山での必携アイテムと言ってもいいサングラス。
夏山だけでなく、春の残雪期や、冬の雪山など、1年を通じて必要な存在です。
昔に比べ幅広いサングラスが世に出回っていて、山でもおしゃれサングラススタイルを見かけることが多くなってきました。
けれども、コンタクトレンズをしない”メガネハイカー”はサングラスをどうしているんだろう。
サングラスはしない?
度付きサングラスを携帯?
それとも他の方法が?
今回はそんな謎を解き明かすべく、メガネのZoffとのコラボ企画が実現!山歩きシーンを牽引する生粋のメガネハイカー3人に、山サングラスの事情と対策を語ってもらいました。
さらには編集部内でも好評な、かけ心地のいいメガネ(フレーム)Zoff SMARTと調光レンズ(2way Lens)の組み合わせも山で試してもらいましたよ。
三者三様の悩みを抱える3人が語る、山とサングラスの最適解とは?!
土屋 智哉(写真中央):
東京・三鷹にあるULスタイルのアウトドアショップ『ハイカーズデポ』店主。UL(ウルトラライト)という考え方を日本に伝えた第一人者。小学3年生からメガネをかけはじめ、メガネ歴は約40年。今回試している調光レンズのカラーはブラウン。
辻岡 慶(写真左):
東京・西荻窪にアトリエを構えるアウトドアブランド『アトリエ ブルーボトル』の職人。山のフィルム写真をこよなく愛する。高校生の頃からメガネをかけはじめ、メガネ歴は約15年。今回試している調光レンズのカラーはグレー。
井上 真(写真右):
栃木・真岡にアトリエ兼ショップを構えるアウトドアブランド『ヌルク』の職人。愛称はウッドさん。メガネ歴は約15年。今回試している調光レンズのカラーはブラウン。
ーーみなさん、そもそも山でサングラスってしますか?
土屋:
山でのサングラスは諦めている時期が長かったなぁ。コンタクトの上にサングラスは面倒だし、度付きのサングラスは外すと見えないからちょっと……って感じで。メガネも持って、サングラスも持っては面倒。だからサングラスはしない時期が長かったんだよね。幸いにも眩しさには強い方だったから、なんとかなってた。
辻岡:
UL(ウルトラライト)って言っちゃってますし、荷物が増えるのはちょっとね(笑)
ぼくは目が弱いので、面倒だけどサングラスをしないと眩しさで目が痛くなるんです、涙が止まらなくなる。これまでも色々試しましたよ、コンタクトをしたうえでサングラス、度付きのサングラスとか。今は度付きサングラスとメガネを携帯して山に登ることが多いかな。
土屋:
目が痛くなる、涙が止まらなくなるというのが自分の場合はなかったからなんとかなったんだよなぁ。井上さんは?
井上:
最初のうちは、海外メーカーのレンズが取り替えられるモデルを使ってたんですけど、フレームもレンズも高くて。作ったあとにさらに視力が落ちて使えなくなったんですよ。それで、高くてもう変えらんないって。そのあとワンデイのコンタクトを試したけど、黒目がでかすぎてうまくハマらなかった。
一同:
笑笑笑
井上:
で、結局、跳ね上げ式のものに落ち着いたんですよ。
ーーそもそも論なんですけど、サングラスってどうして山で重要なんでしょうか?
辻岡:
眩しい以外ないでしょ!(笑)
井上:
最近はおしゃれの意味合いでかけている人もいそうだよね。
土屋:
下界よりも紫外線が強いし光を遮るものもないから、辻岡くんがいう通り目を守るためだよね。眩しくて視界が悪くなるのは山では余計に危ない。森林限界を超えてくると、花崗岩とか砂岩とか、白い照り返しが多いからね。
辻岡:
下界より確実に眩しいですよね。
土屋:
そうそう。残雪期とか雪渓みたいな雪も眩しい。昔の山用のサングラスといえば、横からの眩しさから目を守れるようになっていた。
それ以降はスポーツサングラスを使う人が増えたんだけど、欧米メーカーのものが多くて、アジアンフィットのものがない。しかも、日本は一部の人を除いて、登山をスポーツとしてではなくて旅のように捉えている人が多い。だから、いかにもスポーツしてますというデザインのサングラスだと身につけるハードルが高いんだよね。まわりにも普段使いのサングラスをかける人が増えているように感じる。
ーーそういう意味では、サングラスは山用である必要はないんでしょうか。
辻岡:
厳密に分けられるならいいけど、そうでもない。日常の延長ですよね、スポーツをしているつもりではないし。
土屋:
厳冬期はゴーグルとか、よりクライミング要素が強いと邪魔にならないような顔の形に沿った目元にフィットするようなものが選ばれる。けどそうでない限り、登山専用、高所専用でないとダメだってことは全くないと思う。
ーーレンズの良し悪しというのはけっこう山では響きますか?
