広がっています。
山頂からは来た道を戻るコースと、そのまま尾根沿いを歩き南東方面にある大池・小池や、唐滝(からたき)、大滝といった場所を訪れるコースもあり、時間に余裕がある方はじっくり三原山周辺を散策してみるのもおすすめ。市街地と反対側の中之郷地区へ降りれば、温泉も楽しめます。
今回は、来た道を戻り八丈小島を目指します。
美しい円錐形をした八丈富士。環状道路が整備されており、中腹までは車で行くことができます。市街地から徒歩でも3時間強で頂上まで登ることができるので、初心者でも登りやすい低山です。
八丈富士からは、市街地を挟んでその先には三原山がキレイに見えます。もしタイミングが合えば、羽田空港から1日3往復している飛行機が飛び立つ瞬間を、山の上から眺めることができますよ。
八丈富士七合目にある周回道路には、広大な牧場もあります。なだらかな山肌に牛が放し飼いにされており、何とも絵になる景色。
市街地を一望できる展望台や公衆トイレなどもあるので、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
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さて、いよいよ登山口。緑色のゲートをくぐると階段があり、1280段を登れば、八丈富士の火口丘(通称:お鉢)にたどり着きます。
階段と一緒にスロープもあるため、初心者でも登りやすいコースです。
体力に自信のある方なら頂上まで登りはすぐですが、八丈富士の楽しみはここから!
市街地からは、なだらかな山にしか見えませんが、頂上は太古に陥没したお釜のようになっていて、外輪山を一周するハイキングコースは眺めがとっても良いコースです。天気がよければお鉢めぐりを楽しみましょう!
この日はあいにくの天気だったので……
火口の中に降りてみましょう。そこには浅間神社が祀られています。
周りが亜熱帯樹林の緑に覆われた神秘的な雰囲気の道を10分程歩くと、鳥居が見えてきます。山の頂上の火口の中にある神社には、神秘的なパワーを感じます。
さらに神社の後ろには火口の中の小さな火口(小穴)があり、覗きこむことができます。火口の中には濃い緑の木々が生い茂っています。写真で見る以上に、実際は迫力満点のスポットです。
お鉢の周りは足場が悪いところもあるので慎重に歩みを進め、標高854mの頂上へ。
火口内は国立公園特別保護区域として管理されており、亜熱帯特有の植物が生い茂るジャングルのよう。八丈小島が浮かぶ海や景色と合わせて、圧倒的なスケールの絶景が待っています。
八丈富士は標高が低く道も整備されているので気軽に登ることができますが、頂上から眺める景色は想像以上に素敵な体験になるはずです。
ひょっこりひょうたん島のモデルにもなったと言われる八丈島。
海も山もあり、温泉や美味しい郷土料理も私たちを迎えてくれます。
ぜひアウトドア派の休日におすすめしたい場所ですが、あえてデメリットを挙げるとすれば、行動が天候に左右されやすいこと。
日本の中でも雨が多い地域なので、さっきまで晴れていたのに、急に雨が降り出すなんてことも。ざっと降って止んでまたざっと降るのが特徴なので、先を急がず雨宿りをしていれば、晴れてくることもあります。余裕のある日程を組めるといいですね。
それでは、素敵な島時間を。