最近のキャンプは華美であり軽薄になりすぎたかもしれません。キャンプとはもっと質実な中で好奇心や冒険心高ぶらせて野外を楽しむのが本来だったような気がします。
日常の生活から遠く離れ、何もないところに自分達のシンプルな基地を作り、野生の言霊を聴きながら、自然の中に共生を図る。これが正統的なキャンプではなかったでしょうか。
そのためにはやはり「本物」の道具が必要。
「Authentic = オーセンティック」という言葉があります。 「本物の」、「正統的な」という意味と同時に「信頼ある」または「歴史に裏打ちされた」ということも表わします。
例えばリーバイスのジーンズ、ゼロハリバートンのアタッシュケース、フェンダーストラトキャスター、バーバリーのトレンチコートなどなど。
上辺だけや、形だけでなく、数々の経験と試練を積んで創り上げてられてきたそんなツールをシンプルに使いこなしてみたい。信頼あるものたちに囲まれた時、本当の自然の姿と心置きなく付き合える、そういうキャンプをふと見直したくなりました。
東京からJeep® Wranglerで向かうこと3時間、到着したのは晩秋の那須高原「キャンプラビット」。ベテランキャンパーであるオーナーが自分の理想を実現し、今年20年を迎えるまさに本物のキャンプグランド。
自然の姿をしっかり残しつつ、同時にキャンパーが快適に自然に向き合える施設をも備えています。
慌ててキャンプを急ぐことなんか必要ありません。キャンプは目的地に着いたときからゆっくりと時間を流していけばいいのです。
まず何よりも熱いコーヒーでホッと一息。傍らに押し出しの強いJeep®の7スロットグリル。
まだキャンプ道具を出していなくても、こうしてクルマがそこにあるだけで、まるで極上のテラスが用意されたかのようです。
一区切りして、一面落ち葉の絨緞の上にキャンプサイトを。
MSRのテント、ヨーレイカのウィングタープ、カーミットチェア、そして数十年前の日本製ウッドディレクターチェア。軍用品をアレンジしたトランクなどなど。
華美なものは一つもありません。むしろキャンプ道具のそれぞれ色と造形が、クルマのオリーブカラーの元でキリっと調和してくれています。
クルマとのいき過ぎないコーディネートを計っていくのもオーセンティックであるための素養。
落ち葉を反射板にするシアーズのランタン。
すでに半世紀が経とうとしているオールドランタンは今も変わらぬ明かりを灯してくれています。本物であるためには必ずバックボーンに歴史を有するわけです。
無造作に集まったキャンパー。それを一つにまとめるような力強いオーバーフェンダー。
オープンエアな空間で、アウトドアマンの心は踊り、会話がどんどん弾んでいきます。
森に佇む一つのアドベンチャーラウンジ。こんな演出を他のどのクルマが出来るでしょう。
自分達を異次元の冒険の世界に運んでくれるのがSUV。それは最大のキャンプ道具であり、最高のキャンプの演出をしてくれる一番の要。
そこにどのクルマがあるかで世界観が全く変わってしまいます。
アンバーカラーのランタンに照らされ、聴こえるようで聴こえない自然の音たちをBGMに、語らいの余韻が森に響きます。
足元にはアンバーと対照的な青い炎、アラジン・ブルーフレーム。
長く長く愛され続けてきたオーセンティックな製品達に共通しているのは「顔」があること。一目で見て誰でも分る「顔」を持っています。
オーセンティックなキャンプは、本物と付き合いながらも誰かの真似にはならない、道具の表面の姿だけに頼らず自分達だけの「顔」を作り出すスタイル、そういうことではないでしょうか。
闇に包まれてきてからはラウンジの第2幕。
料理たちも華美すぎる必要はありません。全てサイドメニューだけでもいいのです。
オトナは、「会話」という最高のメインディッシュを持っているのですから。
更けていく夜の時間を忘れてしまいそう。
なぜなのでしょう、つい本気の会話をしてしまったからなのか。
本物に囲まれたキャンプだからこそ、本気になってしまったのかもしれません。
驟雨の朝。まどろみの中テントを叩く雨音は心地よいめざまし。
雨も風もコンクリートの壁の中でははっきりとは味わえないもの。自然との際を無くし、それを受け入れて楽しんでしまうのが本当のキャンプなのですから。
雨粒も木の葉も自然のくれたナチュラルデコレーションです。
アメリカンアーミーに起源を持つJeep®だからこそこんなハードな道具達を積み込んでも全く違和感がありません。
それどころかここがまるでディスプレイスペースではないのかと思えるような広々としたカーゴルーム。
荷物を積んでしまったにもかかわらず、「まだ何かをやれる」という冒険心に火がついてしまったのはなぜでしょう。
直火がOKなキャンプラビット。
そうだ、焚き火をもう1回楽しもう。
火を見つめながらただ物思いに耽る。
炉の前にはテーブルとスツールだけ。そして後部のハッチをわざと広げでみる。
そこにもまたもうひとつのアドベンチャーラウンジが広がっていました。
SUVが男のものだなんていうのは一昔前の話。
Wranglerは無駄を省いたシンプルなコックピットなので運転がしやすく、伝統のエクステリアには充実の安全機能を装備しています。そしてドライブシートでのアイポイントが高いので、女性にも難なく扱えることでしょう。
那須までのハイウェイを駆け抜けたWranglerは、その重厚なスタイルからは想像がつかないほど滑らかで軽快な走りしてくれました。
3.6LベンスターV型6気筒エンジンは高級セダン並みの静粛性を持ち、多彩なアクセルワークにも湧き上がるようなパワーで反応しノンストレス。
オフロードにおける走破性は言うまでもありません。しかもハンドルが思った以上にクイックで、ダイレクトな操作感を存分にトレイルで楽しめました。
「オーセンティック」とは、言い換えれば「それ以上でも、それ以下でもない」ということなのではないでしょうか。やり過ぎもしないし、無さ過ぎもしない。
落しどころをしっかりわきまえた正統的なオトナの選択、そんな感じがするのです。
昨日今日に備えたものではない、歴史を重ねた本物だけが持つ厚みと信頼。
今回のキャンプを通じ、来年で75周年を迎えるSUVの先駆者Jeep®から改めてそれを教えられたような気がします。
みなさんも、「本物」のキャンプ探しをしてみませんか。
===link@Jeep® Wrangler公式サイトはこちら@http://www.jeep-japan.com/wrangler/===
【主要諸元】
全長:4,705mm
全幅:1,880mm
全高:1,845mm
最低地上高:220mm
車両重量:2,040kg
乗車定員:5名
エンジン形式:V型6気筒 DOHC
総排気量:3,604cc
最高出力(kW/rpm):209(284ps)/6,350(ECE)
最大トルク(N・m/rpm):347(35.4kg・m)/4,300(ECE)
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:電子制御式5速オートマチック
文:SAM / 写真:黒木武浩(黒木写真事務所)