健康や美容のために「運動しなきゃなあ」と思い、運動をはじめたけれど、仕事も忙しく中々続かない・・という女性も多いのではないでしょうか。そもそも、日常の中で運動習慣を作るのって意外と難しいですよね。「美容や健康のために、身体づくりをしたい!」と思っている女性にぜひおすすめしたいのが、『美容のための登山』です。
実は、片道2時間程度の低山でも、ハーフマラソン以上のエネルギーを消費する場合も!
長時間、負荷の軽い運動継続するため、有酸素運動を行うことができます。効率よく脂肪燃焼効果を高められます。
普段使わない足やお尻の筋肉、体幹を使いながら歩くので、自然と身体が鍛えられヒップアップ等、美容に嬉しい効果が。
自分に合った山で無理なく登ることで、心地の良い汗をかきながら登ることができます。また、山の景色を楽しみ、自然に囲まれながら運動することができるので精神的にもリフレッシュ!
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これだけ挙げると良いことずくめのように見えますが、実際の登山の際、間違った身体の使い方をしてしまうと、足が太くなってしまったり、逆効果になってしまう可能性も。そのため、今回は「楽しく遊びながら健康に」をモットーにスポーツの指導をされている、アウトドアフィットネスインストラクターの青木宏和さんにレクチャーを受けました。
運動不足に悩まされている張本人の私が、楽しみながら行える『正しい美容登山の方法』をレポートします!
登山は長時間、負荷の軽い運動を継続的にする有酸素運動。効率よく脂肪燃焼効果を高められ、まさしく「美容・健康効果」を得るには最適なんです。
青木さん「効果的に行うペースの目安として、会話ができる余裕を持って呼吸ができるくらいが丁度良いです!有酸素運動の基準にもなる最大心拍数の70%を上回らないことがポイントなので、心臓がバクバクするほど負荷をかけず一定のペースで登りましょう。自分のペースで無理なく気軽に登ることができる低山は、体力に自信のない人や、登山初心者の方におすすめです!」
私も登山初心者で体力に自信がなかったのですが、心地よい疲労を感じながら登れました。
登山未経験の方は、「登山は大変そう」とハードルが高いイメージもあるかと思います。しかし、『美容登山』では、決して「過酷」ではなく、気持ちの良い汗をかきながら無理なく登るのがおすすめなので、ビギナーの皆さんにもぜひチャレンジしていただきたいです。美しい自然に癒され、友人と会話を楽しみながら登れるので、ちょっとした週末のレジャーとしても楽しめます。
登りの際、身体より先に足を前に出して登ろうとすると、すぐに疲れてしまいます。特に、高い所に足をかけて登ると、疲労が大きくなるそう。足だけに負担をかけてしまうと、筋肉がつきすぎて足が太くなってしまうことも・・・!
疲れにくく、正しい登り方は、「できるだけ小さな段差を選び、前重心で身体の下に足を置くようにして歩くこと」。
このように歩くと、足の筋肉だけでなく、普段あまり使わない、お尻の後ろ側の筋肉も使うことができ、ヒップアップ効果も!
青木さん「腸腰筋という足の引き上げを助けるインナーマッスルも同時に鍛えることができます。腸腰筋がしっかり使えていると、骨盤が起きてお尻の位置もアップし、姿勢の改善にもつながります」
日常生活でも、階段の登り方を上記のように改善していくと、普段からお尻の筋肉と腸腰筋を効果的に使うことができるそう。ぜひ取り入れたいですね。
美容登山の際の行動食は、美容や健康に役立ってくれる栄養素がたっぷり詰まっている、ドライフルーツやナッツ類がおすすめです。今回持参したのは、ドライいちじくとアーモンドやくるみ等のナッツ類。
青木さん「特にドライいちじくはカルシウム・カリウム・鉄分などのミネラルが豊富で、鉄分は貧血予防、カリウムは余分な塩分を体外に排出する作用があるので、むくみ防止や高血圧に効果的なんです」
のだそう。また、日本人が不足しがちな食物繊維が豊富で、女性にうれしい栄養素がたくさん!甘酸っぱくて、ぷちぷちの食感がクセになり、美味しくいただけます。
今回登った山梨県・日向山は、山頂が1年中「白い砂浜」で覆われており、山頂なのにビーチのような景色が広がる絶景の山。短い時間で登れることから初心者におすすめです。
この日はこんな可愛らしい登山者の姿もありました。
いくつかヨガやピラティスのポーズを覚えて登れば、絶景エクササイズも楽しめます!写真のストレッチは、キュッと引き締まったウエストをつくる「体をねじるポーズ」です。
絶景を見ながらゆったりとストレッチをして、山頂のキレイな空気を身体の中に取り込みます。室内で行う以上に心も身体もリフレッシュすること間違いなしです!
体幹を鍛えると、疲れが溜まらない、腰痛予防になる等、うれしい効果がたくさんあります。下山では、そんな体幹を自然に鍛えられます。
青木さん「山道を下るときは、足の置き場を探しながら行くので足が宙に浮いている時間が長くなります。すると、自然と腹筋や背筋を使う歩き方になるため、体幹のトレーニングに最適なんです。足や関節に負担がかかりやすい下り道ですが、体幹をしっかり使って歩くことで、身体に余分な負荷をかけずに済みますよ」
歩き方のポイントとしては、
・上りと同じく、身体の下に足をつくようにして、小さな段差を探しながら歩く。
・かかとから着地せず、足全体で降り、関節のクッションを使う。
・腹筋、背筋を意識し、身体を上に引き上げるイメージで姿勢を保つ。
このようなことを意識して、バランスよく身体を使い歩いていきます。
登山のような、長時間の有酸素運動をすることで、身体の基礎代謝が上がります。代謝が上がることで、血液の流れが良くなるため、肌のツヤや血色が良くなり美肌効果にもつながります。低山で無理なく運動を続けることで、なかなか運動習慣が作れない私でも、楽しんで身体づくりを行うことができると感じました。
自然いっぱいの山の中で、絶景を楽しみ、日頃の悩みやストレスから解放され精神的にもリフレッシュ。心地の良い筋肉痛を感じ、いつも使えていない身体の筋肉をしっかり使えたという実感がわいてきます。
健康・美容のための身体づくりもでき、自然に癒される・・・。美容登山はまさに働く女性にとって一石二鳥の体験でした。
「美容登山」の目的は、楽しく、健康・美容のための身体づくりをすること。そのため、女性でも無理なく登ることができ、効果的に有酸素運動が行える、往復3時間~4時間程度、標高差が300m前後の急勾配でない低山がおすすめです。
そこで最後に、週末に日帰りで楽しめる、関東近郊の低山をご紹介します!
これからは、週末に自然に癒されながらできる「美容登山」を続け、日々の運動不足を楽しく解消していきたいと思います!「山登りは大変そう」と思っている方や、「運動が中々続かない・・」と感じている女性こそ、気軽に週末「美容登山」はじめてみませんか?
(写真:茂田 羽生)