土屋:
ちゃんとしていないレンズだと登山中かけていて疲れちゃう。
辻岡:
レンズがちゃんとしていると、ちょっと霧がかっている時にかけると逆にクリアに見えたりもするんですよね。ミラーレンズのオラオラ感はちょっと苦手かな。
あとは色、度付きサングラスだとレンズの色って限られるんだけどそれが嫌で。だからあとで染め直したんですよ。
土屋:
けっこう色々やってるんだね。
辻岡:
かなりやってますよ。何種類か持っているけど、暗すぎてもだめ。運転とかしていてトンネル入った時怖いし、適度に暗いものがいい。目が見えるくらいの方が相手も安心感があるじゃないですか。
ーーフレーム選びのポイントは?
井上:
おもしろいデザインのサングラスをずっとしているから、昔のハイカーがかけていたようなデザインが好きですね。ぼくは機能性よりもデザイン重視になっていったタイプ。最初はズレにくいやつとかにしてたんですけど、本当に面倒くさがりだったのでデザイン性のある跳ね上げ式のものに落ち着きました。
でも、使いやすいかというとそうではなくて……特に重いんですよね。汗かいたあと下山時とかに下を向くと重みで落ちちゃう。だからぜんぜん納得はいってないけど、キャラが確立してるから変えようにも変えられない。
辻岡:
使命感だよね(笑)
井上:
そうそう、使命感(笑)。でもやっぱり考えるようになって、軽さを大事にしてきています。普段のメガネが軽いものなので、山もそうでないと疲れちゃう。
辻岡:
普段と違うものだと疲れちゃうよね。だから同等かそれより軽いかで選ぶようにしているかな。散々試してわかったのはやっぱり「軽さ」。ずっとつけていられるか、これに尽きます。
土屋:
サングラスのストレスって意外と辛いんだよ。耳の当たりが痛いやつだと気になるし、重いとストレスだし揺れて、その度に視界がずれるから怖い。だからできるだけ軽くて顔にフィットするやつ。ULだからとかは関係なくて、サングラスをしていて運動する人はみんな同じ考えじゃないかなぁ。
辻岡:
このZoff SMARTのフレームは軽いしフィット感がいいですよね。
ーーZoff SMARTは耳にかかる部分が自分で調整できるラバー素材になっているので、顔にしっかりフィットして、かけ心地が楽なんです。
辻岡:
それで違和感がなかったんですね。ぼく自身、フレームは耳にかかる部分の柔らかさも重視しているので、すごくいいなと思いました。
ーー他にも山でのサングラスの悩みってありますか?
辻岡:
メガネとサングラスの2つを持つこと。やっぱりできるだけ軽くしたいし。
土屋:
樹林帯とかに入ると、サングラスからメガネにかけ替えないといけない。これがすごく面倒。
辻岡:
サコッシュは普段使ってなくてサングラスはリュックに入れているから、出し入れが面倒くさいんですよ。かさばるし。下手したら潰れちゃうし。
井上:レンズを外せるやつも、樹林帯に入るたびにいちいちレンズを付け替えてってなるから面倒。だったらもうずっとクリアにするか、いっそのこと外すか。
土屋:
だから紫外線の量に合わせて色が変わる調光レンズ(2way lens)はいいよね。
ーー今回、皆さんにはZoffの調光レンズ(2way lens)をずっとつけて山を歩いてもらいましたが、調光レンズって使ったことありましたか?
一同:
使ったことなかったなぁ。
井上:
本当にちゃんと色変わるの?って疑ってました(笑)
土屋:
サングラスかけている時って視界が暗くなるじゃない?それが目にはいいんだろうけどどうしても苦手で、見えにくいから結局とっちゃうことが多いんだけど……Zoffの調光レンズ(2way lens)は、色が濃くなってもそこまで実感値としてなかったからストレスはあまりなかったかなぁ。途中で視界が暗くなってやっぱヤダってなるかなぁって思ったんだけど、そういうのはなかったからけっこういいかもって。
そういう意味では、サングラスの必要性はわかっているけど視界が暗くなりすぎるのは苦手っていう人にはいいかもしれない。サングラスに慣れてる順でいうと、辻岡くん、井上くん、ぼくだけど、どう?
