カテゴリー: 所感

20 森の欠片 〜野川かさね エッセイ〜

苔の森を歩いていると
ところどころに雪が残っている。
すこしまえ、東京でもぐっと気温が下がった日があった。
このあたりの山では雪が降ったのかもしれない。

雪は溶けかかり、分断され、欠片のように
苔の上にちらばっていた。
欠片のふちは氷のように透きとおっていて
まわりの苔の緑を自分のなかにとり込んで、
ぼんやりと淡い緑色にひかっている。

今日は晴れの予報。
陽に照らされれば、
欠片はあとかたもなく消えてしまうだろう。

自分自身が森のなかにすいこまれていくことも知らずに、
雪の欠片はつかのまの輝きを見せる。

シェアする
ライター:
野川かさね

最近の記事

マムート × FLOWERS FOR SOCIETY、コラボスニーカーを発表

7月14日(月)よりマムート渋…

2025年6月30日

南圭介、GR10リバースルートのFKT挑戦へ

クラウドファンディングで300…

2025年6月30日

パタゴニア日本支社、環境省と協定締結

新プロジェクト「Ridge t…

2025年6月30日