ゴアテックス ブランドが制する世界の極限 ~防水への徹底的なこだわり~

GORE-TEX(ゴアテックス)

「GORE-TEX(ゴアテックス)」って、よく聞くけど何だろう?アウトドアウェアのブランド?そんな疑問にお答えすべく、2回に渡りゴアテックス ブランドの性能や仕組み、開発の裏側や製作秘話に迫ります。第1回目の今回は、ゴアテックス ブランドの概要から、徹底された製品クオリティーへのこだわり、そして最新情報についてご紹介いたします。

‘GORE-TEX(ゴアテックス)” って何?

‘GORE-TEX(ゴアテックス)” って何?

結論から言うと、ゴアテックス ブランドは素材メーカーの名前です。素材メーカーなので、ウェアやシューズ自体を作っている会社ではありません。購入したウェアやシューズに、ゴアテックス ロゴの黒い四角いタグを見たことありませんか?これはゴア社が開発した「ゴアテックス ファブリクス」という素材がその商品に使用されていることを表しています。

「GORE-TEX(ゴアテックス)」素材は何が凄いの?

ゴアテックス製品のレインテスト

ゴアテックス素材というと「防水」の印象が強いのではないでしょうか。一般的に「防水」と聞けば、ビニール傘やカッパが水を弾くようなイメージがありますよね。しかし、雨の中でカッパを着てスポーツをすると、隙間から雨が入るだけではなく、汗でカッパの中がびっしょり濡れてしまいます。ここに、ゴアテックス素材の最大の特徴があります。

ゴアテックス ファブリクスは、表地・真ん中の白いフィルム(ゴアテックス メンブレン)裏地という3層構造になっている

ゴアテックス素材を一言で表すならば「水は通さないけど、水蒸気は通す」。この特徴が過酷なアウトドア環境下での衣服の着用感を快適に保ってくれます。

基本的に、ゴアテックス ファブリクスは、上記の写真のように表地・真ん中の白いフィルム(ゴアテックス メンブレン)・裏地という3層構造になっています。そして、この真ん中の白いフィルムが、水は通さないけど水蒸気は通す細かいクモの巣のような構造をしています。

厳しい製品テストに表れる防水への信念

厳しい製品テストに表れる防水への信念

ゴアテックス素材はノースフェイスやモンベルといった一流メーカーによって、ウェアやシューズへと仕立てられます。

驚くべきは、ゴアテックス製品に設けられている厳しい品質基準。例えば、登山やスノーボード等で着用を想定された商品は、実際の環境下で耐久性などがを試されます。それに加えて、襟袖から雨雪が浸入してしまわないか、体から発散される蒸気を外に逃がせるのか。そういった『防水透湿性』も徹底的にテストされます。

「『防水』は水を弾くだけじゃない。体を濡らさないことまでが『防水』である。」という考えのもと、素材だけでなく製品に対しても徹底的なテストを行います。

ゴアテックス製品が、生地調達から販売されるまでの流れ

そして、このテストに合格した製品のみが、販売を許可されているという綿密ぶり。一般的な生地メーカーは生地をメーカーに販売して終わりですが、ゴアテックス製品の場合、メーカーがゴア社の定めた品質基準を満たすことができなければゴアテックス製品として販売することはできません。最終的に私たちユーザーの元に届いているのは、この厳しい基準を満たした製品なのです。

このように、ゴア社は自社の生地だけでなく、そのブランドを掲げる製品の品質にも徹底的にこだわっています。ゴアテックス プロダクトのロゴが入った製品は、ゴア社が非常に厳しいテストを行い、パートナーブランドと共同開発した証です。過酷な環境に挑戦する世界中のプロからの信頼は、このゴア社のこだわりがあるからこそだと言えます。

2020秋 “極限を征する” GORE-TEX PRO products Next Level 登場!

“極限を征する” GORE-TEX PRO products Next Level 登場!

2020年秋、進化を遂げたゴアテックス プロがリリースされます。その名も「GORE-TEX PRO products Next Level」。進化のポイントは、3つの異なるテクノロジーを組み合わせられることです。メーカーがこれらを適材適所に配置することで、アクティビティに応じてより最適化されたウェアの開発が可能となります。

ゴアテックス プロは普段使いや趣味用ではなく、アウトドアの専門家やコアなアウトドア愛好家向け、極限の条件下を想定して設計された製品カテゴリーです。今回のアップデートにより、過酷な環境で挑戦し続けるプロ達の可能性の幅がさらに広がりました。

高いパフォーマンスを実現する3つのテクノロジー

GORE-TEX PRO products Next Levelで新たに開発された3つのテクノロジー

(1) 極めて頑丈(ゴアテックス プロ モスト ラギッド テクノロジー)
主に登山向けに製造されてきたゴアテックス ファブリクスの中で、最も頑丈な生地です。耐久性が求められるシーンに最適な仕様になっています。

(2) ストレッチ性(ゴアテックス プロ ストレッチ テクノロジー)
様々な状況が想定される過酷な環境では、いかに柔軟に動けるかも重要です。このテクノロジーにより、最大20%のストレッチ性が加わり、より動きやすくなりました。

(3) 透湿性(ゴアテックス プロ モスト ブリーザブル テクノロジー)
ゴアテックス プロに求められる耐久性を維持しながら、透湿性がさらに高レベルにアップデートしました。激しい運動が必要となる状況下でも、快適な服内環境を可能にします。

地球環境への影響に配慮し水の使用量50%カットする染色技法

地球の環境汚染の一番の要因はアパレルだと言われているのをご存知でしょうか。このような深刻な問題に対し、ゴアテックス ブランドは、2020年秋から環境に配慮した染色方法をゴアテックス プロ製品に採用しています。既存のプロダクトと比べて、染色に使用する水の量を約50%もカットし、環境への影響を大幅に減らすことに成功しました。自然とともに生きるアウトドア製品を生み出すゴアテックス ブランドの、強い信念が感じられますね。

世界の極限に挑戦し続けるゴアテックス プロ

世界の極限に挑戦し続けるゴアテックス プロ

ゴアテックス製品が高品質と言われる所以は、生地だけでなく製品の構造や生産ポリシーにまで徹底的にこだわり抜く企業姿勢にあると言えます。そして、今回のアップデートにより、その機能をさらに高めました。徹底したこだわりを持つゴアテックス ブランドは高品質なだけでなく、世界の極限状態に挑戦する人のパートナーと言えるのではないでしょうか。

次回は、アップデートの裏側と開発秘話をお伝えします。

GORE-TEX PRO products Next Levelの詳細は下記をご参照ください。
GORE-TEX プロダクト GORE-TEX PRO ガーメント詳細ページへ(別タブが開きます)

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ライター:
ちゅぼ
タグ: ゴアテックス

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