辻岡:
あれ、みんな普段サングラスは使わないんですか?
井上:
山でしか使わない。車の運転でも使わないです。
辻岡:
昼ご飯を外に食べに行く時とか面倒だからサングラスだけで行くんですけど、店内に入ると暗くて何食べてるのかわからなくなります(笑)
土屋:
それって大事だよね、日常でも屋内外の入れ替わりって多いじゃない。
辻岡:
それだと日常の記事になっちゃう(笑)
土屋:
でも、多くの人の山登りって日常の延長の気がするんだよね。
辻岡:
確かに、普段も使えるから欲しいってなる。
土屋:
山小屋入ってご飯食べることだってあるでしょ?山小屋はすごく暗いし。
辻岡:
山のトイレなんて真っ暗だしね。
土屋:
そういうシチュエーションは山でもあるよね、急に明暗差があるみたいな。
ーーということは、皆さん調光レンズ(2way lens)はけっこういいなって感じですか?
一同:めちゃ好印象。
ーーZoffの調光レンズ(2way lens)は3,000円(税別)でできます。度付き・度なしどちらでも作れます。
土屋:やろ
井上:やろ
辻岡:やりたいっす
土屋:ちょっと嬉しかったんだよ、これで俺もサングラスかけられる〜って。
***
さすが山のプロであり、生粋のメガネハイカーである3人。それぞれにサングラスに対するこだわりもありつつ、山での重要性を熱く語ってくれました。
特に山でのメガネハイカーの悩みは
・メガネとサングラス2つ携帯しないといけない
・樹林帯、山小屋、トイレなど、暗いところではメガネをかけ直さないといけない
・アジアンフィットの優秀なサングラスはまだまだ少ない
ということ。
これらを、『Zoff SMARTの軽さ・フィット感と調光レンズ(2way Lens)によるかけ替え不要の便利さ』によって一気に解決してくれそうと、皆さんテンション高めでした。
後日、山や日常利用してみての感想を3人からいただきました。 土屋さん:
毎日かけているんですが、日常でも山でも視界に違和感なく使用できてます。屋外から屋内と急激な紫外線や光量の変化があった場合にも視界に違和感がないのが嬉しいし、これは樹林帯に入ったり急激に天候変化したり、山小屋に入ったときも助かりますね。雪山のときにどれだけ機能するかまだ未知数ですが、サングラスに困っているメガネ派のハイカーは一度試す価値が大いにあると感じます。
辻岡さん:
また山で使ったんですけど、適度に明るくて眩しくなくて丁度よかったです。曇ってきた時も色が薄くなるのが実は便利でした。周りの反応も「あれ?さっきまでサングラスじゃなかった?」という反応でおもしろかったです。
井上さん:
この日の寝るまで気づいたらずっとつけてましたよ(笑)。様々なシーンで違和感なくつけていられたので、サングラスがちょっと苦手っていう人にもぴったりだと思います。
まさに『Zoff SMART×調光レンズ(2way Lens)』の組み合わせは、山サングラスの最適解になりそうです。
しっくりくるサングラスがない、メガネとサングラスの2個持ちは面倒。
そんな方はぜひ『Zoff SMART×調光レンズ(2way Lens)』を試してみてはいかがでしょうか?
ハイカーズデポ 土屋さん:
Zoff SMART Regular ZJ41028_B-1 × 調光レンズ(ブラウン)
クラシカルなウェリントンシェイプを、あえて最先端の素材で。コーディネートをブラッシュアップするのに最適な1本。
アトリエ ブルーボトル 辻岡さん:
Zoff SMART Skinny ZJ71019_B-1B × 調光レンズ(グレー)
ボストンタイプは、小さめサイズで小顔の方にもマッチ。ビンテージな雰囲気のカラーで知的な印象に仕上がっている。
ヌルク 井上さん:
Zoff SMART Skinny ZJ61042_C-1A × 調光レンズ(ブラウン)
キチンと感と丸みを帯びた優しい印象をあわせ持つオールマイティなシェイプ。アジア人にも似合いやすい。
文:羽田 裕明
写真:大林 直行