ゴアテックスの洗濯って専用の用品を使ったり、メーカーに送ってクリーニングしないとダメだと思っていませんか? 実はゴアテックスの洗濯は自宅の洗濯機で簡単にできるんです! 特殊な洗剤も必要ありません。ゴアテックスの正しい洗濯の仕方を解説します。
購入したゴアテックスの洗濯は特殊な洗剤だったり、プロじゃないとお手入れできないと思っている人はけっこう多いのではないでしょうか? 水や湿気の多いシーンで活躍するゴアテックスですが、汗汚れや泥汚れなどで汚れてしまう場面は結構あります。
汚れたゴアテックスの洗濯は特殊だから「今度でいいや」とそのままにしていませんか? 洗濯の必要性がないと思ってあえて洗わない方もいるでしょう。ですが、一部商品を除いて洗濯はとても簡単で、自宅ですぐにできるんです。
洗濯機でも手洗いでもできます。特殊な洗剤や技術も必要ありませんので、ゴアテックスを持っているけど一度も洗っていない人はチャレンジしてみましょう!
汚れが徐々に表面上へたまっていくと、生地にコーティングされている撥水性が低下します。低下すると生地の表面に水分がにじんで膜を形成し、透湿性の孔を塞いでしまいます。すると内部で発生した水分が蒸発できなくなり蒸れの原因に。
撥水性もなくなり内部で蒸れてしまうので、着用していてとても不快になってしまいます。
汗や皮脂の汚れがたまってくると、生地が劣化して「シームテープ」と呼ばれる部分が剥がれてしまいます。「シームテープ」とは生地の縫い目を覆う防水加工したテープで、そこが剥がれてしまうので防水加工がなくなってしまうのです。
ここまで劣化するとリペアできなくなる場合が多く、買い替えになるケースがあります。こうならないためにも洗濯して汚れを落としましょう。
ゴアテックスの洗濯はすべて家庭用のもので洗濯ができます。一部洗濯ができない商品もありますが、ゴアテックスの商品はほとんどが洗濯可能。洗濯機で洗う方が楽ですが、丁寧に洗いたい人には手洗いがおすすめです。
注意したいのが、釣りやスノースポーツなどで付着したワックスやグリスの油汚れの落とし方です。ファンデーションも油汚れになります。無理に洗うと表面のコーティングを落としてしまう原因になるので、そのような場合は専門業者に頼みましょう。
まず家庭で洗濯する場合「タグ」を確認しましょう。洗濯機での洗濯が可能か? 手洗いのみ可能か? 乾燥機の使用が可能か? などの情報を事前に把握してください。
< 洗濯に用意するもの >
液体洗剤は柔軟剤や漂白剤成分の入っていない洗剤を使いましょう。また「シームテープ」は、加水分解という化学反応で劣化してしまいます。強い洗剤は加水分解を促進させてしまうので気をつけましょう。
洗濯機に入れる前に、ファスナーやベルクロがあるものはすべて閉じましょう。この部分が開いていると、他の部分に接触して破れたり傷がついてしまう危険があります。ゴアテックスの生地は丈夫で擦れにも強いですが、傷ついてしまう場合もあるので忘れず行いましょう。
ファスナーやベルクロをすべて閉じたら今度は洗濯ネットに入れましょう。こうすることで、さらに擦れることを防げます。一度に複数まとめて洗う場合は個別に洗濯機に入れる方がより安全に洗濯できるでしょう。
洗濯する水の温度は40℃以下のぬるま湯で洗うと、汚れが落ちやすくなります。洗剤が残らないようにすすぎは念入りに行いましょう。
基本的にゴアテックスは水を通さないので、脱水の必要はありません。洗濯が終わったあとはしっかりと乾燥させましょう。乾燥機の使用がOKなものは乾燥機を使います。乾燥機がNGだったり乾燥機がない場合は日陰干しをします。
乾いたあとは当て布をしながら中温以下でアイロンをかけて完了です。こうすることで生地の撥水性が回復します。
洗う回数が増えてくると生地の表面の撥水性が徐々に落ちてきます。洗濯後に水弾きが悪いなと感じたら撥水加工をしましょう。これも簡単で、撥水加工用のスプレーや撥水効果が配合されている液体洗剤を使います。
スプレータイプは慣れていないとムラになりやすいので、初めての人は液体洗剤に配合されているタイプがおすすめ。スプレータイプで行う場合は、薄く均一に吹きかけるのが失敗しないコツです。
ムラになってしまった場合は、すぐにアイロンで熱を加えて薄く伸ばしましょう。
ゴアテックスはタフで長く使える商品ですが、それはきちんと手入れを行った場合です。今まで洗濯していなかった人にも、簡単に洗濯ができることを知ってもらえたでしょうか。アウトドアシーンで大活躍のゴアテックスを長く愛用するために、しっかりお手入れをしましょう!