焚き火の火起こしをスムーズにできますか?分かっているようで分かっていない方も多い、焚き火の起こし方。焚き火初心者の方に向けて、火起こしの基本のノウハウを便利な道具とともに紹介します。これであなたも焚き火マスター!
火起こしの基本をステップに分けてご紹介します。焚き火慣れした方も見落としがちな安全のための注意点もありますので、要チェックです。
まず火起こしをする上で必要になるのが、着火のための着火剤と焚き付けです。着火剤も、市販のものから現地で調達できるものまで様々。自分に合ったものを使いましょう。
市販の着火剤は大まかに分けて、ジェル状のタイプと固形タイプの2種類。ジェルタイプは保管がしやすい、固形タイプは無駄なく使える利点があります。キャンプ場の売店で購入できることも多いです。
着火剤は自然の中でも調達できます。松ぼっくりや松の葉は油分が含まれているため、着火剤として優秀です。小枝も乾いたものであれば焚き付けとして使いましょう。
サバイバル寄りのキャンプを楽しみたい方はフェザースティック作りもぜひチャレンジしていただきたいです。フェザースティックとは、木の棒をナイフで、鳥の羽のような形に削り着火剤を作るテクニックです。これが綺麗にできれば、あなたも上級者。
市販の牛乳パックにはパラフィンワックスというロウが含まれているため、着火剤に最適です。キャンプの道中でパック入りのドリンクを買うのも良いでしょう。
焚き火をする上で、薪を知ることは重要です。薪の特性や違いを知れば簡単に火起こしができます。
薪には、松や杉などの針葉樹の薪と、ナラやクヌギなどの広葉樹の薪の二種類があります。
針葉樹の薪は、燃えやすく火持ちが悪い特性。広葉樹の薪には、火がつきにくいが火持ちが良い特性があります。
序盤の火起こしには針葉樹の薪を使用し、火が安定したところで広葉樹の薪をくべると、素早い火付けと火の長持ちが両立します。
薪を組む際は、着火剤→小枝→細い薪→太い薪の順番が鉄則。燃えやすい順にグラデーションを作ります。
また、薪の場合は炭と違い隙間を作ることも重要。空気の通り道を塞がないこと、簡単に崩れてしまわないことに注意して組みましょう。
薪の樹皮の側は油分が含まれているので、火の方に向けて組むと燃えやすいです。
火付けから火の安定までの間に欠かせないのが、酸素を送り込むことです。息を吹きかけるのもいいですが、便利な道具があると簡単に火を盛り上げられます。
火起こしといえば、ファイヤーブラスターと呼ばれる火吹き棒。ピンポイントで火の下の部分を狙って酸素を送り込めるので、効率がアップします。
キャンプ慣れした方も愛用しているのが、100円ショップなどでも手に入る風船用の空気入れ。シリンダーを押しても引いても酸素が流れるので、手でシュポシュポと動かすだけで一気に火が燃え上がります。リーズナブルな割に効果が大きい優秀な道具です。
バッテリー式のハンディ扇風機も火起こしにおすすめです。スイッチ一つで自動的に送風される楽チンさがポイント。あまり熱い場所近づけるとプラスチックが溶けてしまうので注意しましょう。本来の扇風機としての用途や、冬のストーブの熱の循環にも使えて万能です。
火起こしをすること以上に大事な、安全のための注意点がいくつかあります。怪我はもちろん、周囲とのトラブルの原因にもなりますので、十分注意しましょう。
焚き火に火を付ける前に、焚き火台周りに燃えやすいものがないか必ずチェック。落ち葉や、化学繊維の製品、ガス缶などの燃料はどけましょう。
風は焚き火の大敵。強い風の中で焚き火をすると、引火による火事の原因になります。山火事の三割は焚き火によって引き起こされているというデータもあるので、自分を守るためにも風が強いときの焚き火は諦めましょう。
いざという時のために水を張ったバケツや、ジャグを手の届く場所に置いておきましょう。
焚き火の火付けの知識やテクニックも重要ですが、火を扱うので、それ以上に安全対策が大事。安全の基本を押さえつつ、上手に火付けができればあなたも焚き火上級者です。基本とマナーを知り、キャンプの焚き火をもっと楽しみましょう。